ツーソン センチュリオン上昇だが慎重継続
2月 22, 2016

参加者によれば、アリゾナ州スコッツデールで2月に開催された高級品を扱う独立した小売業者向けのセンチュリオンショーでのビジネスは、概して良好でした。 ですが、石油事業に経済をゆだねている州からの小売店は例外でした。 出展者によると、ツーソンでの宝石の需要はまずまず期待に沿ったもので、雰囲気は概して良好であったと伝えられています。
一方で、大手宝石小売業者は、2016年の米国での売り上げ成長はほぼ期待できないと予測しており、他の主要な消費者の中核部においてもわずかに低下するという慎重な見通しが続いています。
米国の経済分析局によれば、米国の小売ジュエリーの販売は 2015年から約2%増加。 専門店での小売ジュエリーの販売、いわゆる宝石小売店は、おそらく高級ジュエリーにおける堅実な売り上げを反映し、前年同期比で3.6%増加となっています。 それに加え、2015年のダイヤモンドと金の価格が前年よりも非常に低かったという事実から、前年との収益比較は危ぶまれています。
例をあげると、eコマースのダイヤモンド販売業者であるBlue Nile(ブルーナイル)は、売上の中核となっている婚約指輪事業が8%減であったことを主な理由に、ホリデーシーズンの売上高は5%減となり、史上最悪の年だったと報告しました。 一方で同社は、ユニットの単価が低くなったことにより、その年の実際の利益率はわずかに上昇したとしています。 同社はまた、石油に依存している地域における難局、または高価な製品は店舗で購入という風潮が戻ってきていることなどが影響して$25,000(約280万円)以上の売上が減ったとも報告しています。
米国市場における一定の販売により、多くの過剰在庫は消化され、2015年の終わりにはほぼ停止したダイヤモンド製造を復活させるのに役立ちました。 銀行家とダイヤモンドのアナリストは、数年前のバブルを引き起こしたような、メーカーによる投機的な買いの再開を警戒していますが、銀行融資は長期的な買いを制限するよう非常に厳しい状況が続いています。
ダイヤモンドメーカーは、デビアスの価格低下は利益を上げるためには十分であることに気づいたようです。 1月のサイトでの価格は平均7%減で同時に裏取引も行われていましたが、多くのカテゴリにおよぶ製品は12%から15%の割引がなされていました。 サイトではおよそ$450ミリオン(約500億円)、裏取引も入れると$90ミリオン(約100億円)が追加されると計上されました。
このサイトでの特筆すべきことは、同社の歴史で初めて毎月の販売数を発表したということです。 これは、デビアスが来年開始するサイト条項のための「グローバルサイトホルダーシステムの大規模再編」を宣言することの最初のステップであるようにも見えます。
今年のデビアスの第2回目のサイトは今週行われます。
同社の生産は12%減の2,870万カラットになり、2015年の原石販売は40%減の2,060万カラットとなりました。 16%減産という最も大きな打撃を受けたのは、同社の産物の約2/3を供給するボツワナの事業によるものでした。
ロシアでダイヤモンドを生産するAlrosaは、12月のダイヤモンド原石の売り上げに比べ2倍となる、デビアスに匹敵する数字を報告しています。 Alrosaは1月にはデビアスのように価格を下げていませんでしたが、過去2年間に同等の商品を数パーセント低い価格で販売していたようです。 Alrosaは同じ割合でダイヤモンドの採掘を進めていますが、中央政府の備蓄機関であるGokhranと$30億(約3,370億円)相当に値する量を保管しています。
デビアスとAlrosaは、クライアントに購入(デビアスは50%まで、Alrosaは70%まで)を延期する権利を与えましたが、延期はほとんど行われませんでした。
デビアスの店舗やブルガリ、ウブロやタグ・ホイヤーなどの一流ブランド時計事業を世界的に展開している大手企業のLVMHは、時計やジュエリーの2015年の売り上げはタグ・ホイヤーやブルガリに率いられ19%伸びたと報告しています。
Russell Shor は、GIA カールスバッドのシニア業界アナリストです。