記者発表

有名な宝石学者John Koivulaに因んで命名された新しい鉱物


The new mineral johnkoivulaite is named after renowned gemologist John Koivula, best known for his contributions to inclusion research and photomicrography. Photo by Kevin Schumacher/GIA.
新しい鉱物「johnkoivulaite(ジョンコイヴライト)」は、有名な宝石鑑別士 John Koivulaに因んで命名された。Koivulaはインクルージョンの研究と顕微鏡写真法へ多大な貢献をしたことで有名である。写真撮影:Kevin Schumacher/GIA

ミャンマーで発見されたjohnkoivulaite(ジョンコイヴライト)は、ベリル族の一種です

カリフォルニア州カールスバッド – 2019年9月17日 – GIAの研究員は、新しい鉱物種を最近確認し、GIAの研究員であるJohn Koivulaに敬意を表してこの鉱物をjohnkoivulaite(ジョンコイヴライト)と命名しました。International Mineralogical Association (国際鉱物学連合)により新しい鉱物種として認定された1.16カラットのこの結晶は、ミャンマーのMogok(モゴック)渓谷で地元の宝石鑑別士Nay Myoによって発見されました。GIAの上級研究科学者Aaron Palkeは、9月25日にアリゾナ州フェニックスで開催されるGeological Society of America(米国地質学会、GSA)の総会で、新たに命名されたこの鉱物を発表します。
 
著名な宝石鑑別士と顕微鏡写真法のイノベーターとして科学と宝石・宝飾業界に多大な貢献をしてきたJohn Koivulaに因んで、この鉱物を命名することができて非常に光栄に思います。このような発見は、GIAの使命に基づいた研究がいかに重要であるかということ、そしてJohnが科学の分野で研究に40年以上も貢献してきた数多くの重要な功績を思い出させます、とGIA取締役副社長兼ラボ研究主任責任者であるTom Mosesは語りました。
 
johnkoivulaite(ジョンコイヴライト)は、ベリルやペツォッタイトなどのベリル群の他の鉱物と非常によく似た六角形の結晶構造を持つ鉱物です。標準的な宝石鑑別の検査では、RIは1.608と計測され、複屈折量は小さすぎたため正確に測定できませんでした。SGは3.01、硬度は7 1/2であり、貝殻状断口およびガラス状の光沢を示し、長波または短波のUVのいずれにも反応を示しませんでした。この鉱物は、偏光で観察すると、深いバイオレットからほぼ無色となる強い多色性を示すため、非常にユニークです。
 
現在、この新しい鉱物の標本は、カリフォルニア州カールスバッドのGIA本部でGIAの博物館のコレクションに所蔵されています。
 
Koivulaは、研究および顕微鏡写真法において40年以上も業界で活躍してきた経験を持っています。1986年、Koivulaは、多大な好評を得ている『Photoatlas of Inclusions in Gemstones(宝石の中にあるインクルージョンのフォトアトラス)』およびその続きの2巻をEdward J. Gübelinと共同執筆しました。また、『The Microworld of Diamonds(ダイヤモンドのミクロの世界)』を執筆し、『Geologica』をRobert Coenraadsと共同執筆しました。彼が業界にもたらした多くの貢献は、高い評価を得ています。AGSのRobert M. Shipley賞、AGAのAntonio C. Bonanno宝石学最優秀賞、GIAのRichard T. Liddicoat功労賞を受賞しました。また、1984年にNikon(ニコン)のスモールワールド顕微鏡写真コンテストで1位を獲得し、JCK誌による20世紀の宝飾業界で最も影響力のある64人の1名に選ばれました。

Johnkoivulaite shows strong pleochroism, going violet (left) to near-colorless (right) when examined with polarized light. Field of View:10.05mm. Photomicrographs by Nathan Renfro/GIA.
Johnkoivulaite shows strong pleochroism, going violet (left) to near-colorless (right) when examined with polarized light. Field of View:10.05mm. Photomicrographs by Nathan Renfro/GIA.

GIAについて

1931年設立の独立非営利組織であるGIA(Gemological Institute of America)は、宝石学における世界有数の権威として認められています。GIAはカラー、クラリティ、カット、カラット重量からなる有名な 4C を考案し、さらに1953年にはダイヤモンドの品質の基準として世界中で認知されているインターナショナル ダイヤモンド グレーディング システム™を開発しました。
 
研究、教育、宝石学ラボ サービスおよび機器の開発を通じて、当機関は、最高基準の完全性、学術活動、科学知識、プロフェッショナリズムを維持することにより宝石・宝飾品に対する公共の信頼を確保することに専念しています。