同窓会スポットライト

宝石商の目標: メキシコ最大都市の1つで宝石・宝飾業界を団結させる


緑と白のシャツを着て、白いエプロンをかけた女性が、真珠の入っている母貝を見せる。
グラジュエイトジェモロジスト(GG)のディプロマの取得に取り組んでいるジュエリーデザイナーおよびGIA AJPのMelissa Villarrealは、一生懸命に学習し続けることがいかに重要であるかを主張する。「答えてもらうのを恐れずにどんどんと質問しましょう。」2016年にメキシコシティとモンテレイ・メキシコのGIA同窓会支部がコルテス海を訪れたイベントに参加したVillarrealは語る。「それが販売、デザイン、ベンチ作業のどれであっても、質問することで学んで、その技術でプロになるのです。質問して問い詰めても謝る必要はありません。」写真撮影:Guillermo Soberón Tirado

メキシコのNuevo León(ヌエボ・レオン)州東部にある人口およそ450万人の彼女の故郷の街、Monterrey(モンテレイ)のファインジュエリー業界に対するMelissa Villarrealの構想は、シンプル且つ大胆です。それは、メキシコで3番目に人口の多いこの都市をジュエリーのデザインと製造において中心地として繁栄するよう開発を支援することです。
 
つまり、過去にこの地域の宝飾業界を支配していた閉鎖的なアプローチを廃止し、成功するために共同計画を受け入れるということです。

コミュニティの力を本当に信じています。将来、モンテレイの宝飾業界を発展させるという私のアイデアは、皆さんのためにもっと素晴らしい機会を作るために協力して作業をする自由で慎重なプロセスなのです。ハリスコ (近くの州) には、宝飾品の商工会議所があるので、ヌエボ・レオンにもあるべきだと思います、とVillarealは語ります。

宝飾品会社Orofina(オロフィナ)でCEOおよび家族が経営するMarco Antonio Jewelry(Marco Antonio ジュエリー)で副社長を務めるVillarrealにとって、この目標を果たす最初のステップは、2015年にGIA同窓会支部を創設することでした。モンテレイ・メキシコ支部は、わずか数年で多大な成長を遂げ、数多くのイベントが開催されました。また、GIA同窓生広報マネージャーのKate Donovanによると、この支部は、世界各地のGIA同窓会の中で最も活動が多い支部の一つとなっています。 

 GIAでかつて同窓生だったり、現在そしてこれから同窓生になられる方のために門戸開放することで、デザイナーや新しいブランド、ベテランのオーナー、ベンチ ジュエラーなど、この業界のあらゆる場所の人々とつながることができるようになります。私たちの支部では、宝飾業界やビジネス自体に関連するさまざまなトピックに関するミーティングを毎月開催しています。毎月専門家に紹介してもらう色々なトピックを探すことは困難なときもありますが、私達にとってこれはやり甲斐があることで、やる気が湧いてきます。たくさん成長できて、学ぶことが多いので、問題に取り組むのは大好きです、と語ります。

GIA同窓会の看板の周りに立っている人々。
「人脈を広げると、他の人の経験から学ぶことができて、コミュニティ感覚が生まれます」と、GIA同窓会モンテレイ・メキシコ支部の創設者、Melissa Villarrealは語る。「あなたと一緒に作業して、必要とされるところにあなたのビジネスを導いてくれる専門家に出会えるようになります。」支部のミーティング終了後、Villarreal(中央)が宝石商の両親 (彼女の右) およびメンバーとともに写真を撮る。写真提供:Orofina(オロフィナ)

地元の宝飾業界が成功を収めるためにVillarrealが行った投資、そしてGIAでの人脈を構築する力に対する彼女の信念は、自然に起こりました。

第三世代の宝石商であるVillarrealは、世界中を頻繁に旅行し、見事に美しい宝石を持って帰ってきた宝石商である彼女の母方の祖母を賞賛して育ちました。Villarrealの両親は結婚したとき、彼らも宝石商になりました。母親のEsthelaは、彼女自身の母親の足跡を辿って、父親のMarco AntonioとともにGIAでクラスを取りました。

幸運にも、私の父は (元GIA会長であり『現代宝石学の父』である)Richard T. Liddicoatに出会い、ご親切に面倒を見ていただき、ニューヨークやカリフォルニアのディーラーらと一緒に業界のコツを教えていただきました。個人的にも仕事上でもそのうち何人かは今でもお付き合いさせていただいています、と話します。

