ベトナムのLuc Yen(ルックイェン)でGIAフィールドジェモロジストが宝石探究
10月 9, 2015
このビデオでは、宝石が豊富なベトナムの奥地へ足を踏み入れ、GIAフィールドジェモロジストであるVincent Pardieu率いるチームと共に、その地区の宝石調査のためにLuc Yenの危険な石灰岩の山を登ります。 さらに、Luc Yenの町の賑やかな宝石市場を訪れ、アコヤ真珠の養殖場を訪問するためにハロン湾をボートで旅します。
年に一度のベトナムへの遠征調査は、新しい標準サンプルの収集、鉱山の視察、取引活動の好機だけには留まらないことをPardieuは指摘します。 また、バンコクのGIAのフィールドジェモロジィ部門への参加を希望する、若いジェモロジストの研修と評価を行うための場所にもなっています。
Luc Yenは、ベトナムのイエンバイ省の北部に位置する山地です。 ベトナムの首都であるハノイから北西に約155マイル(250キロ)のところにあり、車で4〜5時間で到着します。
その主な都市である Yen Theは、Luc Yenとしても知られています。 かつては活気のない田舎町であったLuc Yenは、1987年にルビー、サファイア、スピネルが豊富に発見される場所となりました。 Yen Theは今でもベトナムの有数な宝石取引地区ではありますが、1980年代と1990年代の全盛期以後、活動は大きく減少しています。
Luc Yenは荒々しい美しさを備える地域で、ほぼ円錐形の石灰岩の山が、緑豊かで肥沃な平野にそびえ立っています。 ここは、石灰岩のような水に溶解しやすい岩石が雨水により浸食され、ドリーネや洞窟が地下の排水システムを作成する際にできたカルスト地形です。 この土地の特色である高温な気候と豊富な植物の組み合わせのために、小規模でローテクな方法を使用して初生鉱床および二次鉱床からルビー、サファイア、スピネルを取り出している鉱山に到着するまでに、GIAチームは疲れ果ててしまいました。 ある時は、高すぎる温度と湿度のためにチームは避難所へ行くことを余儀なくされました。「あまりにも暑すぎて・・・。人間は動けません・・・」と、Pardieuは説明します。
1987年に発見されたルビーの中には、ミャンマーのモゴック産のルビーに似ているものがあります。 「20年前に採鉱された石が、現在でも取引されています」と、Pardieuは言います。「さらに、それらの石がいずれラボに来るかもしれないので、GIAの私たちがここに来て、小規模な鉱山業者からサンプルを収集し、研究をすることが重要なのです・・・。そうすることで、私たちは今日、将来、または過去に採鉱された石を識別することができるでしょう」
GIAチームは、地元の農家たちが小川に沿った砂鉱床および漂砂鉱床から宝石品質のレッド、ピンク、パープル、ブルーのスピネルを採鉱する、カルスト地形のふもとの渓谷も訪れました。
GIAチームがYen Theの宝石市場を調査する様子もご覧いただけます。 Pardieuはこう言います。「ある地域を訪れるときに、最初に足を踏み入れるのはいつもそこです。 私たちは、どんな要求に応じてもらえるかを知るために商人に会いに行きます。」これには、ベトナムのすぐれた宝石絵画を作成する熟練の職人たちへの訪問も含まれています。 彼らはベトナムの手工芸品を見本にした複雑な情景を創作するために、さまざまな色の小さな石を使用しています。
最後に、チームはハロン湾への旅に出ます。 そこはYen Theから東へおよそ6時間のところに位置し、車で約224マイル(360キロ)の距離です。 ここはベトナムの真珠養殖地区の中心部になっています。
このGIAフィールド遠征調査(FE54)は、2014年6月に行われました。 Pardieuの他に、カメラマンのDidier Gruel、Philippe Brunot、遠征調査メンバーのVictoria Raynaud、Stanislas Detroyat、Marie Daufresneが参加しました。
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