John Koivula

Koivulaは幼少期をワシントン州東部で過ごしながら、インクルージョンを含む鉱物のコレクションを大量に収集していました。 10代のころ、彼はEdward Gübelin博士に手紙を書き、自分で撮った初めての顕微鏡写真を同封して送ります。それがその後の協力関係へとつながり、Photoatlas of Inclusions in Gemstones(写真図鑑 宝石のインクルージョン)3巻を共同執筆することになるのです。 鉱物学-地質学と無機化学の学位を所得後、彼はCominco American(コミンコ・アメリカン社)で探査地質学者として働き、その後1976年にGIAに転職しました。
顕微鏡写真家としての活動を通じて、Koivulaは宝石学の世界に革命を起こしました。 研究に光ファイバー照明などの最先端技術を取り入れたのです。現在では、光ファイバー照明は一般的になり、世界中の宝石ラボで使用されるようになっています。 1980年代後半から90年代初期にかけて彼と同僚のRobert C. Kammerlingは、ガラス充填ダイヤモンドにおける画期的な研究を実施し、ガラス充填による不安定なクラリティ(透明度)改良に対する理解を促し、ダイヤモンド業界に貢献しました。
GIAに在職中、Koivulaは世界各地を周り、取引や科学に関する会議で講演を行いました。 多くの著書を手がけるKoivulaは、インクルージョン、顕微鏡法、宝石鑑別などに関する800以上の記事を執筆または共同執筆してきました。 その中の64本の記事がGems & Gemology(宝石と宝石学)で発表されており、そのうち16本の記事が同誌のMost Valuable Article(最も価値のある記事)賞を受賞しています。 彼はまた、G&G編集チームに25年以上従事しました。 Koivulaの顕微鏡写真は、Nikon Small World(ニコンスモールワールド)写真コンテストに数回出典されており、1984年には1位を獲得しています。 2004年10月、Rome Civic Zoological Museum(ローマ市立動物学博物館)では彼の顕微鏡写真の特別展示会が開催されました。 また彼は、前述の写真図鑑執筆の活動に加え、その他数多くの書籍作成に貢献してきました。 天然および合成ダイヤモンド、類似石、エンハンスメントについて論じた彼の書籍「MicroWorld of Diamonds(ダイヤモンドのミクロの世界)」は、2000年に出版されています。
宝石学業界においては、Koivulaの同業界への貢献が評価され、AGSのRobert M. Shipley賞(1996年)と、AGAのAntonio Bonnano宝石学優秀賞(2001年)が授与されました。 また、彼はAGSのRichard T. Liddicoat ジャーナリズム賞(2003年)の初の受賞者でもあります。 さらに、Gemmological Association of Great Britain(英国宝石学協会)とFinnish Gemological Society(フィンランド宝石学協会)の終身名誉会員です。 1999年、JCKはKoivulaを「20世紀のジュエリー業界に最も影響を与えた人物64人」のリストに加えました。
GIAのLiddicoat Awardを受賞した際、Koivulaは「宝石学は素晴らしい職業です。 たとえお金をもらえなくても私は同じ事をしていたと思います。なぜなら、大好きなことだからです。」と述べました。John Koivulaの情熱により、研究者や愛好家などがインクルージョンの関連性や、現代の宝石学における顕微鏡写真法の重要性を理解できる道が開かれたのです。
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