Paspaley Pearl Auction(パスパレー真珠オークション)にて市場復活の兆し


Hong Kong Convention Centre(香港会議展覧中心)で開かれた第53回Paspaley Pearl Auction(パスパレイ パール オークション)で南洋白真珠とゴールドパールのロットを観察するバイヤー。 バイヤーは、それぞれのロットに対する入札金額を書いて密封された箱に入れる。箱は3日間続いた販売会の終わりに開封される。 写真:Russell Shor / GIA
Hong Kong Convention Centre(香港コンベンションセンター)で開かれた第53回Paspaley Pearl Auction(パスパレー真珠オークション)で白い南洋真珠とゴールドパールのロットを観察するバイヤー。 バイヤーは、密封された箱に入ったそれぞれのロットに対する入札を書き記す。箱は3日間続いた販売会の終わりに開封される。 写真:Russell Shor / GIA
9月に開かれたHong Kong Gem and Jewellery Fair(香港ジェム・アンド・ジュエリー・フェア)に参加したディーラーよると、昨年の海水養殖真珠市場は中国における需要成長の停滞のため軟化したとのことです。

過去2年の価格が中国における需要により約30%増加した一方で経費は相対的に横並びだったため、市場の反発を乗り切ることができるとディーラーは見込んでいます。

アコヤ真珠と白およびゴールド南洋真珠、そしてタヒチ産黒真珠の上半期の需要は数パーセント下がりました。 しかし、Paspaley Pearling Company(パスパレー・パーリング・カンパニー)の香港オークションでは、価格と需要が双方少しずつ上昇し始めていたとショーの監督を行った同社職員は語りました。

9月に香港で開かれたPaspaley Pearl Auction(パスパレイ パールオークション)で販売された、重量448.6もんめ(1もんめ=3.75グラム)の519個の南洋養殖真珠のロット。 写真:Russell Shor / GIA
9月に香港で開かれたPaspaley Pearl Auction(パスパレー真珠オークション)で販売された、重量448.6もんめ(1もんめ=3.75グラム)の519個の南洋養殖真珠のロット。 写真:Russell Shor / GIA
Paspaley(パスパレー)は毎年3日間に渡り開催している招待客限定オークションに、常連客である141組のディーラーを招待しました。 同社職員によると、2日目の昼までに日本、中国、アメリカ、そしてヨーロッパから110組が訪れている上、その後もさらに参加者は増えるとされており、これは秋に向けての良い兆候だとのことです。

主に高級白南洋真珠を扱うPaspaley(パスパレー)のような生産者は、ほとんどの販売をこういったオークションで行います。 商品は、サイズと重量、そして形や色、光沢や真珠のオリエントなどの品質によってロットに分けられます。

かつては日本が唯一の養殖真珠の中心地であったことから、真珠業界における主要通貨は日本円のため、最低価格は円でつけられます。

さまざまな大きさや形、色で分けられた、フィリピンで生産されたゴールド南洋真珠のロット。 写真:Russell Shor / GIA
様々な大きさや形、色で分けられた、フィリピンで生産されたゴールド南洋真珠のロット。 写真:Russell Shor / GIA
Paspaley(パスパレー)は北オーストラリアの企業が所有する養殖場からの白真珠やインドネシアの契約生産者の商品、日本と中国の提携企業と共同所有するフィリピンの養殖場で作られたゴールド養殖真珠などを売り出しました。

真珠ディーラーもPaspaley(パスパレー)と同じく、高級パール需要が日本や欧米では伸び悩む中、過去4年間で市場の中国への依存度が増加しているとの意見でした。 また中国産の淡水真珠も競争力を高めており、順調に品質と多様性を向上させています。

Russell Shorは、カールスバッドのGIAのシニア業界アナリストです。