クライアント、貴重な小売レッスンを教える機会に遭遇


カールスバッドのGIAキャンパスでは、学生達が、Buccellati Beverly Hills(ブセラッティ・ビバリーヒルズ)の店長 Larry French(ラリー・フレンチ)を囲み、Gianmaria Buccellati(ジャンマリア・ブセラッティ)デザインによるブローチ「Gran Dama(ブラン•ダマ)」を鑑賞しました。
カールスバッドにあるGIAキャンパスの学生達はLarry French(ラリー・フレンチ)(左)の周りに集まり、Gianmaria Buccellati(ジャンマリア・ブセラッティ)がデザインしたブローチ、「Gran Dama(グランダマ)」を見せました。 ブローチは、白、青、黄色、ピンクのダイヤモンド、および世界で8番目に大きいとされるベトナム産の98.67カラット Melo(メロ)真珠があしらわれたものです。 Melo(メロ)真珠は、世界でわずか80粒くらいしか知られていません。 写真:Eric Welch(エリック·ウェルチ)、©GIA
宝飾業界で成功を収めるためには、多くの場合、意欲と決意が必要とされます。 
 
このため、Larry French(ラリー・フレンチ)は、ロサンゼルスのVan Cleef and Arpels(ヴァンクリーフ&アーペル社)から採用を断られたときに、再度応募しました。 
 
そしてもう一度。 さらにもう一度応募したのです。 
 
オーナーであるClaude Arpels(クロード・アーペル)が彼を採用するまで、合計8回彼は応募しました。 
 
インディアナ州のトウモロコシ畑でトラクターを運転していたFrench(フレンチ)が、世界中のセレブや要人に宝飾品を販売するようになるには、そこまでの決意が必要でした。 この業界ベテランは、Van Cleef and Arpels(ヴァンクリーフ&アーペル社)で23年を過ごした後、1990年代初めにBuccellati Beverly Hills(ブセラッティ ビバリーヒルズ社)の店舗ディレクターとしての役職に就きました。 
 
French(フレンチ)は、2013年11月6日にGIAカールスバッド キャンパスで、学生たちに自らのキャリアの逸話を共有しました。 有名女優やロックスターの物語を超えて、彼は業界での長年の経験から学んだ成功の秘訣を伝えました。 
 
彼は今でも、初めて自分が販売した宝飾品を鮮明に覚えていますが、それはその高貴さのためではありません。 
 
「それは1.99ドル(199円)の水晶ビーズのネックレスでした」と、大型店のコスチューム宝飾品部門での彼の最初の販売についてFrench(フレンチ)は話しました。 彼はそれにぴったり合うイヤリングを1ドル(100円)で購入するよう、顧客を説得しました。 
 
French(フレンチ)の宝石への興味は、コスチューム宝飾品部門での仕事よりもずっと前に端を発します。 「私が子供の頃、National Geographic(ナショナルジオグラフィック)誌を読み終えて、エメラルドの目のあるゴールドの偶像に関する記事や、新しいルビー鉱山に関する話に魅了されました」と、彼は語ります。 「私がこのビジネスに入った理由は、エキゾチックな石、そしてその背後にあるや歴史や物語への本当の愛でした。私にとっては、それらは石自身と同じくらい魅力的に思えました。」
 
French(フレンチ)は、1960年代半ばにアメリカ宝石学会(AGS)主催のエッセイコンテストに入選したと述べました。 彼はエッセイの応募で何を書いたかは覚えていませんが、それはGIAの奨学金を勝ち取るのに十分な内容だったと言います。 彼は、コースによってさらに宝石への情熱と、Van Cleef and Arpels(ヴァンクリーフ&アーペル社)での仕事を追求する決意に火がついたと語ります。 
 
French(フレンチ)は、彼のキャリアを通して、多くの素晴らしい宝石を目にし、それらを販売する機会に恵まれたと話します。 彼は、ミュージシャンのElton John(エルトン・ジョン)のためのインビジブルセットのダイヤモンドとサファイアのリングや、ダッフルバッグにNapoleon Bonaparte(ナポレオン・ボナパルト)のクラウンを入れてニューヨークからカリフォルニアへ運んだことなど、著名な作品や顧客について話しました。  
 
特に、そのうち一人の顧客の話は、聴衆の間に畏敬の念を引き起こしました。 
 
女優のElizabeth Taylor(エリザベス・テイラー)は、日常的に彼女の宝石や宝飾品をVan Cleef and Arpels(ヴァンクリーフ&アーペル)店でクリーニングしてもらっていたので、彼女のアシスタントが50カラットの天然真珠「La Peregrina(ラ・ペレグリナ)」をクリーニングのために預けに来たのは驚くに足らないことでした。 しかしアシスタントが去った後、French(フレンチ)の同僚は傷があることに気がつきました。 
 
「そこには深い傷があったのです」と彼は語ります。 「これは良くない。 私はその真珠がいかに有名かを知っていました。 持って来られたときに、真珠が無傷な状態ではなかったことを証明できる方法はありませんでした。」   
 
彼はTaylor(テイラー)のアシスタントに状況を説明しようと電話する前に、1時間もパニック状態で店内をうろうろしたと言います。 アシスタントは笑って、French(フレンチ)に真珠に傷があることは知っていたと伝えました。その傷はTaylor(テイラー)の犬による噛み跡だったのです。
 
当然のことながら、French(フレンチ)は学生たちに、状態を報告するレポートを常に与えなさいと、アドバイスを提供しました。
 
また、彼は今まで目にした中で最も価値があるとみられる宝飾品についても話しました。それは、ある若い女性が修理のためにBuccellati(ブチェラッティ)の店に持ち込んだガーネットとパールのリングです。 そのリングは、彼女の母、祖母、そして曾祖母に遡って受け継がれてきたもので、結婚式でそれを着用したかった彼女は、リングがこのような質が悪い状態にあったことを悲嘆しました。 同店はこの家宝を修理し、クライアントが伝統を受け継ぐことができるようにしました。 
 
「その日以来、それまでに販売してきた偉大な作品にもかかわらず、何が価値を創造するかについての考えが変わりました」と、French(フレンチ)は述べます。 「価値はカラット重量だけではありません…価値とは人々が宝飾品にこめる愛であり、その人と家族にとってその宝飾品がどのような意味を持つかということなのです。」
 
彼は、宝飾品はこのようなセンチメンタルな価値をともなう唯一のビジネスだと言います。
 
成功についてのアドバイスを尋ねられると、French(フレンチ)は「高貴であれ」というPeter Carl Faberge(ピーター・カール・ガベルジェ)の引用を共有しました。 
 
「あなたが [高貴] である方法を見つけることができれば、確かにキャリアで成功するでしょう」と、彼は言います。 「企業は倒産するかも知れませんが...しかし、あなたは大丈夫でしょう。 何が起ころうとも、それは奪われることはできません。」