Cindy Yeung、家族経営のジュエリー大企業における役職を受入れる
12月 31, 2014

それはある夏の日、中国の九龍にある父親の店の中でのことでした。 父親は、Cindyが少女の頃から宝飾品に興味を持たせようといていましたが、彼女は21歳になっても関心が湧かずにいました。 どうしても理解ができなかったそうです。しかしある日外出しようとした際に、「もの凄く輝かしいダイヤモンド」が目に入り、立ち止まってそれを見るためにもう一度店に戻りました。
そのきらめく宝石が、彼女の注意を引き、彼女の情熱に火をつけたのです。
Yeungの祖父、Yeung Shingは1942年に九龍で家族の最初の時計店を開きました。 父のAlbert Yeung博士は1964年に初めて自分の店を開き、50年間以上にわたってビジネスを成長させ、世界で最も有名な時計とジュエリーの小売業者の一つにしました。その会社とはEmperor Watch and Jewellery(エンペラー・ウォッチアンドジュエリー)のことです。
その父は、宝飾品店経営の知識と経験を娘が12歳の頃から教え込みました。 彼は「お前が将来ビジネスを受け継ぐ人物になるのだ。」と彼女に伝えました。 しかしYeungにとってその言葉は何の意味も持たず、彼女の人生とは関係ないことだと思っていました。
「当時私はとても若かったので、まったく気にもかけませんでした。 そのため、『うん、分かった』とは父に伝えましたが、そのことにあまり注意を注ぐことはありませんでした。」と彼女は言います。
3、4店舗ほどを所有していた彼女の父は、彼女に毎日総売上高を調べさせました。

Yeungの父、Albert Yeung博士(左)は、娘が小さい頃から家業を経営するための教育をした。
「私は、各店舗の電話番号と全売上げを記憶して、 父に報告しなければなりませんでした。 その当時から父は私を訓練していたのです。」しかし、ようやく彼女が宝石の魅力を感じ、家業に身を投じる準備ができたのは、ダイヤモンドに見とれて「幸せを感じた」あの夏の日でした。
彼女はサンフランシスコ大学を卒業して、経営管理学の学士号を取得しました。経営学を専攻して国際ビジネスを重点的に学んだのです。 その後、GIAのことを業界の友人から知った彼女は、GIAのカリフォルニア州サンタモニカキャンパスで提供されているダイヤモンドや宝石の教育が必要だとすぐに気づきました。
「私は宝石を評価するための技術的専門知識と実践的スキルの両方を獲得しました。 GIAで、ジュエリービジネスで成功するために必要なダイヤモンドやカラーストーンの総合的知識を得ました。 そのおかげで、私に無数の機会が開かれました。」
Yeungは外部での経験が欲しいと考えていたので、香港を拠点に宝飾品の売買を行う米国企業Anju Jewelry Ltd.の営業部でまず働き、そのあと1990年に家業に加わりました。
キャリア当初から彼女は、顧客と長期的な関係を築くには、信頼構築が重要であると学んでいました。 彼女は、顧客に最善の選択をしてもらうことを大事にしているので、年齢やライフスタイル、収入に合わない思う商品は提示しないように気を付けています。 また、顧客の要求によく耳を傾け、商品を提示したときの彼らの反応を観察して学びました。
「顧客は目で、もう少し高価なものが欲しい、もしくは安価なものが欲しいと私に訴えかけることがあります。 私はジェスチャーや表情からそれを感じることができます。 彼らが好きなものや、望むもの、予算を察知できるのです。 私は、顧客を中にお呼びして、購入する余裕がない商品を紹介したくはありません。」
彼女は顧客を友人として捉えます。そして、宝石への情熱を共有し、彼らが気に入りそうな商品を紹介することを楽しみます。
「私は、繊細で素晴らしい商品を顧客や友人と共有することが大好きです。 私は彼らが望むものが分かります。 彼らのスタイルを知っているのです。 それは最高に満足する瞬間です。顧客が『どうしてこれが好きだと分かったの? なんでこれが欲しいと分かるの?』と言ってくるからです。特に嬉しいのは、私が紹介したジュエリーで顧客が特別な日を祝ってくれるときです。」
Yeungはジュエリーデザインにも強い情熱を持っています。 彼女は、企業グループのデザインや製造チームを作りました。それは会社にとって画期的なことです。 彼女は自然界からインスピレーションを受けています。葉や動物、滝、花火などが彼女のデザイン美学を刺激するのです。 Yeungはジュエリーショーやファッションショーに出席したり、各業界の雑誌を読んだり、彼女のスタッフと洞察と視点を共有したりして、デザインチームが市場傾向を完全に掌握することに役立てています。
これまでの取り組みの中で最も特別なデザインは、自身が結婚式で着用したネックレスだったと彼女は言います。
「ウエディングドレスには真珠が最適だとは思いますが、真珠だけにしたくありませんでした。 少し変ったものが欲しかったので、真珠にイエローダイヤモンドを付けました…非常にエレガントでシンプルな感覚のデザインです。 夫にそれを見せると、非常に気に入ってくれました。 そして彼は、結婚式の日にそれを私にプレゼントしてくれました。」
Yeungと家業は共に成長してきました。 彼女はEmperor Watch and Jewellery(エンペラー・ウォッチアンドジュエリー)の会長です。会社は、香港に24店舗、中国に55店舗、マカオに6店舗、シンガポールに4店舗を所有しています。 彼女は、ビジネスのあらゆる部分が経営に不可欠であると学び、スタッフと密接に連携することで、家族の伝統である品質とサービスによって高級ブランドであることを明示し続けられるようにしています。
「家業を経営することは、決して簡単な作業ではありません。 素晴らしい実績を維持すると同時に、革新的な政策を実施しなければなりません。 多くのプレッシャーがありますが、私はそれを利用して自分自身やスタッフのモチベーションにする方法を学びました。」
Yeungは、彼女の人生における宝石とジュエリーの重要性と魅力だけでなく、もっと多くのことに気付いたのです。
Cindy Yeungが家業について考えを語る
Cindy Yeungのストーリーをもっとお聞きになりたいでしょうか。以下のインタビュー抜粋記事では、活動的で人を気遣う起業家である彼女が家族のジュエリー大企業における彼女の役割について本音で語ります。このビジネスの好きなところを教えてください。
人と出会って関係を築くことが楽しいです。 私たちは、顧客の人生における最大の瞬間のために、協力して取り組みます。 彼らが自分が紹介する宝石で特別な日を祝うときの興奮を想像してみてください。 顧客のことを知り、友人と呼べることは非常にやりがいがあります。
どのようして顧客とそのように素晴らしい関係を構築するのですか?
