タンザナイトの品質を決定する要因

タンザナイトには、様々なサイズやカッティング・スタイルがあり、多方面に利用されます。1960 年代後半に発見されたばかりですが、すぐに世界中で最高の宝石の一つとして地位を確立しました。

色
タンザナイトは、多色性宝石です。この多色性とは異なる結晶方向で見たとき異なる色を示すことを意味しています。このため、石をカットしジュエリーにセットする時には、カッティングが消費者が見る色を決める際の重要な要素になります。

非常に美しいタンザナイトには、鮮明な紫がかった青に伴って、石の中から光る多色性の赤の色が見られます。この宝石の強い多色性のため、カットされた石にはさまざまな色調の青色と紫色が織り交ざった色合いが見られるのが一般的です。ほとんどのカラーストーンと同様に、淡い色のものが彩度の高いものよりもより簡単に、そしてより手ごろな価格で入手することができます。

未処理のタンザナイトには、通常、褐色味があります。今日販売されている多くのブルーのタンザナイトは、宝石の魅力的な多色性の青色やすみれ色を引き出すように熱処理されています。マサイ族が初めに発見したブルーの結晶は例外で、地球内部のある時点で天然の熱源にさらされたものと思われます。

業界の専門家が市場にある大半のタンザナイトは何らかの方法で熱処理されていることを前提としているので、価格設定にほとんど影響はありません。多くの場合、宝石学研究所が、タンザナイトが熱処理されているかどうかを判断することは困難です。

クラリティ
宝飾品用に販売されるタンザナイトの多くには、拡大するとようやく見えるような微細なインクルージョンが入っています。目に見えるインクルージョンがあると価値は下がります。また、フラクチャーのような耐久性の問題を引き起こす可能性のあるインクルージョンがあると、タンザナイトの価値は大きく下がります。

カット
カッティングはタンザナイトが見せる色に重要な影響を与えます。多色性は、異なる結晶方向から見た時に異なる色を示す性質であり、そのためカットする方向がその石を正面から見た時の全体の色を決定することになります。

カット職人は、どのようにタンザナイトをカットするかを決定する際に経済性という現実を検討します。他の宝石と同じように、カットによる重量減は、利益の損失です。タンザナイトのすみれ色～紫色を強調するようにカットすると、すみれ色がかった青色を見せるようにカットするよりも原石の無駄は少なくなります。これが、フェイスアップですみれ色～紫色を示すタンザナイトの方が、強い青色を見せる石よりも豊富な理由のひとつです。

しかし、すみれ色がかった青色でも高品質ものもはカラット当たりの価格が高くなることもあるため、カットの方向の決定にはバランスを考慮する必要があります。カット職人は基本的には、色は最良でも小さな石とするか、より大きいがすみれ色がかった紫色の石とするかで、選択します。

カラット重量
タンザナイトは、さまざまなサイズ、形状、およびファセッティング・デザインのものが入手できます。最高級で最も濃い色は、通常、5カラット以上の大きさでの石に見られます。小さい石の色は、たいていあまり濃くありません。