ストーリーの背景

オレゴン州のサンストーン採掘に必要なもの


Kevin Schumacherは、ポンデローサ鉱山の所有者であるJohn Woodmarkとのインタビューの準備にかかります。
Schumacher(右端)が、ポンデローサ鉱山所有者のJohn Woodmarkにインタビューするところ。 写真:Duncan Pay/ GIA
オレゴン州南東部は、町の数が少なく携帯電話も入りにくい、「空っぽな土地」というのが想像に難くない場所ですが、GIAのデジタルリソーススペシャリストであり、ビデオ撮影家のKevin Schumacherは、その風景とサンストーンを採掘する人々は、宝石・ジュエリー業界にとってユニークで注目に値するものだと考えます。
 
「ポンデローサの高い木々と、プラッシュ近くの広い渓谷に暗く起伏のある火山性の丘のコントラストは、それぞれがゴツゴツとした独特の美しさを持っていて印象的でした」と彼は語りました。
 
人々はどうですか?
 
「ここの人々はさらに個性的です」と彼は言いました。 「砂漠で成功するためには多くのスキルが必要であり、ここの人々は間違いなくそのスキルを持っています。 独立独歩でなければなりません。また、最悪の事態に備えつつ、最善の結果を期待する必要があります。」
 
これは、小さな村プラッシュの北約20マイルに位置し、採掘者が「谷」と呼ぶラビット流域のサンストーン採掘場には、特にあてはまります。 そこは砂利道で、ホグバックとナスティフラット(扱いにくい平原)と呼ばれる土地は、車で進んでいくのが過酷です。 
 
「そこにたどり着くにもタフな車が必要です」とSchumacherは語りました。 「ダストデビル鉱山のTerry Clarkeは、SUVのタイヤを蔑視すると、次回は4プライ(タイヤの強度)ではなく10プライで行く。」と言いました。
 
SUVがダストデビル鉱山の近くでパンクしたとき、彼が正しかったと分かりました。 鉱山労働者の真の精神と寛大さを垣間見たのはこのときでした。
 
「誰かが困っていれば、彼らは競争心を捨てお互いに助け合うのです」Schumacherは語りました。 「彼らはもはや若者ではありませんが、すぐにタイヤを修理しました。面倒なことは何もありませんでした。」

ダストデビル鉱山のTerry ClarkがチームのSUV車の前輪のパンクを修理する様子を見ているKevin Schumacher。
ダストデビルのTerry ClarkがチームのSUVのパンクを修理する様子を見るSchumacher。 写真:Duncan Pay/ GIA
器材 
「私のカメラ機材は小さなスーツケースに入り、ほとんどの飛行機で頭上のロッカーに収まります」とSchumacherは語りました。 「すべての機器を徹底的に確認する必要があります。バッテリーを充電し、スペアを準備し、そしてメモリーカードをたくさん持ち歩くのです。」
 
「バッテリーが切れていた、何か忘れた、というのはとても嫌なのです。 私はチームの弱点になりたくないのです!」
 
Schumacherは、ビデオカメラマンの仕事は全く受け身ではないと言いました。 「私は、インタビューの間、カメラを通してその人が話す一語一語を聴きます。 彼らが話した採掘作業や風景等の詳細を、インタビュー後に逃さずフィルムに収めるよう確認しています。」
 
「そうすることで、完成した映像が、そこにいるのと同じ体験を伝えることができます」と彼は言いました。

ダストデビル鉱山からほど近く、プラッシュのサンストーンエリア近郊のホグバック道路からの眺め。 この写真が撮影された後、豪雨となった。
ダストデビル鉱山からほど近く、プラッシュのサンストーンエリア近郊のホグバック道路からの眺め。 この写真が撮影された後、豪雨となった。 写真:Duncan Pay/ GIA
鉱山への行き帰り、旅路はどうでしたか?
 
「ポンデローサ鉱山はポートランドから車で6時間の場所にあり、最後の少しは砂利道です。 プラッシュのサンストーン地域はさらに南へ150マイル程度いった所にあり、ほとんどが砂利道です。 サンストーンの谷はさらに遠く離れているように感じます」と彼は言いました。
 
人里離れ、予測できないような事態に襲われます。 グループはずっと北の山火事を走り過ぎ、ダストデビルの最後の晩は雷に見舞われました。 鉱山労働者は火事のために引き上げなければならないかもしれないと少し心配していましたが、最終的には激しい雨が降ったので火災の危険が回避されました。
 
「プラッシュ地域からのドライブは記憶に残るのもでした」とSchumacherは語りました。 「土砂降りになり、砂利道のわだちは水でいっぱいになりました。 トラックは水に触れるたびにスライドし、Terryが修理したタイヤが少し気がかりでしたが、心配する必要はなかった、ポートランドまで持ちこたえ、到着することができました。」
 
印象的だったこと
「どの鉱山労働者たちも、私たちの心に残りました。彼らはすべて素晴らしい個性の持ち主でした」とSchumacherは語りました。 「旅の初日の終わりに、ポンデローサのJohn Woodmarkの作業員達とシナモンバーボンを飲みながらキャンプファイヤーを囲んだことを、私はいつまでも忘れないでしょう。」

Ponderosa Sunstone(ポンデローザ・サンストーン)鉱山でのキャンプファイヤー
採掘の仕事すべてが大変な作業というわけではない。 一日の終わりに、皆でキャンプファイヤーを囲んでリラックスし、その日の出来事を共有し、一杯飲んで政治を語る。 写真:Duncan Pay/ GIA
Don Buford、Terry Clark、そしてMark Shoreとのダストデビルへの訪問も同じように思い出深いものでした。
 
「DonとTerryはベトナム帰還兵です。彼らは1年の半分を砂漠に住んでいます。それが彼らに合っているのです。彼らは鉱山を愛し、オレゴン産のサンストーンをアメリカのサクセスストーリーにしようとしているのです。」
 
「彼らは仕事のあらゆる面を見せ、成功や失敗について話し、日々直面する問題を教えてくれました」と彼は言いました。
 
Schumacherは、鉱山労働者が宝石を発見するほんの小さな兆候をどのように活かしているかに驚きました。
 
「彼らはアリ塚の中のサンストーンの断片や植生の違いを探します」と彼は言いました。 「時には、見込みのある場所を見つけるために何ヶ月も砂漠を歩きます。 そして宝石を見つければ、粉々に壊すことなく固い岩の中から取り出すのです。」
 
最後に、この旅で最も思い出深いことは?  
 
「ダストデビルで昔ながらの方法を用い、実際に自分の手で採掘したのは有益な経験でした」とSchumacherは語りました。 「私たちは全員、スクリーンでふるい分け作業を行いました。たくさんの土をふるいにかけても何も見つからないと分かるまで、時間はかかりませんでした。 私は幸運にも素敵な『赤い石』をいくつか見つけましたが、他のGIAの皆はそう幸運ではありませんでした。」 
 
鉱山労働者と彼らが探し求めるユニークな宝石はいかがでしたか? 
 
「帰る間際、Donは私たちと握手をし、良くやったと言ってくれました。私たちにとってこれは最高の土産でした」とSchumacherは語りました。 「私はすぐにそこに戻りたいくらいです!自分でサンストーンを採掘するかもしれません。」