ターコイズの品質を決定する要因


トルコ石の異なる色。
アメリカの鉱山で産出されたこのグリーン ターコイズのカボションは、デザイナーによるユニークな宝飾品に使われる可能性を秘めている。右側のカボションの均一なブルーの色は、業界で「ペルシアン ブルー」と呼ばれている。写真:Robert Weldon/GIA、E. J. Gübelin 博士のコレクション

高品質のターコイズ(トルコ石)は、珍しいジュエリー作品を制作する世界中のデザイナーが熱望する宝石です。

通常、ターコイズの品質は、3つの基本的な要因で判断されます。それは色、質感、マトリックスの有無です。

ターコイズの色

ブルー ターコイズ
ターコイズで最も貴重とされている色は、むらのない、濃いミディアム ブルーです。この色は業界ではロビンズ エッグ ブルー(コマドリの卵のような色)やスカイ ブルーと呼ばれています。この色のターコイズは、主にイランのニシャプール地区から産出されるため、実際にそのターコイズの産出地であるかどうかに関わらず、「ペルシアン ブルー」と呼ぶのを聞くことがあるでしょう。

グリーン ターコイズ
一般的には、グリーンからグリーニッシュ ブルーのターコイズは、色相が純青色のターコイズよりも望ましくないとされますが、これは個人的な好みにもよります。アボカドやライム グリーンの色のターコイズを積極的に探す現代的なデザイナーもいます。


トルコ石ブローチとグラジュエーションビーズストランド
このブローチとグラジュエーション ビーズ ストランドのターコイズは、アリゾナ州スリーピング ビューティー鉱山から産出された。その滑らかでむらのない色は、ほとんどのコレクターが珍重する外観を呈している。- 写真:Valerie Power/GIA。提供:GLEAM(グリーム)
- 提供:GLEAM(グリーム)

ターコイズの模様

ターコイズは亜半透明から不透明で、色は通常ライト ブルーからミディアム ブルーまたはグリーニッシュ ブルーの範囲です。まだら模様が入っていることが多く、暗い斑点が見られることもあります。また、マトリックスが全体に脈状に入っている場合もあります(マトリックスとは周辺の母岩の残留物)。スパイダーウェブ ターコイズとして知られる素材では、マトリックスの細かい網目が魅力的なクモの巣状の模様を形成しています。


自由な形のトルコ石カボション
これらの不規則な形をしたターコイズのカボションには、典型的なマトリックスの模様が見られる。写真: GIA

最も価値の高いターコイズは、マトリックスの無い均一なミディアム ブルーで、研磨の仕上がりが良好なものです。

ターコイズのカット

ターコイズはカボションにカットされるのが一般的です。滑らかなラウンドのドーム型は、ターコイズの色、質感、そしてどのようなマトリックスも美しく見せます。さらに、カッターや職人は、ターコイズをストランド ネックレス用にラウンドまたは楕円形のビーズに加工したり、ジュエリーのインレイ(象嵌細工)で人気のある小さく平らな石に作り上げます。最も上質のブルーのターコイズには、ペルシャ語やアラビア語の碑銘が刻まれ、金でインレイが施されるものもあります。低品質の原石は、タンブリング研磨で「ナゲット」にされることがあります。


「釘付けナゲット」トルコ石のブレスレット
このスタイリッシュで珍しい“Pegged Nugget”(釘打ちナゲット)のブレスレットには、平らな銀の釘で取り付けた、約100個の平らなターコイズの塊が付いている。-– 写真: Maha Tannous/GIA。寄贈:Robert Lee Morris
インターシャボックス
Nicolai Medvedevが作成したこのインターシャ ボックスには、そのインレイのデザインの一部としてターコイズの平らなピースが含まれている。-– 写真:© GIA & Tino Hammid、寄贈:Carol SeemanおよびFred Seeman

ターコイズのカラット ウエイト(重量)

ターコイズの重量はカラット単位で計量され、5カラットの重量は1グラムに相当します。ターコイズは、さまざまなサイズで入手可能です。非常に小さなものを含めあらゆるサイズのターコイズが、アメリカ先住民の宝飾品で使用されており、ターコイズの大きな原石はカービング(彫刻)用に人気があります。どのサイズにおいても、品質と色の均一性が価値を決める最も重要な要因です。


トルコ石原石と宝石の作品
1つの大きな原石から、上質で色にむらがない小さなターコイズを複数作ることができる。宝石カット職人は、宝石の価値が下がらないように、母石を慎重に調べて作業を行う必要がある。写真:GIA、Eduard J. Gübelin博士コレクション。