同窓会スポットライト

Jason Dow, 2013年 JCK の新星


Jason DowのMoonstone Floret Ring(ムーンストーンフローレットリング)
背景
私はコロラド州デンバーの出身で、高校には金属細工やジュエリーの授業を教えてくれる素晴らしい先生方がいらっしゃいました。 それが本当に私にとっての始まりでしたが、生涯の仕事について真剣に考えなければならなくなるまで、ジュエリーについて再び考えることはあまりありませんでした。
 
私は1996年にハワイ大学を卒業し、1998年から2001年までColorado School of Dentistry (コロラド歯科大学)に通いました。 3年間そこに在籍するうち、私は歯科医では幸せになれないと判断し、サンディエゴに引っ越してカールスバッドのGIAへ通いました。 そして、作業台でデザインし仕事をしたいという自分の思いを感じていたので、2002年12月にグラジュエイトジュエラーのディプロマを取得しました。
 
私はGIAから得られる全てを最大限に活用しました。 毎日、教室や図書館で本を読んだり、メモを取ったり、ビデオを見たり、セミナーや講演会等に出席するなどして過ごしました。 本を読んではできる限り全てを吸収しました。カールスバッドキャンパスの図書館や資料がいかに大規模で広範であるかを考えると、大変な作業でした。 おそら私が取り組んだのは、そのうちのごく一部にすぎなかったのではないでしょうか。
 
私はベンチジュエラーとしての経験を得るために、地元サンディエゴのいくつかの宝飾店で勤務し、その後ハワイに戻り、自社工場を完備する大規模な小売チェーンである Maui Divers Jewelry(マウイダイバーズジュエリー)に転職しました。 3年間で、経験を重ねシニアデザイナー細工師になり、製品向けデザインについて非常にたくさんの事を学びました。 また、CAD/CAMを含むより高度な技術を学び、練習することができました。
 
2008年には自分のデザイン事業を立ち上げ、Jason Dow, Inc.(ジェイソン ダウ社)として、地元の宝飾店を通じて販売を開始しました。
 
デザインプロセス
コンセプトを思い付くまでに時間はかかりませんが、詳細をつめるのにはいつも時間がかかります。 私はデザインの外観については少々こだわる質なので、かなりの時間、一つのことに執着し思いを巡らします。 また、自分が取り組んでいる作品をひとまず置いて、後で取り掛かるのも好きです。すると、作品をより良くするためのインスピレーションを得られるように思います。
 
デザイン全体の課題は、実際には非常にシンプルです。 私には、2つの祖先があり(中国とアイルランド/イギリス系のハーフ)、対立することが多い2つの異なる世界や文化にルーツを持っています。 目標は、より近代的西洋的な概念を古代アジアのモチーフと統合させたデザインを作成することです。このコンセプトは、私のコレクションに反映されています。
 
  • 蓮の花のコレクション: 蓮の花は何千年もの間、そのうっとりするような神聖な美しさで知られ、宗教的意味を持つアイコンとして卓越した存在を保ってきました。 多くの東洋文化で蓮は、欲望と愛着の泥水の上に浮く、身体、対話、心の純粋さと捉えられます。 8つの独特な花弁は大きな幸運を宿しますが、私にとっては8つのハワイ諸島を意味します。   
  • マンダラコレクション:「マンダラ」という言葉は古いインドのサンスクリット語に由来します。 簡単には「円」と訳されますが、単なる形状だけでなくはるかに多くの意味を表します。 東洋の教えに長い間受け入れられたマンダラは、全体性を象徴し、宇宙の構造とバランスのモデルでもあります。 マンダラ コレクションは瞑想の力に触発されたもので、生命の大切さが創造の過程にあることを思い出させてくれます。
  • タトゥーコレクション:美しく飾られたインドの花嫁がまとうHenna(ヘナ)タトゥーに触発されたタトゥーコレクションは、自分を表現し、身に着けるのも非常に快適です。 第二の皮膚のように、ヘナのデザインはアクティブなライフスタイルを妨げることなく、エレガントにあなたの指や手首を飾ります。
好みの宝石と金属
私は高いカラット数のゴールドとムーンストーンがとても好きです。 もちろん、ダイヤモンドにも夢中です。  ただ実際には、まだ取り組む機会のない宝石が多数あり、いつかそれら全てを手掛けるのを楽しみにしています。
 
モチベーション
私は、デザインに挑戦するのが大好きです。 デザイン以上に意欲をかき立て、またやりがいのある事を見つけたことがありません。 毎日わくわくしながら仕事に行く感覚が大好きで、もちろん合間に運動は欠かせませんが、滅多に自分の仕事に飽きるということがありません。 探究したい新しいアイデアは常にあるので、おそらく退屈で辛いなどということは決してないでしょう。

Jason Dow, 2013年 Jewelers' Circular Keystone (jewelry industry publication)の新星
Jason Dow(ジェイソン ダウ) 写真:ジェイソン ダウ