業界分析

オンラインダイヤモンド売上、米国市場の17% 市場;新しいオークションの記録


インペリアルカシミール
10月7日に行われた香港のサザビーズのオークションで、17.16カラットのサファイア「インペリアルカシミール」がカラットあたり236404ドル(約2500万円)(401万ドル(約4億3000万円))で売却され、サファイアの世界記録を達成しました。 全写真提供:サザビーズ
最近のデビアスの調査によると、昨年のダイヤモンドジュエリーの世界的な小売売上高は790億ドル(約8.5兆円)で、米国と中国の需要がそれぞれ7%、12%伸びて50 億ドル(約5400億円)増加しています。

ダイヤモンドジュエリーのオンライン販売は、調査によると、米国市場の約17%を占めています。 それには、ブルー​​ナイルのような完全オンライン企業だけでなく、インターネットで販売する伝統的な小売業者も含まれています。

デビアスの報告書はまた、現在中国の消費者の25%が、実際に購入する前に希望するダイヤモンドについてリサーチをすること、またダイヤモンドジュエリーを販売する小売店の数が2010年から2013年にかけて30%増加していることを指摘しました。 しかし、デビアスによると、この急成長が鈍化し続けている強い兆候がみられます。 広東省の小売業者は、今年最初の8ヶ月間で売り上げが5.1%減少したことを報告し、また同期間の金貨の売り上げも全国で9.1%落ちたことを政府が発表しました。

商務省は、米国での宝飾品と時計の売上高が、すべての販売分野において、2013年の同じ月に比べて8月に4.9%上昇したことを報告しました。 金とダイヤモンドの価格が今年になって数%ポイント減少となったので、この上昇は、さらに大きな販売量を反映しています。

デビアスは、ダイヤモンドの生産高が7%増しの1.45億カラットで、2005年ピーク時の1.75億カラットに比べかなり下がっていることを指摘しました。 また同社は、新しい産出地が次々に操業を始めているにもかかわらず、生産高は減少してくると予測しています。それは、古い鉱床でのより深い掘削および鉱石品質低下のために運営費用が増加してくるためです。

デビアスの10月6日 - 10日開催のサイトは推定4.65億ドル(約500億円)で、前サイトをはるかに下回るものでした。 10月のサイトは、10月20日から始まるディワリの直前に開催されるので、一般的に小さいものとなっています。

ディワリの間、インドのダイヤモンドメーカーは通常2,3週間の運営休暇を取り、その年の決算を済ませます。 今年は、いくつかの企業が売れ行きのよくない研磨された商品数点に、10%までの割引を提供しているという報告が入っています。融資削減をしている銀行またはアントワープダイヤモンド銀行(ADB)の場合のように貸付停止およびローンの回収をしている銀行と妥結するためです。 インド最大の業界団体である宝石および宝飾品輸出促進協議会は、同国のダイヤモンド貿易の長期的な見通しは依然として力強いものであるとして、大幅な割引の報道を否定しています。

ADB(アントワープダイヤモンド銀行)の融資ポートフォリオは16億ドル(約1700億円)で、そのクライアントのほとんどすべてがアントワープに所在しています。 しかし、そのポートフォリオの60%は、ムンバイとスラトにルーツを持つインド企業によって保持されています。 報告によると、クライアントは銀行への負債を一年で返す必要があります。

このABDのニュースが出た直後、Standard Chartered Bank(スタンダード・チャータード銀行)のインド支店はクライアントに通知を出しました。それはダイヤモンド業界への財務リスクをさらに削減すること、また信用供与枠の確保のために担保を増やすことを要求するものでした。

原石の価格は、研磨された石の市場における金融引き締めと価格抵抗のせいで、ここ数カ月の間軟化してきています。 デビアスは、過去のサイトで高品質の商品いくつかに非常にわずかな値引きをしましたが、入札販売された他の生産者の価格は7%下落したと報告されています。

オークション:世界の大富豪のバイヤーが希少価値のある重要な宝石を競り合い、価格の記録更新が続いています。 サザビーズの10月7日の香港オークションで、GIAグレーディングを受けた8.41カラットのインターナルフローレス のファンシービビッドパープル・ピンク・ダイヤモンドを、アジアの民間バイヤーが17768041ドル(約19.2億円)で競り落としました。 これは、カラットあたり210万ドル(約2.26億円)で、今までのオークションでビビッドピンクダイヤモンドに支払われた価格の最高値であり、宝石に付けられたカラットあたりの史上最高値をもう少しで超える価格でした。


8.41カラットのパープルピンク  
GIAのグレーディングを受けた8.41カラットの重量の洋ナシ形のファンシービビッドパープル·ピンクダイヤモンドは、サザビーズの10月7日のオークションで1770万ドル(約19億円)で売却されました。
カシミールサファイアのカラットあたりの最高価格は同じオークションで二度破られ、二度目は最初の更新の数分後に起きました。  

最初の品目はカルティエによってセットされた12カラットのステップカットで、最終価格が232万ドル(約2.5億円)もしくはカラットあたり19万3975ドル(約2100万円)を記録し、昨年わずか1万3000ドル強(約140万円)で作られた記録を塗り替えました。 しかし、数品目の後で、アジアのコレクターが17.16 カラットの「インペリアルカシミール」に401万ドル(約4.3億円)を支払いました。これはカラットあたり236404ドル(約2550万円)で、それだけで設定されていた価格を簡単に上回りました。

そのインテンスパープル-ピンクの石は同じグレードのダイヤモンドの最高値を打ち立てましたが、GIAによってファンシーインテンスとグレーディングされた24.78カラットの重量のピンクダイヤモンドは、2010年に4600万ドル(約50億円)で売られ、全宝石の中で記録的な価格を保持しています。

12.0カラットのサファイア
カルティエ製作のエメラルドとダイヤモンドがついたこの12.0 カラットのステップカットサファイアとプラチナリングは、10月7日にサザビーズオークションで232万ドル(約3億円)で落札されました。 それはつかの間、カラットあたり193975ドル(約2100万円)の記録を立てましたが、「インペリアルカシミール」によって追い越されました。