宝石の隠された美しさ


Chatham(チャタム)の合成サファイアにあるプラチナ結晶 636x358
宝石は視覚に訴える極上の美を誇りますが, 裸眼では目視できない息をのむような美しい世界もあります。

GIAの研究者は強力な顕微鏡やカメラを使用して、肉眼で見られるよりも最大千倍の倍率(この倍率は1000xと表記されます)で数々の宝石を撮影しています。 この分野のパイオニアであるJohn Koivula(ジョン・コイブラ)のようなGIAの研究者達は、顕微鏡写真を利用して宝石のインクルージョンを記録してきました。 こうした宝石学的な「指紋」は宝石の物語を語り、石が天然か合成か、または処理されたものかを明らかにしてくれる場合も多くあります。

顕微鏡写真には別の利点もあります。 宝石鉱物は透明度が高いため、地質学的なタイムカプセルとして機能します。 地質学者は、宝石に含まれるインクルージョンを顕微鏡写真で記録することにより鉱物が成長した起源環境について学ぶことができます。 また、宝石が世界のどの地域から産出されたかが明らかになることもあります。 顕微鏡写真は、非常に重要な科学的役割を果たすのです。 さらに、これらはとても美しい画像でもあります。

GIAの教育では、インクルージョンを解説するのに顕微鏡写真を使用しています。 これらの顕微鏡写真を参考にすることで、学生が検査している石が天然か合成か、または処理されたものかを判断するのに役立ちます。
Nathan Renfro(ネイサン レンフロ)GIA、ラボ鑑別サービス、主任分析スペシャリスト