GIAフィールドジェモロジストのザンビアのエメラルド鉱山に関する考察
カフブ地域は世界最大のエメラルド鉱山の産地です。
カリフォルニア州カールスバッド - 2014年10月20日 - GIA (Gemological Institute of America)フィールド研究者のチームは2014年9月、機関の宝石鑑別データベースのエメラルドのサンプルを収集することおよび、世界最大のエメラルド鉱山であるカゲムの現状を記録するためにザンビアのカフブ採鉱地域を訪れました。 上場企業である採鉱会社のGemfields(ジェムフィールズ)が6年前に露天採掘事業を買収してから、鉱石採掘量は月次3,000〜8,000トンに増加、鉱石取扱量は月次で125,000~750,000トンに増加しています。フィールドジェモロジストのVincent PardieuとAndrew Lucas、Gems & Gemology(宝石と宝石学)(G&G)の技術エディターTao Hsu、ビデオ・カメラマンDidier Gruelや遠征ゲストのStanislas DetroyatでGIAチームが組まれました。 私は世界中で非常に多くのカラーストーンの採掘現場を訪れましたが、このような大規模で、近代化、組織化された現場を目の当たりにすると、これが業界で次に起こる変化かもしれないと感じた、とLucasは述べました。
露天掘りの前に立つと、まるで地質学の教科書を見ているようです、とDetroyatは付け加えます。 プロの採掘手法と地質学知識を組み合わせることで、Gemfields(ジェムフィールズ)はカゲムで収益性の高い採掘事業を行っています。 2009年7月には、初めての高品質エメラルド原石を販売するオークションで440万ドル(4億4000万円)、および2014年2月には、5931万ドル(59億3100万円)を達成しました。
エメラルド原石のグレーディングシステムの標準化、オークション基盤の構築に加えて、環境に配慮した実践とコミュニティへの貢献プログラムに取組み、鉱山から市場への宝石事業に革命をもたらしました。 ペグマタイトとタルクマグネタイト片岩のマッピング、資源埋蔵量の試算、採掘ソフトの技術向上で鉱山の産出量を改善しつつ、採掘した鉱石を露天掘りに戻すことによる環境への負担に配慮した鉱山事業を行っています。
Pardieu、Detroyat、Gruelはカゲム訪問に続いて、比較サンプルを収集するためにザンビアのエメラルド鉱山を訪問しました。 G&Gの2014年夏号で紹介されたSolwesi(ソルウェシ)州、Musakashi(ムサカシ)の小さな採掘現場では、チームはコロンビアのエメラルドをほうふつさせる色と興味深い内部特徴を持つエメラルド鉱床の存在を確認しました。一方、カフブ地方のMiku、Dabuisha、Matenke、Benisa鉱山は現在中国企業によって運営されています。
アフリカ最古の宝石産地のカフブ・エメラルド鉱区を訪問し研究することは大変魅力的でした。またそこで現地の作業者が直面する課題も目撃しました。 エメラルドは他の宝石に比べ主に初生鉱床から採掘され、技術的にはるかに困難な作業です、とPardieuは語りました。
宝石やジュエリーに対する公共の信頼を確保するという使命に沿って、GIAでは、定期的に世界中の重要な宝石・ジュエリー拠点への研究調査旅行を行い、その研究結果を研究実践と教育プログラムに組み込み、また業界人や公共の人々にその結果を伝える取り組みを行っています。 GIAは、これらの訪問の際に提供されたアクセスおよび情報を高く評価しますが、商業的な是認として解釈および使用されるべきではありません。 このザンビアへの遠征から得られた研究結果は今後G&Gの最新号および、www.gia.edu のフィールドレポートとドキュメンタリービデオで紹介されます。