業界分析

De Beers (デビアス)はバーゼル事業報告書の4月サイトにて価格を上げる。


色合いでビルマ産ルビーに匹敵するモザンビーク産ルビーは、Baselworld(バーゼル・フェア)で入手可能となり、近年ビルマ人の取扱業者が引き上げていた価格を引き下げるのに役立った。
カラーでビルマ産ルビーに匹敵するモザンビーク産ルビーがBaselworld(バーゼルワールド)で入手可能となり、近年ビルマ人の取扱業者が引き上げていた価格を押し下げた。 これらの小さな高品質なクリーンルビーはモザンビーク、モンテプエス産。 写真:Vincent Pardieu/GIA
4月1日~4日のサイトで、デビアスは予想通り価格を押し上げ、合計約7.4億ドル(約740億円)に達しました。 2.5%~3%の価格上昇分は、主に研磨後に1/2カラットまたは1カラットになる比較的狭い商品層で、需要が集中しました。

価格の上昇が心配された過去2ヶ月の間に原石市場が「過熱」し、その後、再び投機筋の買いが落ちています。 1月から研磨済みの価格も数%微増したものの、原石価格の伸びを下回り利益が圧迫されています。

原石市場の動向の変化で業界の融資側が昨年の秋に公開したクレジットポリシー(融資の基本方針)を再度改定しました。それは思惑買いを抑制するため原石購入価値の100%から70%の資金を融資するというものです。 しかし、最近の入札販売の売上額が示唆するように、融資が減額されても多くの会社は原石入札販売価格を上げています。

本サイトで昨年と異なる点は、サイトホルダーが原石購入を控えなかったことです。 その理由は、殆どの原石は研磨後に少しばかり利益が出ることです。 また別の理由は、6月にDe Beers(デビアス)が次のサイトの選別プロセスを始める頃に、クライアントが少しでも好印象を与えたいのかもしれません。

本年の今後数ヶ月は原石市場の様子見の状況になると殆どのダイヤモンドのトレーダーが考えています。

バーゼルレポート:3月26日~4月3日に開催されたBaselworld(バーゼルワールド)は全体的に低況感に終わりました。 宝石の売上額は昨年から僅か上がったものの、バイヤーは概してカラー、クラリティの高い10カラットを超える無色ダイヤモンド、ピンクファンシー、ブルーファンシーなどの超高級商品には手を付けませんでした。

大ぶりの無色ダイヤモンドは昨年より15%〜20%、ファンシーカラーは20%~30%上がり、このような価格設定は明らかに資金力のある多くのバイヤーの限界​​を越えるものでした。 オークションでは大きいファンシーイエローダイヤモンドが豊富でしたが、過去に比べその需要が弱まっているとディーラーが報告しています。

販売が好調だったのは、昨年から約10%価格が上がった3〜5カラットサイズの無色のダイヤモンドでした。 バイヤーは米国とアジアの消費者市場でこれらの商品の動きが良いと感じています。 中国の需要が大幅に鈍化しましたがまだ好調です。そして米国も持ち直しを見せています。

今回の展示会では、カラーストーン、ビルマルビーに匹敵するカラーのモザンビークルビーは、カラーも良く非常に豊富でした。 そのため近年のビルマのディーラーの高い設定価格を押し下げています。

非加熱サファイアの需要は堅調に推移しています。 「非加熱」やへのこだわりや「オイルの不使用」を謳うディーラーも多く、エメラルド市場に広りを見せています。 ルビーを除く未処理の最高価格は、昨年​​より20%〜30%高く、しかしダイヤモンドについては、バイヤーは選んで購入しています。

実際に、ディーラーやバイヤーは特に高品質のカラーストーンは需要以上に価格が高騰していると口を揃えます。バイヤーはすぐに売れる商品を中心に買い付けを行っています。 「誰も価格を下げるような商品ばかり持ちたくないですからね。」とある出品者は語ります。  

Baselworld(バーゼルワールド)で残った商品を活用するため今年は2つの展示会が開催されます。

バーゼルの主要鉄道駅付近に開催される Rapaport Diamond Show(ラパポートダイヤモンドショー)は、New York Diamond Dealers Club(ニューヨークのダイヤモンドディーラークラブ)の代表団を含む約70の出品者が集まりました。 最終日は追い込みがありましたが、3日間の展示会の売上は思わしくありませんでした。

バーゼルから約50マイル(80.5km)に位置するドイツのフライブルクで開催されたThe Jewellery & Gem Fair-Europe(ジュエリー&ジェムフェア·ヨーロッパ)も新しく、世界から約200の出品者が集まりました。 主催するUBMアジアは、(バーゼル・フェアがブランド商品展示会であるとは対照的に)香港のショーを調達展示会としてブランド化しています。 従って、出品者は商品を低から中価格市場を目的にしています。 初日から展示会には多くのバイヤーが集まりした。一方でBaselworld(バーゼル・フェア)までの移動について不満が出ました。

Baselworld(バーゼル・フェア)での出品者の多くは、バーゼルへの輸送が割高なので、8分の1から10分の1のコストですむフライブルクのショーに移行したいがために、このショーが成功するよう願っています。

オークション:カルティエは、4月9日の香港のオークションで代表的な作品の販売価格の記録を樹立しました。 カルティエはHutton-Mdivaniのジェダイトビーズのネックレスに2740万ドル(27億4千万円)の値を付け、オークションでジェダイトジュエリー作品の最高価格となりました。

ネックレスは1979年に亡くなったBarbara Hutton氏のウールワースの相続人が所有していました。長さ27インチ(68.58cm) 、直径が15.4~19.2mmの透明度の高い半透明の緑のジェダイトビーズです。

さらに、カルティエにの29.62カラットビルマルビーは、730万ドル(7億3千万円)で落札され、ルビーのオークション落札価格の最高値を達成しました。