レースの再創作


プラチナのリボン
写真提供:Neil Lane Jewelry(ニール・レーン・ジュエリー)
さあ、GIAのタイムマシンに乗って、 約百年前に戻りましょう。 エドワード朝イングランド(1900 -1915)にただ今到着しました。

あなたは、とある公爵のエレガントなお城の中にいます。 パレードに参加している若い王女と貴婦人は、凱旋月桂樹の花輪、リボンやフィリグリーに輝く素晴らしい宝飾品をまとっています。

現在に早送りしてみると、レースのジュエリーの人気が復活しています。 大手の高級服メーカーが、オートクチュールのレース服で女性誌のページを埋めています。 ドレス、シャツ、スカーフ等、レースが大人気です。

手作りアイテムも人気があり、そのアンティークな外観により需要が増えています。 急速に変化する世界における不朽の外観。消費者がそのノスタルジーに駆られていることに、ジュエリーデザイナーらは気付いたのです。

「レースは美しく細工されたパターンに、歴史とロマンを兼ね備えています。 露出と隠蔽の両性質を持ち、肌を覆いながらも、デザインで際立たせます。 デザインの創造力を非常に高めてくれる素材です。」と、ジュエリーデザイナーであるKaterina Maxine(カテリーナ・マキシン)のKatherine Semyonov氏は述べています。 Semyonov氏は、ロシアの伝統の中にインスピレーションを見つけることで知られています。

過ぎ去った事物への敬意
洗練された気品を持つカテリーナ・マキシン製のブレスレットは、当世のものとは思えないほどの美しさを放つ。 ローズゴールドは暖炉の暖かさを、フィリグリーは昔ながらの熟練職人の作品を連想させる。 写真提供:D'Orazio & Associate/カテリーナ・マキシン
皮肉なことに、ネオ・アンティークな外観は技術の進歩により支えられています。 画期的なレーザー技術で、デザイナーは比類のない複雑なジュエリーを作成することができます。 それはまた、少ない素材でもより多くのジュエリーであるかのような錯覚を生み出すことが可能です。金属の価格が上昇する中、この点はますます重要となっています。

アンティークスタイルと高い技術、この新旧の組み合わせが、宝石とジュエリー業界をエキサイティングなものにしています。
Limelight Couture Précieuse(ライムライト・クチュール・プレシューズ)ネックレス
Piaget(ピアジェ)によるLimelight Couturenecklace(ライムライトクチュール Précieuse ネックレス)は、女性らしさを象徴している。優美な流線が花やハニカム構造で飾られ、 技術的にも壮大な作品である。1,600個以上のダイヤモンド、800時間以上の制作時間を要している。 写真提供:ピアジェ