Villarrealは、両親の宝飾品店にあった道具で遊んだり、家族で見本市に行ったりなど、ジュエリーに囲まれて育った懐かしい思い出がありますが、販売やデザインそしてファッションに関連した出版物の編集部で何年間も働くまで宝飾業界で自分のキャリアを築くとは思ってもいませんでした。 

私は父のおかげでとっても若い頃にGIAのことを初めて知りました。GIAのロゴもよく覚えています!私もジュエリーにとっても惹かれていたことに気が付いて、真剣に家業にかかわるのならば、ジュエリーおよび宝石学でしっかりとした教育を持つことが必要だと思いました、と彼女は話します。

22Kゴールドで区切られた立方体の形のラピスビーズのネックレス。
Orofina(オロフィナ)による22Kゴールドのネックレス。立方体の形をしたラピスラズリのビーズを特徴とする。写真提供:Orofina(オロフィナ)

Villarrealは、2006年にGIAでAccredited Jewelry Professional (AJP アクレディテッドジュエリープロフェッショナル)のディプロマを取得し、テキサス州ヒューストンのジュエリー会社に8年間勤務しました。彼女と夫のFernandoは、2014年にMonterrey(モンテレイ)に戻り、彼女は両親の会社で働き始め、デザインから販売や顧客ケアまですべてを監督するようになりました。

AJPのクラスはオンラインで受講し、時間がフレキシブルかつ教材がわかりやすかったので、最高でした、と彼女は語ります。

2014年、Villarrealは、「身に着けている人の自然な美しさを強調する」ジュエリーを作ることに焦点を当てる彼女自身のブランド、Orofina(オロフィナ)を設立しました。Orofinaは「ファストファッション」ではなく、「ある世代から次の世代へと受け継がれる時代を超越したエレガンス」を表していると彼女は主張します。

彼女が初期に手掛けた作品の一つである初めて作った婚約指輪は、ポルトガルのサッカーチーム、フェイレンセの代表選手であるAntonio Briseñoとメキシコ人のモデル兼社交界の著名人のAlethia Sadaという知名度の高いカップルが購入しました。このカップルの結婚式そして1.71カラットのラウンドダイヤモンドがセンターストーンとして飾られ、メレーダイヤモンドが散りばめられたVillarreal作の婚約指輪は、ニュースでかなり話題になりました。このカップルはその婚約指輪を非常に気に入ったため、Villarrealは充実感で満ち溢れました。 

私のキャリアで最高に思う事は人との関わり合いで、満足していただいたお客様がいるということです。ファインジュエリーの業界は贅沢品がすべてで、必需品ではありません。これらの必需品は、高価になる意思決定に基づく商品で、敬意をもって扱わなければなりません。お客様から後で感謝されると、自分の仕事をきちんと行ったということがわかります。そして、家族にとって大切なときに自分が作ったジュエリーを使っていただくと、もっと特別に感じます。信頼関係を築いているのです、と彼女は話します。

リングの上にあるゴールド製の長方形の土台に、シトリンとモンタナ産サファイアが飾られている。
Orofina(オロフィナ)の14Kイエローゴールド製レインボーリング。シトリンとモンタナ産サファイアが飾られている。写真提供:Orofina(オロフィナ) 写真撮影:Maritere CR Photography

Villarrealは、GIAでの学習を継続できるよう2015年に奨学金を授与され、カールスバッドのキャンパスでこの秋にラボのクラスに出席し、GGのディプロマの取得に向けて最終段階に突入しています。 

奨学金を授与されたのは彼女だけではありません。彼女は、モンテレイ支部のイベントに参加した多くの方にGIAの奨学金に申請するよう勧め、そのうちの何人かが奨学金を授与されました。

GIAの教育のおかげで、ジュエリーの専門家になるための準備をするのに成長し続けることができます、と彼女は述べます。これは、支部全体のことにも当てはまるでしょう。

GIA同窓会支部で一生懸命になって活動することで、モンテレイの宝石商たちがもっとオープンに話せる機会が生まれると信じています。それを発展させて、デザインと製造の中心地にさせることができるとわかっています、と話します。

寄稿者Jaime KautskyはGIAダイヤモンドグラジュエイト、またGIA Accredited Jewelry Professional(AJP アクレディテッドジュエリープロフェッショナル)で、The Loupe(ザ・ルーペ)誌の共同編集者を務めていました。