経済専門家はホリデーシーズンに明るい兆しを見る
10月 17, 2016

今年の米国ではジュエリーの売上はかなり横ばい状態が続いているが、National Retail Federation(米穀小売業協会、NRF)は次のホリデーシーズンに小売全体で3.6%の大きな増加を予測しています。 NRFは、消費者の信頼は向上の一途にあり、雇用も豊富になり、所得が上昇していると述べました。 こういった要因のすべてが10年平均の2.5%の成長を後押しするでしょう。
金融機関の経済専門家らはこのシーズンの経済に明るい兆しすら見ていると、Centurion(センチュリオン)はニュースレターで報告しています。 Deloitte(デロイト)およびPriceWaterhouseCoopers(プライスウォーターハウスクーパース、PWC)の会計事務所はどちらも、強大な利益を見込んでいます。 消費者調査を引き合いにして、PWCは10%と予測しています。この調査では消費者が独立店や地元ブランドを好むこともわかっています。
米国のジュエリー小売業者はこの素晴らしいニュースを利用できるでしょう。 今年の前半では、Tiffany & Co.(ティファニー・アンド・コー)の 同店舗の売上は9%の低下を見せ、またNile(ナイル)は横ばい状態、Signet Group(Kay、Zales、Jared Galleria)は2.5%の低下を見せました。
世界的には、高級品の売上は低迷しています。スイス時計の需要は月ごとに減少し、特に高級品ほどその傾向にあります。 Richemont(Cartier、Van Cleef & Arpels、およびBaume & MercierとVacheron Constantinなどの高級腕時計会社)は年の前半を通じて16%落ち込みました。 LVMH(デビアス小売店とBulgari)は、主にいくつかの時計ラインを導入したことから、4%の増加を示し、明るい灯となりました。
カラーストーン
アメリカの オバマ大統領はミャンマー連邦共和国の国家顧問に就いているAung San Suu Kyi(アウン・サン・スー・チー)氏を訪問中の10月7日に、ミャンマー(ビルマ)からのルビーとジェイドの輸入の禁止令を撤廃しました。 モゴックとMong Hsu(モンスー)におけるルビー採鉱は2008年に輸入禁止令が制定された後から大きく傾いていると言われていましたが、この動きがその復興に貢献すると思われます。
ディーラーの間では、この行動がルビー市場に与える影響について実際的な意見の一致は全くありませんでした。 ディーラーの多くはミャンマーの鉱床が下火になっていて、また(少なくともモゴックの石に対する)禁止令は過去数年もほぼ無視されていたと考えています。 他のディーラーは、禁止令が生産カットと合わさったことで、米国でのルビーの供給が著しく縮小し、特にTiffany & Co.(ティファニー・アンド・コー)など、有名な小売業者の宝石販売停止を 促したという考えを維持しています。
NGOらはこの決定に対し、未だ国の経済の大部分を握る軍閥によりミャンマーの人権が脅かされ続けること、またMong Hsu(モンスー)地域に集中して生活している少数民族のシャン族の人々に対して続く暴力はあってはならないと抗議しました。
ダイヤモンド
デビアスは9月26日から29日のサイクル(以前はサイトと呼ばれていた)で4億8500万ドルの価値のあるダイヤモンド原石を販売しました。そこから1カラット以上に研磨される商品には1%から2%の価格上乗せが、またメレーサイズの石の場合は若干下がると思われます。 全体的には、ダイヤモンド業界に継続する掛け売りの問題や、インドの祝日のディワリが近々あるため製造業が2週間以上は止まることから予測されていたよりも若干上回りました。
ロシアのAlrosa(アルロサ)は、4億5400万ドルの価値のある原石と、1890万ドルの価値の研磨された石を9月に販売し、8月のダイヤモンド原石の売上の合計2億4300万ドルの約2倍の売上になりました。 8月の研磨された石の売上は1200万ドルでした。 Alrosaの下半期の売上は、供給過剰、またバイヤーが原石価格の過剰な高値に反発した2015年と比べ58%の上昇を示しています。 上半期の売上高は、価格で23%の上昇、カラット体積で21%の上昇がありました。
Russell ShorはカールスバッドにあるGIAのシニア業界アナリストです。