記者発表

「現代宝石学の父」の生誕100周年記念


Richard T. Liddicoat, the man who changed the gem and jewelry industry forever, is pictured to the left sitting with a DiamondScope and to the right with liddicoatite - a species of tourmaline named after him in 1977.
「現代宝石学の父」、Richard T. Liddicoat。1946年、DiamondScopeで観察するLiddicoat(左)。写真提供:Leonard Charles & Associates Inc.(Leonard Charles & アソシエイツ株式会社)。リディコータイト(高さ10mm)のスライスとともに(右)。トルマリンの一種であるリディコータイトとは、宝石学における彼の指導力に敬意を表して1977年に彼にちなんで命名された。写真:© GIA および Harold & Erica Van Pelt

Richard T. Liddicoatの遺産、GIAの使命を通じて生き続ける

カリフォルニア州カールスバッド –2018年2月27日 – 宝石を評価・研究・理解する方法を永遠に変えた、Richard T. Liddicoatの人生と遺産がいかに重要であるかを宝石学を愛する方ならどなたでもおわかりいただけるでしょう。2018年3月2日は「現代宝石学の父」の生誕100周年の記念日であるため、10月7~8日にカリフォルニア州カールスバッドの世界本部で行われる2018年GIA International Gemological Symposium(GIA 国際宝石学シンポジウム)でGIA(Gemological Institute of America) はLiddicoatの功績を称えます。
 
Liddicoatは、University of Michigan(ミシガン大学)より地質学の学士号および鉱物学の修士号を取得して卒業した後、1940年にGIAに入社しました。彼は、GIAの同僚とともにダイヤモンドの品質を評価するための普遍的基準、すなわちダイヤモンドの品質を定める4Cとインターナショナル ダイヤモンド グレーディング システムTMを確立しました。このため、消費者が情報に基づいて選択をし、保護されるという道が開かれ、現在に至るまで宝石および宝飾品における公衆の信頼を確保しています。
 
「Richard T. Liddicoat(RTL)は、GIAの社長としてだけでなく、良き師、先見の明、友人そして素晴らしいジェモロジストとして学生、同僚、クライアント、公共の皆様など多くの方々と交流していました」と、GIAの社長兼最高責任者(CEO)のSusan Jacquesは語ります。「GIAでは全員が、Liddicoatの遺産と彼が実証した使命を継続するために毎日努力しています。
 
Liddicoatは、『Handbook of Gem Identification(宝石鑑別ハンドブック)』『The GIA Jeweler’s Manual(宝石商の手引書)』『Diamond Dictionary(ダイヤモンド辞書)』などの書籍や業界誌の記事にGIAの数多くの研究と基準を文書として残しました。彼は教育に対して非常に熱心であったため、GIAの教育プログラムを拡大することにつながり、日本でも宝石学クラスが提供されるようになりました。その後、1952年にGIAの執行役員社長となり、50年間にわたってGIAの季刊誌『Gems & Gemology(宝石と宝石学)』の編集長を務めていました。
 
「最も重要なのは、Liddicoat氏は自分が持っていた幅広い知識を共有したくて、GIAのすべての人に時間を割いてくれていたということです。彼は、控えめだったので誰でも気軽に声をかけられました」と、GIAの執行副社長兼主任ラボ及び研究責任者であるTom Mosesは語ります。「業界やビジネスについて彼が持っていた多方面にわたる知識はあまり知られていません。」
 
宝石・宝飾業界に60年以上貢献してきたLiddicoatの功績に対して数多くの賞が与えられ、さまざまな形で称えられました。American Gem Society (米国宝石学会)、Gemmological Association of Great Britain(英国宝石学協会)やAmerican Gem Trade Association(アメリカ宝石取引協会)などの団体から多数の功労賞を受賞し、名誉会員も授けられました。Pete J. Dunn博士と National Museum of Natural History(国立自然史博物館)の同僚は、カルシウム豊富なリチウムトルマリンであるリディコータイトを1977年に一つの個別の鉱物として識別し、宝石学の知識と教育に対して Liddicoatが非常に貢献したことを称えるためにこの鉱物を彼の名にちなんで命名しました。また、GIAの本部にあるRichard T. Liddicoat宝石図書館情報センターは、1989年に彼の名誉に因んで命名されました。
 
彼がもたらした多大な貢献に関する詳細は、https://www.gia.edu/gia-news-research-gia-innovators-liddicoatをご覧ください。
 
GIAの2018年国際宝石学シンポジウムでは、宝石・宝飾業界のあらゆる分野の科学者やビジネスで活躍されている方々が、専門家の講演会やパネルディスカッションに参加したり、人脈を広げる機会を活用していただけます。
 


GIAについて

1931年設立の独立非営利組織であるGIA(Gemological Institute of America)は、宝石学における世界有数の権威として認められています。1950年代初頭、GIAはカラー、クラリティ、カット、カラット重量で有名な 4C を考案しました。さらに1953年にはインターナショナルダイヤモンドグレーディングシステム™を開発し、これは現在世界中のほぼすべての宝石専門家や宝石商により認識されています。
 
研究、教育、宝石学ラボサービス、機器の開発を通じてGIAは、最高基準の誠実性、学術、科学およびプロフェッショナリズムを維持しながら、宝石・宝飾品に対する公共の信頼を確保することに専念しています。詳細については、GIA.edu をご覧ください。