書籍: 『The Cheapside Hoard: London's Lost Jewels(チープサイドの財宝:ロンドンの失われた宝石)』
1月 23, 2015

本は、1912年のロンドンのCheapside(チープサイド)エリアにある建物の改修中に発見された財宝で始まりまります。 ストーリー自体は、いかがわしい人物や陰謀などが盛り込まれた探偵小説のようです。 Forsyth(フォーサイス)女史は徹底的な調査を行って、それを明るみにしました。 本は、昔の文書、図面、及び絵画で例をあげて説明しています。 1912年の発見とロンドンの16世紀から17世紀の宝石の取引の両方について徹底的に行われた研究は、歴史家を楽しませてくれます。 作品の美しい写真により、秘匿されていた素晴らしい宝石とエリザベス朝とジャコビアン時代の宝石職人によって作られた独特のセッティングの両方に光が当てられています。 この本は宝石歴史家向けとなっているだけでなく、この時代の宝石類に興味を抱くあらゆる人のための素晴らしい情報源となっています。
Cheapside Hoard(チープサイドの財宝)の500点近くあるの宝物は、この時代の宝飾品の中で最も重要なコレクションです。 Forsyth(フォーサイス)女史は、これらの宝石が創作された当時に読者を導き、ロンドンや世界中の宝石取引を巡る旅に連れて行ってくれます。 宝石の産地であるペルシャ、インドそしてコロンビアのようなエキゾチックな場所が、秘密めいて時には危険を伴う宝石取引の物語の中に織り込まれています。 また、当時の業界のギルドと話題の人物についても取り上げられています。 著者が引用した裁判所やギルドの文書を通じて、宝石取引で起こった政治や紛争の様子が読者に伝えられます。 職人のワークショップや道具類についても詳細に記載されています。
宝飾品が美しく描かれているだけではなく、本全体に渡るその時代の絵が、宝飾品がどのように身に着けられていたかを示しています。 まさに、百聞は一見にしかずです。 千枚通しは髪飾りであることを学ぶのは情報的価値がありますが、それをデンマークのアン王女が着用しているところを描いた1617年のポートレイトで見る方がもっと的確に理解できるのです。 この本全体に載っている当時の肖像画に、イヤリング、指輪、ネックレス、カメオその他を見ることができます。 宝石や宝飾品の写真で、このコレクションにある作品の絶妙な職人技が分かります。 これらの作品のエナメルの加工、金の加工、そして想像力豊かなセッティングは、読者の想像力を魅了します。 これらの作品は、その時代における最高品質のものでした。
Cheapside Hoard(チープサイドの財宝)で最も印象的な作品は、大きな六角形カットのコロンビアのエメラルドに入った腕時計です。 ダイヤルには金のローマ数字が付いていて、エメラルドの色に合わせて緑色のエナメルで作られています。 時計ケースの蓋も存在感のあるエメラルドになっており、閉じていても時計の面を見て時間を読むことができるほどの十分な透明度があります。 これは本当に時計製造と研磨デザインの傑作です。
『The Cheapside Hoard: London's Lost Jewels(チープサイドの財宝:ロンドンの失われた宝石)』は、歴史的な宝飾品、ヨーロッパの貿易の歴史または美しい宝石を楽しめるどなたにもお勧めです。 神秘的で魅力的なストーリーとともに、貴重な芸術品、過ぎ去った時代を垣間見せてくれる芸術品と出会うチャンスです。
書評者について
Timothy Adamsは、ロシア宮廷の宝石商であるCarl Fabergé(カール・ファベルジェ)の作品専門の独立した美術史家です。 彼は、オレンジカウンティにあるBowers (バウアーズ)博物館で、装飾芸術のキュレーターコンサルタントをしています。