タイのチャンタブリー産サファイアおよびその宝石学特徴の研究
4月 19, 2017

1950年代以来、タイは世界中のコランダムの取引においてリーダーとして地位を確保してきました。 タイのコランダム鉱床では、すべてではなくともその多くがほとんど枯渇した状態であるにもかかわらず、コランダムの処理と取引においてバンコクとチャンタブリーは依然として重要な中心地となっています。 2000年代初頭以来、タイのチャンタブリー県では採鉱において小規模の復活が起こりました。 チャンタブリーのサファイア鉱床はアルカリ玄武岩に関連しており、宝石がKhao Ploy Waen地区とBang Kacha地区の玄武岩でゼノクリスト(外来結晶)として形成されます。 地元の農家はサファイア鉱床を採鉱する採掘者と協力し、採掘者が採鉱を完了した時点で農地を返却することに同意しました。
バンコクのGIAラボによる新しいレポート『タイのチャンタブリー産サファイアおよびその宝石学特徴の研究』は、この研究結果を発表しています。 チャンタブリー県Khao Ploy Waen地区の採掘者から取得した59個のブルーおよび緑がかったブルーのサファイアの試料は、レーザーアブレージョン誘導結合プラズマ質量組成分析、UV-Vis-NIRおよびFTIR分光分析法の他、顕微鏡とラマン分光分析法を用いたインクルージョンの検査で最適に観察できるように形作られました。
タイ産のサファイアは、カンボジア、ナイジェリア、カメルーン、オーストラリア、ラオス、マダガスカル北部にあるその他の玄武岩関連の鉱床で産出される宝石に類似しています。 これらの産地で採鉱されるサファイアは同じような地質学的起源を有するため、区別するのが困難になります。 拡大して検査した結果、プラジオクレーズ(斜長石)フェルスパー、ジルコン、パイロクロア、モナザイト、雲母およびモリブデンのような鉱物インクルージョンとともに、角度のある成長構造、ニードルや粒子が観察されました。 UV-Vis-NIRおよびFTIRスペクトルを用いた検査では、玄武岩に関連するサファイアの典型的な特徴が確認されました。 レーザーアブレージョン誘導結合プラズマ質量分析では、玄武岩関連のその他の鉱床で産出されるサファイアの微量元素の組成と非常に類似していることが明らかになりましたが、筆者は有用となる全体的な傾向をいくつか特定しています。 また、微量元素組成と顕微鏡両方の技術を組み合わせることで、同様の特徴を持つカンボジア産およびナイジェリア産の試料からタイ産ブルーサファイアを区別できると主張しています。 しかし、地理的起源を特定するためには、玄武岩関連のサファイアにおけるインクルージョン 、スペクトルおよびの組成の関係をさらに分析および研究する必要があると記述しています。