私の仕事は、経営や戦略、多くの意思決定だけではありません。 私は店舗に出向いてスタッフにたくさんの質問したり、直接顧客と話をしたりすることが好きです。 顧客から非常に多くのことを学ぶことができるからです。 慎重に耳を傾け、観察することで、顧客の嗜好や好み、ジュエリー購入に導く方法を学ぶのです。 例えば、私はいつもスタッフに、トレイ上のすべてを見せるのではなく、多くとも2~3個の商品を見せなさいと伝えています。 デザインが適切であることを確認し、顧客にジュエリーを選んで触れていただくようにしています。 顧客が「どうしてこれが欲しいと分かったの?」と言うときは本当に嬉しいです。 そのときに、信頼関係が築けたことや、ブランド力が高まっていることが分かるからです。
宝石学の知識はどのように役立っていますか?
私たちの顧客は洗練されているので、多くの質問をなさいます。 私たちは、GIAグレーディング レポートを使用して、ダイヤモンドの4Cについての情報を示しています。これが品質や価値についての会話につながります。 私たちは、新しいスタッフに製品のセンスやデザインについての訓練を受けさせ、特徴や利点を顧客に伝えられるようにしています。 また、必ずスタッフの5人中1人が訓練を受けた宝石鑑定士であるようにし、彼らの技術的専門知識を使用して宝石を評価しています。
どのようにスタッフを育成していますか?
経験が非常に大事です。 私たちの有資格宝石鑑別士や新しいスタッフメンバーは、ロールプレイの演習を行い、朝の会議に参加しています。 また、スタッフをバーゼルフェアや香港フェアに参加させ、ショーでトレンドを観察させるようにしています。 そのような方法で、私たちはスタッフがジュエリーに対する情熱を育み、さらにプロフェッショナルになることを促しています。
ビジネスで最も難しい側面は何ですか?
家業を経営することは、決して簡単ではありません。 絶えず革新的な運営を実施しながら素晴らしい実績を継続するという大きなプレッシャーが私にかかります。 ビジネスのあらゆる部分に私の個人的な関与が不可欠だと考えています。そのため、私は毎日スタッフの一人ひとりと非常に密接に働くようにしているのです。
ジュエリービジネスの将来について意見を聞かせてください。
平均的な顧客の範囲が所得とともに拡大しているようです。 そのため、手頃な価格の高級品市場の需要は、今後拡大し続けると思います。 中国に新しく20店舗を開くことを計画しています。なぜなら中国に多くのポテンシャルが見られますし、私たちは常に成長に向けて取り組んでいるからです。 このビジネスに対する私たちの情熱がすぐに弱まることはないでしょう。
変化する消費者動向はビジネスにどのような影響を与えますか?
私たちの顧客は確実に洗練されてきています。それは彼らの要求に関しても同様です。 さらに上を求める彼らは、本物の価値を持つブランド商品を求めています。 そのため、新しい店舗と並行して、このダイナミックな市場を獲得するためにブランドのポートフォリオを最適化しています。
具体的な成長計画を教えてくれますか?
一連の革新的なマーケティングキャンペーンを起ち上げ、私たち特有のコレクションを発表する予定です。このコレクションは、品質や職人技を重視する洗練された消費者のためにデザインされています。
Emperor Jewellery(エンペラー・ジュエリー)ブランドを展開するに当たり、どのような新市場を模索していますか?
東南アジアが高級品市場における一つの成長力であると考えています。収入源として大きな可能性を秘めています。 私たちは、グローバルブランドとしての地位をさらに確立するという目標を持っており、常に楽観的に現状より上を目指しています。
筆者について
Amanda J. LukeはGIAのコミュニケーションのシニアマネージャーです。 彼女は現在GIA Insider(GIAインサイダー)誌とAlum Connect(アルムコネクト)の記者であり、またThe Loupe(ルーペ)誌で編集者を務めていた事もあります。