GIAのフィールドジェモロジスと共にチャンタブリのサファイア鉱山と市場へ挑む
10月 23, 2015
このビデオは、GIAフィールドジェモロジストであるVincent Pardieu率いるチームと共に、タイ東部のサファイア鉱山およびチャンタブリの賑やかな宝石市場へ皆さんをお連れします。
バンコクからたった数時間なので、標準サンプルの収集、地域の採鉱および取引活動の発展を目にするために、このエリアには容易に足を運べます。 また、GIAのフィールドジェモロジィ部門への参加を希望する、若いジェモロジストの研修と評価をするためにも理想的な遠征調査の場所となっています。
このビデオでは、サファイア生産地の中心部にあるKhao Ploy Waen火山へ旅をします。 その名前は、文字通り「宝石の丘」という意味です。火山はチャンタブリから約4マイル(6.5キロ)西に位置し、宝石取引の中心部となっているチャンタブリはタイの首都バンコクから南東へ車で3時間ほど(155マイル(250キロ))のところにあります。
タイ東部は、ミャンマー(当時のビルマ)が政治的問題により供給を停止していた1960年代初期から1990年代にかけて、世界的にルビーの主要な産出地になっていました。 このことが、タイ東部の機械採鉱作業に大きな拍車をかけました。
ルビーはもうほとんどありませんが、このエリアでは最近サファイアの再採鉱が行われており、Khao Ploy Waenは水の噴射と漂砂が採鉱機の水門を通る音、ジグやトロンメルの音が鳴り響いています。 このエリアは地元では「Butsarakam」と呼ばれ、グリーンの素材、地元で重んじられているイエローカラーサファイアに加え、大きくてダークブルーの絹のような石(市場に出すには処理が必要)の産出地にもなっています。 最高品質のイエロー、グリーン、ブルーの宝石は、時折優れた透明性に加え強い二色性を持っています、とPardieuは説明します。
数十年にわたりコランダム供給の中心地となっていたことにより、チャンタブリは最高の宝石取引や処理の中心部としての地位を固めることができました。 国際的な都市であるチャンタブリは、中国、ベトナム、フランスの影響が混ざり合っています。 町にはまた、タイ最大のキリスト教の教会、Cathedral of the Immaculate Conception(カトリック大聖堂)があります。
町で週末に開催される宝石市場も国際色豊かです。 宝石の原石およびカット宝石を購入するために、毎週金曜日と土曜日には世界中からトレーダーが訪れます。 地元の商人たちは自分の商品に生活をかけているため、市場は重要な存在です。 モザンビーク、タンザニア、ナイジェリア、マダガスカルなどのアフリカを産地とする宝石を精選しているためギニアとアフリカからのトレーダーたちは、特にはっきりと分かります。 この結び合わせは、アフリカ産ルビーの彫刻仏陀により実証されます。Pardieuの説明によると、アフリカ産ルビーは形成前にフラクチャーを埋めるために、ほう砂での加熱が必要とされます。事実上、地元の処理と形成知識、および大陸を越えた原料の組み合わせです。
チャンタブリの市場は、彼らのようなトレーダーたちとその石の存在がなければ、今ほど活発ではなかったでしょう。 実際、皮肉なことに、カブール、アフガニスタンからのトレーダーが、ナイジェリア産のロードライトガーネット、処理済みのルビー、合成宝石をバグラやカブールといった軍事基地の米軍人に販売する姿が見られました。
このGIAフィールド遠征調査(FE53)は、2014年6月に行われました。 Pardieuの他に、カメラマンのDidier Gruel、Philippe Brunot、遠征調査メンバーのVictoria Raynaud、Stanislas Detroyat、Marie Daufresneが参加しました。
GIAスタッフはリサーチおよび市場への見識を深めることを目的に、鉱山、 製造業者、 小売業者の他、 宝石およびジュエリー産業に関わる場所や企業を頻繁に訪ねております。 GIAは訪問中に私たちを受入れて貴重な情報を提供してくださった皆様のご厚恩に心から感謝いたします。 これらの訪問や記事または出版物のいかなる内容も、再利用、宣伝用の利用は禁止されています。