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RJCの出席者、Baselworld(バーゼルワールド)2017年でカラー宝石の問題を探る


画面の前に座っている4人。 右端に立っている一人の女性。
3月に行われたバーゼルワールド・フェアでカラー宝石の持続可能性の問題について討論するResponsible Jewellery Council(責任あるジュエリー協議会)の出席者。 左から、Thomas Hainschwang、Eleonora Rizzuto、Jack Cunningham、Jean-Claude Michelou。 Anne Marie Fleury(右端)がこの討論会で司会を務めた。 写真撮影:Russell Shor/GIA

カラー宝石の産業は持続可能な採鉱慣行へと向かいつつありますが、Responsible Jewellery Council(責任あるジュエリー協議会)がより多くのカラー宝石採掘者とサプライヤーを会員名簿に追加できる前にさまざまな問題が残っています。

ロンドンに拠点を置くRJCは、宝石・ジュエリー業界で持続可能な労働力、環境および取引の慣行を広める、業界標準を策定する独立した非営利組織です。

責任あるジュエリー協議会は、3月23日にスイスで開催されたバーゼルワールドフェアでカラー宝石に関連する企業を認定する際に直面する課題や問題に関する討論を行いました。これは、カラー宝石取引に従事する企業を会員に追加する方法を調査することを決定した1年後に行われた討論会です。

2016年のGems & Gemology(宝石と宝石学)に掲載された記事『The Color of Responsibility: Ethical Issues and Solutions in Colored Gemstones(責任あるカラー:カラー宝石の倫理的問題と解決法)』で詳述されているように、カラーストーン業界は世界中の47ヶ国の小規模事業者や採掘職人によってほとんど採鉱されている数多くの種類の宝石で細分化されています。

RJCの基準および成果達成のディレクターを務めるAnne Marie Fleuryが司会を担当したRJC討論会の出席者は、Bulgari(ブルガリ)の持続可能性と企業責任のディレクターを務めるEleonora Rizzuto、Gemfields(ジェムフィールズ)の持続可能性プロジェクトのマネージャーであるJack Cunningham、リヒテンシュタインのGGTL Laboratories(GGTL研究所)の共同経営者のThomas Hainschwang、International Colored Stone Association(国際カラーストーン協会)の持続可能性に対する取り組みを先導するJean-Claude Michelouです。

これらの出席者は、RJCの庇護の下にどのカラーストーンを含むか決定することがまず最初に行うべき作業であると同意しました。 少なくともルビーサファイアエメラルドが含まれるべきですが、Michelou氏は商業的に生産されているすべての宝石を最終的に含める必要があると指摘しました。

次に、それぞれの国にはさまざまな法律や規制があるため、生産者が従うべき共通の標準を確立することは困難であると同意しました。

ブルガリは採鉱の状況を評価するために同社のサプライヤーによって宝石が採鉱される鉱山を訪れていると、Rizzuto氏は述べました。

「ブルガリの審査プログラムでは、財政担当者から鉱山労働者やディーラーに至るまでサプライチェーン全体に関わるすべての関係者を評価します」と彼女は説明しました。

ジェムフィールズは特に研磨工程に至るまでの加工・流通過程の管理を確認し、モザンビークとザンビアにある同社の鉱山で主要な買い手と持続可能性の専門家を提供している、とCunningham氏は付け加えました。

消費者が責任を持って産出された宝石に対してますます意識を強めていることには意見が一致しましたが、Cunningham氏は、別のカテゴリーとしてそれらを販売するのに十分な需要があるだろうと仮定するには「まだ早期の段階である」と指摘しました。

採鉱した石を洗浄し選別するためにトレイで作業する鉱山労働者。
カラー宝石のほとんどの採鉱現場は、タイのこのサファイア採鉱現場のように、小規模で、作業が細分化されており、わずかに機械化されている。 このような鉱山を訪問および監視するのは、Responsible Jewellery Council(責任あるジュエリー協議会)の認定にとって課題となる。 写真撮影:Russell Shor/ GIA

持続可能な採鉱と共に、原産国によって宝石を識別するための継続的な研究が必要となります。
  
Hainschwang氏は、異なる原産地から産出されるいくつかの宝石には非常に類似した特徴があり、いくつかの宝石学ラボはそれらの石が検査のために再度提出されると同じ石に異なる起源を記載することがよくあるので、この研究は困難であると報告しました。

さらに、宝石が処理されると起源を識別するのに役立つ特徴が目立たなくなることがあります。

GIAは、起源を確実に決定することができるデータベースを構築するために、既知の原産地すべてから宝石を収集する長期的で広範囲にわたる研究プログラムを実施しています。

討論会の後半で、London Bullion Market Association(ロンドン地金市場協会)のLinda Cromwell氏は、RJCが信頼性を保つためにはメンバーの活動をしっかりと確認し監視する必要があると主張しました。

RJCでマネージング·ディレクターを務めるAndy Boneは、宝石・ジュエリー取引に対する政府による監視と規制が残された選択肢であるため、およそ1,000ものメンバーがRJCに参加し、これからも増加しつつあると述べました。

Russell Shorは、GIA カールスバッドのシニア業界アナリストです。