卓越した記録の保管場所:Richard T. Liddicoat宝石学図書館開館25周年
8月 21, 2014

1,800点以上のビデオ
57,000冊以上の書籍
150,000点以上の写真
Richard T. Liddicoat図書館情報センターで入手可能な印刷物、ビデオおよび写真資料の規模は驚くべきものです。 哲学者Plinyの『Natural History(博物誌)』の31の異なる版(1496年出版のものも含む)から、宝石に関する最も重要な記述のひとつであるGeorge Frederick Kunzの『Gems and Precious Stones of North America(北アメリカの宝石と貴石)』まで、図書館は宝石学および宝石の歴史の中で最も稀少な、また最も高く評価されている書物を所蔵しています。 本棚ひとつで質素に始めたこの図書館は、この部類では世界でも最大、最も徹底的な書庫になり、宝石および宝飾品の研究には最初の照会基準の場になっています。
GIAの当初の図書館には出版物がわずかあるだけで、GIAの創設者Robert Shipleyが学生やスタッフに貸し出すためのものでした。 このコレクションは長年にわたって、宝石や宝飾品、業界誌および最新宝石学研究書など重要な書籍を所蔵するまで成長し、1980年までに非公式に蔵書目録が作成され所蔵総数は2,500冊になりました。
当時のGIA社長Richard T. Liddicoatは、増え続ける協会のコレクションに専門的に配慮する必要性と利点を認識しました。 Liddicoatは、ダイヤモンドグレーダーで元地質学教師のDona Dirlamを司書として任命しました。 Dirlamは、図書館が現在の資料庫に発展するべく数十年にわたり力を注ぎました。 学生やスタッフに予約なしで図書館を開放し、コレクションを再編成、蔵書化し、物理的なスペースとスタッフを拡大していきました。
「1980年代中ごろには、増えつつあった情報を求める電話に対応するスタッフがもっと必要になりました」と、Dirlamさんは語っています。 「人々を助ければ助けるほど、助けを求める電話件数が増え、助けを得た人々は他の人々に伝えるのです。」
機関外の人々が不可欠な情報を学べば学ぶほど、図書館は成長し続け、包括的なコレクションを収集する重要性も高くなりました。
1988年1月には、GIAは宝石や宝飾品の研究に関する、ほとんどすべての主要著作物を所蔵するSinkankasコレクションを買収しました。 著名な著者また宝石職人でもあるJohn Sinkankasと妻のMargeが40年以上にわたって収集したこのコレクションにより、論文約6,000冊、書籍約10,000冊がコレクションに追加され、その中には紀元前1511年にさかのぼるもの、稀少版、また異なる言語で書かれた数多くの版もありました。 図書館にSinkankasコレクションが追加されたことで、他に類を見ない情報資源になりました。
GIAは1989年8月、開館祝賀会を開き、「モダン宝石学の父」であるLiddicoat氏に正式に図書館を捧げ、公式にSinkankasコレクションを発表しました。
約300人のゲストがこのイベントに参加し、George Schusterは2003年発行の書籍『Legacy of Leadership: A History of the Gemological Institute of America:(リーダーシップの遺産:Gemological Institute of Americaの歴史)』で次のように説明しています。
1989年8月21日。 シャンパンと笑い、賞賛が飛び交い、タキシード姿の正装の男性とエレガントなイブニング・ガウンを身にまとった女性たちが一堂に会したきらびやかな夏の夜でした。 宝石および宝飾業界の要人数百人がGemological Institute of Americaに目を留めるに重要な夜となりました。
新たに買収した、世界的に有名なSinkankasコレクションの発表など、Richard T. Liddicoat 宝石学会図書館情報センターにあらたまって深い敬意を表する夜でした。
あるライターが「宝石学文献を結集した最大コレクション」と呼んでいたコレクションの除幕式が行われた夜でした。
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来客たちは開館式で、Sinkankasコレクションの獲得と、そのことがGIAと宝石学コミュニティに何を意味するかについて、Dirlam氏、Liddicoa氏、およびBoyajian氏より体験談を聞きました。 もう一つのハイライトは、Sinkankas氏と妻のMarge氏がどのようにして個人図書館を作り上げたかについて非公式にコメントされ、ヨーロッパに出向いて書籍を購入する旅の話、Howes社の買収、GIAとの長年にわたる関係など話してくれました。 James Conn市長はGIAのコミュニティ教育への貢献を認めた、サンタモニカ市の感謝の手紙を(当時社長の)Bill Boyajian氏に授与しました。 その晩の最後には、Sinkankasコレクションについて書かれたGems & Gemology(宝石と宝石学)の1989年春の記事の再版が帰宅する来客に配布されました。
それから25年後、GIAの図書館は成長し、宝石および宝飾品業界、宝石愛好家、学生や市民にその資料を提供し続けています。 図書館のスタッフは2013年、1万人以上の訪問者、学生やスタッフを支援しました。 図書館は月曜日から金曜日まで一般に公開していますが、資料を使用するためにカリフォルニア州にいる必要はありません。 経験豊富な図書館員が、毎年、1,000件以上の宝石や宝飾品に関する質問に対して電子メールや郵便、電話、ファックスでも対応しています。 図書館のカタログはオンライン検索が可能で、80年にわたるGIAの研究季刊誌であるGems & Gemology(宝石と宝石学)の全号にウェブサイトからアクセスできます。
Dirlam氏が抱く図書館の目標はシンプルです。
「この図書館が世界の宝飾品業界の記録保管所になり、宝石や宝飾品業界に対する一般の信頼を確保する使命の重要な役割を果たす」ということです。