真珠探検隊が重要な結果を獲得

GIA、パスパレーの真珠会社の支援を受けて、これまでにない白蝶貝サンプルを収集
バンコク - 2013年10月30日 - タイのGIA(米国宝石学会)の研究者が最近、パスパレーの真珠会社の支援を受けて、オーストラリアの野生のオイスター床へ遠征しました。これは天然真珠と特定の真珠層塩水非ビーズ養殖真珠を見分ける点において、これまでにない高度な研究機会となりました。 GIAの真珠研究グループとその他真珠取引関係者は、時として困難なこの差別化について、何十年もの間注目してきました。過去数年にわたって行われてきたラボにおける多くの分析に加えて、GIAとパスパレーの真珠会社による相互研究チームは、現在および将来の研究のために最も重要な基準となる、様々な種類の天然や養殖真珠についての信頼できるサンプル基本を確立してきました。 養殖真珠の決定的なサンプル基本を入手するのは簡単ですが、天然真珠は稀少なため実質的な基本となるサンプルを収集するのは困難です。
オーストラリアの野生のオイスター床では、1800年代半ばから継続的に白蝶貝が採取されています。白蝶貝は世界最大の真珠貝で、世界で見られる大きな塩水天然真珠の多くを産出しています。 オーストラリアの海は、世界でも最後の商業活動を行っている天然白蝶貝オイスターの本拠地であり、GIAはパスパレーの協力の下に、同国で研究を行いたいと願っていました。 東南アジアGIAマネジングディレクターのKenneth Scarratt(ケネス・ スカラット)によると、GIAが行った最近の険しい北西海岸沖の遠征は、GIAにとって、その真珠鑑別チームが将来において完璧なテスト基準を確立することが可能な優れたデータを産出している、天然真珠や養殖真珠の多くを獲得できるという結果に至りました。
「塩水非ビーズ養殖真珠と天然真珠の区別に関わる課題を解決することは、長い間GIA研究グループの焦点となっていました」と、スカラット氏は語ります。 「これらの課題に対応し、その結果をGIAの信念として公益に還元できるという点で、このような研究は非常にやりがいのある重要なものです」
真珠母貝産業での使用に向けて大型の白蝶貝の収集に注目したパスパレーの天然貝の収集プログラムと同時に起こった近年の遠征活動は、これまで、機関にとって最も驚くべき結果をもたらしました。
9月後半と10月初頭には、GIAの真珠の研究者Artitaya Homkrajae(アーティタヤ・ ホムクラジャエ)とAreeya Manustrong(アリーヤ ・マヌストロング)は、パスパレーの潜水船 MV Marilynne (マリリン) 内で10日間を過ごし、その間に、20,488個の大きな野生のオイスターから、776粒の天然真珠を発見し、採取しました。 これらの真珠の大半は、小さな「種」真珠で、最も小さいものは直径1ミリメートル未満、最大なものでは稀少な直径16ミリメートルの粒がありました。 この遠征以前には、宝石学ラボにとって、原産地のはっきりとした、まだドリルでまだ開けられていない多量な天然白蝶貝の真珠を調査する機会はほとんどありません。それまでは、貝の内部構造を調べたり「推測の」原産地に基づいてでしか、貝の産地を判断できませんでした。 このサンプルはGIAにとって、天然の構造について認識している点と、天然である事がわかっていてまだドリルで開けられていない真珠とを比較できるといった、ユニークでこれまでにない機会をもたらします。
「重要でよく知られた原産地からの標本を収集できるユニークな機会でした」とGIAの真珠研究者Artitaya Homkrajae(アーティタヤ・ ホムクラジャエ)は述べています。 これに加えて「サンプルについて明白な由来を確立することは、より深い研究サポートとなります」と、Areeya Manustrong(アリーヤ・ マヌストロング)は述べました。
これら776粒の天然真珠は、現在、貝殻と一緒にバンコクのGIAラボに保管されています。 今後数ヶ月の間、社内の高解像度リアルタイムマイクロラジオグラフィー、マイクロCTイメージング、ならびに詳述の化学分析やその他試験方法のアプリケーションを駆使し、広範囲にわたる研究が行われます。
GIAの公益への使命の一貫として、完全かつ詳細なレポートとして用意され、真珠についての通常の実験室における検査で収集された様々なデータの解釈について明らかにし、より明確な基準の確立に貢献するものが、今後数ヶ月の間に発表される予定です。