家族経営ビジネスを変え、地元の宝石・ジュエリーネットワークを進化させるGIA卒業生


友人や同僚に「YC」として知らレているYichen Ng(イーチェン・ング)は、マレーシアで家族の経営するビジネスを育むと同時に、マレーシアに行動的で活気に満ちたGIA同窓総会を築き上げました。 写真提供:Yichen Ng
友人や同僚に「Y.C.」というニックネームで知られるYichen Ng(イーチェン・イン)は、家族の事業を成長させ、活発で活気のあるマレーシアGIA同窓総会の構築に貢献してきた。 写真:Yichen Ng。
マレーシアのセレンバンにあるYihchen Ng(イーチェン・イン)が子供時代を過ごした家は、繁華な首都であるクアラルンプールにある彼の居住地からわずか1時間の距離にあります。

しかし、主要首都圏への道は真っ直ぐではありませんでした。インは専門的教育の旅程で、故郷に戻る前に多くの国や学校を経由したのです。

友人や同僚に「Y.C.」というニックネームで知られているインは、Tomei Consolidated Bhd.(トーメイ・コンソリデイティッド社)のグループエグゼクティブディレクターであり、マレーシアのOasis College(オアシスカレッジ)のエグゼクティブディレクター兼最高経営責任者(CEO)です。 

中国の金細工師であった彼の祖父は、1930年代に彼の妻と共にマレーシアに移住しましたが、息子に金細工の技術を伝授することができる前に亡くなりました。 インの父親は自らの教育を始め、大学を終えた後、トーメイ社を開業しました。

クアラルンプールの小学校、シンガポールの高校を卒業し、カナダのColumbia College(コロンビアカレッジ)で13学年およびMichigan Technological University(ミシガン工科大学)で1年生に在籍したインは、Iowa State University(アイオワ州立大学)に編入した後、ようやく落ち着きました。アイオワ州立大学では、マーケティングを専攻し1988年に経営学士号を取得しました。

彼は実家に戻りトーメイ社に入社し、家業の発展を夢見ることとなります。 「あの当時は金が宝飾品業界の主流でした」と彼は述べます。「金が売上高の90パーセントを占めていました。 私たちの事業は主に金の宝飾品を扱っていましたが、私はマレーシアにおけるダイヤモンドや宝石の将来性を見出していました。」

インは、宝石業界の友人達に、宝飾品事業の成長に真剣に取り組むのならGIAで学業を修めるよう勧められました。現在、インはそれは「自然な選択」だったと語り、1990年に、GIAの厳格なグラジュエイトジェモロジスト(GG)の通信講座を1年足らずで修了させました。

「コースは厳しく、特にグレーディングや宝石鑑別は大変でした」と彼は述べます。 「習得は難しく、確かに目が覚めるような、大変でやりがいのある経験でした。」

導いてくれる地元の人もなく、当時、インはクアラルンプールで他のGGを誰も知りませんでした。また、今あるWebベースのカリキュラムの恩恵も受けず、インは、殆ど独りで全ての課題を行ったことになります。

彼の勤勉さは、プラスとなって彼の元へ戻ってきました。 GGを修得した後、彼は裸石の宝石を購入し、トーメイ社の宝石・宝飾品製造業の最初の段階を構築し始めました。 彼は会社の成長事業のほぼあらゆる側面について従事および監督し、2004年にはCADや3Dプロトタイピングを導入しました。

インは、1995年に英国のUniversity of Hull(ハル大学)で金融学のMBAを修了し、主に企業問題と販売に集中して取り組んでいます。 また、警察と中央銀行を含むいくつかの政府機関とセキュリティ上の問題や新たな規制に関して「継続的な対話セッション」を行っている、Federation of Goldsmiths and Jewelers’ Associations of Malaysia(マレーシアゴールドスミス連盟および宝石協会)(FGJAM)の財務部長を務めています。

また、2010年には、マレーシアのMinistry of Higher Education(高等教育省)公認の最初のジュエリーデザインコースを提供する急成長中のOasis College(オアシスカレッジ)のCEO兼エグゼクティブディレクターに就任しました。 本プログラムでは、工業生産と小売環境の分野での実践的なトレーニングを数ヶ月行うことが必須となっています。

しかし、インは、新しい技術や事業を受け入れるのと同時に、しっかりとした基盤を作ることが必須であると考えています。

「GIA教育は、必要不可欠です」と彼は述べます。 「宝石業界へのチケットであり、更なる探求を進めるための枠組みであり手引書でもあります。 体系的に描かれた宝石の知識を得て、鑑定用の道具を使ったトレーニングを積みます。 それにより、確固たる基盤が築かれるのです。 」

インは、基本を学ぶためにGIAへの入学を学生に勧めています。視力検査を受け、「集中的な実習」に向けて精神的に準備し、母国語でない場合は英語を磨いておくことを勧めます。 彼はまた、GIA卒業後に専門的な知識を発展させ新しい技術を理解するために、地元の同窓会支部に参加しGIAの出版物を読むよう、学生達に奨励しています。

彼自身の初期の経験から専門家ネットワークの重要性について学んだインは、2010年、GIA国際業務部元副社長であった故Tawfic Farah(ターフィック・ファラー)により、マレーシアのGIA同窓会支部を立ち上げるために任命されました。

妻と3人の子供に囲まれてクアラルンプールに在住するインは、それ以降、支部の会長を務めています。 彼は、支部の成長とリーダーシップ、支部による地域の宝石・ジュエリー事業への貢献に向けて精力的に活動しています。

 「地元に支部を開設した主な理由の一つは、同窓生のために優れたネットワークを提供することでした。学問やビジネスのサポートであれ、単に友好を深めるためであれ、その目的は一つではありません」と彼は述べます。 「GIAは、国際的な同窓生のコミュニティの活発化に積極的なので、地域の支部同士が結びつき、他の支部と関係を持つのに効果的な役割を果たしています。」