同窓会スポットライト

インターネットジュエリーの開拓者が子どもたちの未来のために「Gems of Madagascar(マダガスカルの宝石)」を創設


マダガスカルの少女たちとポーズを取るMichelle Rahm。
Michelle Rahm(GG)は、2015年に「Gems of Madagascar(マダガスカルの宝石)」を設立し、クリーンウォータープロジェクトと、その他の生活必需品を子どもたちへ届ける活動の支援を行っている。 組織の援助を受け学校へ通うMananjara(マナンジャラ)村の少女たちとRahmの写真。 「子どもたちは勉強をよく頑張りとても楽しく過ごしていて、性格にも大きな変化が見られました。 学校へ通うことにより、少女たちの暮らしが変わったのは素晴らしいことです」と、Rahm。提供:Michelle Rahm

熟達した企業経営者、ベテラン宝石鑑別士、インターネットジュエリー販売の開拓者、GIA同窓会受賞歴のあるリーダー。Michelle Rahmには、たくさんの肩書きがあります。

しかし、2014年にマダガスカルの鉱物学について勉強するために採鉱エリアを訪れた際には、マダガスカルの子どもたちの支援者という肩書が加わるとは予想もしていませんでした。 「マダガスカルへの出張が、自分の人生を変えることになるとは思ってもみませんでした」と彼女は話します。

コロラド州在住のRahmのビジネスは、1997年にコスチュームジュエリーの数点をオンラインで「気まぐれに」販売したところから始まりました。 「クリスマスのためにお小遣いを少し稼ごうと思って始めてみました。他にもスタートアップビジネスを準備していたのですが、 すぐにジュエリーがよく売れるようになり、片方はやめてしまいました。」

当時ホットココアやコーヒーなどの卸売をやっていましたが、ジュエリーや時計の売上げが常に良かったため、そちらに的を絞り、JewelryImpressions.comを立ち上げました。

パソコン、顕微鏡、宝石チャートの前に座るMichelle Rahm。 GIA同窓会マイルハイ支部長を務めるMichelle Rahm。オンラインジュエリー販売の開拓者としての専門知識を活用し、母校における電子商取引カリキュラムの開発を支援している。 提供:Michelle Rahm

Rahmはオンラインジュエリー販売は成功すると思いましたが、そう考えたのは彼女一人ではありません。

「インターネットは商取引の手段としてより受け入れられるようになっていました。そこで私は、ジュエリー取引に関する本物の資格を持つことで、競争相手の優位に立ちたいと思いました」と彼女は話します。 Jewelers 24 Karat Club(ジュエラー24カラットクラブ)のゴルフトーナメントで、アメリカ宝石取引協会のCEOであるDouglas Hucker氏と会ったとき、Rahmはグラジュエイトジェモロジストのディプロマ取得についての相談をしました。

Rahmはすでにウィスコンシン州大学Plattevileを卒業しています。「彼にはディプロマの取得を強く勧められました。 私はそれから半年もたたないうちに受講を始め、プログラムは1年で修了しました。」

RahmはすぐにGIAの教育の効果に気が付きました。知識が増えたことにより、販売はコスチュームジュエリーからファインジュエリーや裸石へと広がり、さらに全く新しい方法で顧客とコミュニケーションを取ることができるようになっていました。

「GIAの教育のおかげで、宝石やダイヤモンドについて顧客に話すとき、知的でスマートに説明できるようになりました。 そこに顧客は信頼の要素を感じます。これはGGを持たない同業者には備わらないものです。 特にインターネット販売においては、ディプロマがあることで、星の数ほどあるジュエリー小売店に差をつけることができているように感じます。 顧客と実際にお話をすると、私には教育のバックグラウンドがあるとわかって頂けます。」

Rahmのビジネスは好調を続けていましたが、2009年にチャンスを掴みます。彼女は、婚約指輪のために裸石を購入する顧客が多いことに気が付きました。 そこで、カラーストーンとセットの婚約指輪を販売する OurCustomWeddingRings.com を立ち上げたのです。

イラカカ漂砂のサファイア鉱床をのぞき込む 2014年6月マダガスカルの採鉱エリアへの旅行。GIAで学んだことに関連する継続学習のすばらしい機会であった。 「以前GIAの授業で見た、イラカカ漂砂のサファイア鉱床(当写真)に最も興奮しました」と、Rahm。 写真:Jaroslav Hrysl 提供:Michelle Rahm

彼女はまた、GIA同窓会や継続学習のクラスやワークショップにも深く関わっています。同窓会ではコロラド州デンバーエリアのマイルハイ支部の支部長でもあります。 GIAの授業で学んでから訪れてみたっかったというイラカカ漂砂のサファイア鉱床など、人生を変えるような旅となったマダガスカルへと導いたのは、Rahmの絶えることのない知識の追求でした。

しかしマダガスカルで彼女に最も衝撃を与えたのは、思いもかけないことでした。 「私の目を捕らえたのは、輝く宝石ではありませんでした」と彼女は語ります。 「それは、子どもたちでした。」

Rahmは「豊かな心」を持った「美しい」子どもたちとすぐに深いつながりを感じました。しかし、安全な飲み水や栄養のある食品、生活必需品が手に入らないという事実は彼女を打ちのめしました。 彼女がアメリカに帰国するときには、クリーンウォータープロジェクトと、マダガスカルの人々の基本的なニーズについて学ぶ決意をしていました。

マダガスカルの真の「宝石」は子供たちだと彼女は語ります。 彼女はマダガスカルとコロラド州のパートナーと協力し、人道的活動への「ホリスティック・アプローチ」を行うNGOGemsofMadagascar.orgを設立しました。 この非営利組織は2015年に正式に創設され、応急手当と衛生に関するトレーニング、共同農園と安全な水のシステム開発、建物の建設のほか、地元の子どもたちの未来がより明るくなるために必要なものを提供していく予定です。 この夏最初の2つのプロジェクト、8つの村に安全な水を供給するシステムの建設と、別の村での教会とコミュニティービルの建設が開始されます。 安全な水の供給システムの計画は、来年にも予定されています。

Rahmはこの2年の間に、数回にわたりマダガスカルを訪れました。 彼女自身のビジネスと同窓会志部長としての仕事に加え、オンラインでコスチュームジュエリーを販売する「きまぐれ」から発展してきた多くのチャンスと、彼女がたどってきた道を思うと感動してしまいます。

「私は自分のキャリアをほんとうに愛しています」と彼女は話します。  

寄稿者のJaime Kautskyは、GIAダイヤモンドグラジュエイトおよびGIA AJPであり、The Loupe(ルーペ)誌の副編集長を務めていました。