天然ダイヤモンドに沈着させたCVD合成薄膜の長期耐久性
7月 8, 2014

適切に管理が行われている耐久性の研究としては、ダイヤモンドへの非ダイヤモンド素材のコーティング (例:A.H.Shen他著『Serenity coated colored diamonds: Detection and durability(セレニティ社によるコーテッドカラーダイヤモンド:識別と耐久性』G&G 2007年春号、16-34頁)と、 非ダイヤモンド素材へのナノ結晶ダイヤモンドコーティング(例:J.E. Shigley 他著『Characterization of colorless coated cubic zirconia(コーティングされた無色キュービックジルコニアの特性評価) [Diamantine]』G&G2012年春号、18-30頁)の検査が行われました。 しかし私たちの知る限りでは、天然ダイヤモンド上にCVD合成ダイヤモンド薄膜を成長させたものに対する検査は行われていません。 リングが常に露出していることを仮定すると、このひとつのサンプルにおける評価はこのようなダイヤモンドのコーティングの長期耐久性を示すことができます。 CVD合成薄膜と天然ダイヤモンド間には結晶構造について格子不整合がないことから、このような薄膜は安定を持続することが予想されました。 ダイヤモンド/非ダイヤモンドの接点においては、格子不整合とその結果として生じる結合力の低下により、耐久性は一般的に中程度から非常に低くなります。
分光技術を使用してCVD層の形跡を見つけるのは困難でした。 FTIR吸収(通常、ダイヤモンド全体からのデータを提供)では、CVDに特化した特徴は解明されず、下層ダイヤモンドはla型ということだけが明らかになりました。 限られた領域からデータを収集するフォトルミネッサンス分光法を使用しましたが、CVD薄膜の分光学的証拠を見つけるのは、共焦点モードでPLデータを収集した場合でも困難でした。 赤外吸収ではCVD関連の3123 cm–1ピークは検出されず、737 nmでのシリコンのピークはPLでは観測されませんでした。 ダイヤモンド上におけるCVD層の存続について最も信頼できる証拠は、目視観察(図 1)と顕微鏡分析(図 2)によるその異常な外観でした。 また、パビリオンも電気伝導性を示しており、これはホウ素添加の別の指標となります。

処理がより精緻になり、ラボから業界へと広まったことから、正確な検出の必要性が高まっています。 それでもなお、このような半永久的な膜は識別が可能であり、宝石学的な識別において分光法および従来の方法の両方を使用する必要があることを再認識させられます。
著者について
Sally Eaton-Magañaはカリフォルニア州カールスバッドにあるGIAラボの研究科学者です。