書籍:David Webb − The Quintessential American Jeweler(デビッド・ウェッブ − 典型的なアメリカの宝石商)


デビッド·ウェッブとヴァンクリーフ & アーペルの最高級ジュエリーを備えた博物館の展覧会は、南フロリダと私たちの3つの南カリフォルニア支部が訪れました。
Ruth Peltason著、367ページ、イラスト入り、Assouline Publishing 出版、ニューヨーク、2013年、85.00ドル(約8200円)
David Webbの人生と仕事について大規模かつ印象的な考察をするこの本では、Ruth PeltasonがDavid Webbの世界への扉を開きます。
 
ノースカロライナ州出身のDavid Webbは、ニューヨーク市に移動する前の10代の頃、ジュエリー製造者として修行しました。 1950年代から70年代初期にかけて、エリート客向けの忘れられないジュエリーや美術品を作成し、名を知らしめ富を築きました。 彼が製作したジュエリーを身に着けていた、スタイルと美貌を備えた女性には、ウィンザー公爵夫人、エリザベス・テイラー、バーブラ・ストライサンド、ジャッキー・ケネディ、エスティローダーなどがいました。 Webbのデザインスタイルは独特で、それでいて変化に富んでいます。 その作品は、もっぱら大胆さと充実性を備えており、デザインは幾何学から自然主義の形式まで及びます。 多くの作品は、明るく大胆な宝石やエナメルを使用する一方で、他の多くの作品にはモノクロを使用しています。 すべての作品でディテールへのこだわりと素晴らしい技巧が見られ、それによりデザイナーの創造的ビジョンが強調されています。
 
彼のジュエリーが有名になったのと反比例するように、デザイナーの彼自身はあまり姿を現さず、自ら公表すること等なく、ほとんど写真を撮られたこともありませんでした。 そのジュエリーはそれ自身が語りかけており、会社もWebbの死後40年近くいまだに続いています。 そんなわけで、David Webbという人間について明らかにしたこの本は、注目に値します。 いつも意図的に目立たないようにしていたため、その人生について書かれた本はあまりありません。 また、「Crazy for Color(色に夢中)」、「Elegance Supreme(究極のエレガンス)」、「Solid-Gold Fun(純金の楽しさ)」、「Animals as Decoration & Heavenly Delight(装飾や至福の喜びとしての動物)」といった章を通して、Peltason 氏はWebbのジュエリーが届けるあらゆる雰囲気を捉えています。 大きい高画質の写真は、Webbを引き継ぐ宝石商たちが、それぞれ独自に熟練した職人であるり、どのような細かい点にもこだわり妥協していないということを証明しています。
 
全般的に「David WebbThe Quintessential American Jeweler(デビッド・ウェッブ − 典型的なアメリカの宝石商)」は、ファインジュエリーとデザインの歴史に興味がある読者に強くお勧めします。

Jana Smithはカリフォルニア州カールスバッドにあるGIAのGEms & Gemology(宝石と宝​​石学)のサブジェクトスペシャリストです。