ザンビア産シトリン(黄水晶)
4月 2, 2014
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図 2。 ぼやけたクラウドやバンドは、ザンビア産シトリン(黄水晶)の一般的な特徴です。 顕微鏡写真:D. Beaton、画像幅:2.70mm
Blauwet 氏は、カットされたシトリン(黄水晶)7個をGIAに貸出し検査したところ、3.38から43.86カラットの範囲でした(図 1)。 一番大きい石の3片に凹ファセットが施されその輝きを強調しています。 シトリン(黄水晶)の色は、ややブラウニッシュイエローからオレンジがかった黄褐色までの範囲であり、7個の石は次のような宝石学的特性を示しました:RI-なし= 1.542、ne = 1.552、複屈折性0.010、流体静圧SG-2.65から2.66、紫外線蛍光:長波長紫外線に対し非常に弱い白色蛍光を発した淡黄色のサンプルを除き、長波長および短波長紫外線照射共に不活性であり、卓上型分光器ではみられる特徴はありませんでした。 顕微鏡検査ではストレートおよび角の付いたカラーゾーンだけでなく、一般的な曇りとかすんだ粒子のバンド(図2)もあることが分かり、それは天然由来であることを証明し、スリランカ産のシトリン(黄水晶)について記載しているものと同様でした。(E. J. Gübelin とJ. I. Koivula, 『Photoatlas of Inclusions in Gemstones(宝石に含まれるフォトアトラス)』、 Vol. 2、Opinio Publishers、バセル、スイス 2005年、p. 573). 3.38カラットの石は、並列細管の面と二相インクルージョンもありました( 図 3)。 交差偏光で見ると、一番小さい2個のサンプルのみに微量部分のブラジル式双晶が見られました。
図 3。 図 7の3.38カラットのトライアングラー•モディファイド•ブリリアントは、細長い
細管と二相インクルージョンを含む。 顕微鏡写真:D. Beaton、画像幅、1.5mm
フーリエ変換型赤外分光法では、3595cm-1のバンドが存在しないことが明らかになりました。 この機能は、天然クォーツ、特に分解をされ判断材料となる天然インクルージョンが無いアメシストの確認に使用されます(S. Karampelasら、『S. Karampelas et al., “Infrared spectroscopy of natural vs. synthetic amethyst: An update(自然対合成アメシストの赤外分光法:更新)』2011年秋G&G、pp.196-201)。 シトリン(黄水晶)では、この特徴は、大抵存在せず、よって適切な鑑別は、インクルージョンの観測または微量元素の分析に依存します(C. M. Breeding、『Using LA-ICP-MS analysis for the separation of natural and synthetic amethyst and citrine(天然および合成アメシストとシトリンの分離のため、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析装置を使用する)』www.gia.edu/gia-news-research-nr73109a。細管と二相インクルージョンを含む。 顕微鏡写真:D. Beaton、画像幅、1.5mm
天然色のシトリン(黄水晶)は、アメシストやスモーキークォーツなどの他の石英の変種よりも稀です。 このシトリン(黄水晶)の着色が、サプライヤーより提示された通り、天然のものだと仮定すると、この大きい、透明な素材は宝石市場にとって好ましい追加物でありましょう。
著者について
Donna Beatonは、GIAのニューヨーク研究所のカラーストーンサービスのスーパーバイザーです。