記者発表

GIAとIBM基礎研究所、ダイヤモンドのグレーディングに変革をもたらすために共同事業に取り組む


GIAが開発したハードウェアを使用して撮影された左の画像は、IBM Research(IBM基礎研究所)の人工知能(AI)ソフトウェアがインクルージョンと反射を認識できるようにトレーニングする。右の画像では、そのAIシステムがクラリティの特徴を正しく識別し、AIシステムがクラリティ グレードを判定することを可能にする。©GIA
GIAが開発したハードウェアを使用して撮影された左の画像は、IBM Research(IBM基礎研究所)の人工知能(AI)ソフトウェアがインクルージョンと反射を認識できるようにトレーニングする。右の画像では、そのAIシステムがクラリティの特徴を正しく識別し、AIシステムがクラリティ グレードを判定することを可能にする。©GIA

カリフォルニア州カールスバッド 2020年7月27日 - ダイヤモンドの鑑別およびグレーディングにおける独立した世界有数の機関であるGIAと、世界最大かつ最も影響力のある民間企業の研究機関であるIBM Research(IBM基礎研究所)は、ダイヤモンドのクラリティ グレーディングに革命をもたらすように設計された高度な人工知能(AI)システムを開発するために共同事業に取り組んでいます。
 
GIAのAIクラリティ システムは、GIAの全世界で認められているインターナショナル ダイヤモンド グレーディング システム™を基準として構築されます。このAIは、世界各地にある最先端のGIAグレーディング ラボで経験豊富なGIAのダイヤモンド グレーダーによって検査された数千万個のダイヤモンドのデータを使用しています。
 
「GIAは、AIを活用して、ダイヤモンドのグレーディング基準をさらに高いものにするユニークな立場にあります」と、GIA取締役副社長兼ラボ・研究主任責任者のTom Mosesは述べます。「IBMのAIテクノロジーとGIAの専門知識、広範なデータおよび宝石学における研究能力を組み合わせることで、他の組織では考えられないような、一貫性、正確さ、スピードにおける進歩を実現することができます。」
 
ニューヨークとカールスバッドのGIAラボで限定的に現在使用されてる独自のシステムにより、GIAの独立したダイヤモンド グレーディング レポートの範囲が劇的に拡大します。最初は最も人気のあるダイヤモンド サイズを中心に取り扱いますが、より多くのダイヤモンドのサイズ、形状、品質に正確で効率的なダイヤモンド グレーディングを与えられるよう、GIAはAIシステムを拡張する予定です。
 
「GIAのグレーディング方法にAIを追加することは、消費者を保護するというGIAの使命を新しい手法で反映しています」と、GIAのデジタル トランスフォーメーションの取り組みを率いるGIAシニア バイスプレジデント兼最高執行責任者のPritesh Patelは説明します。「GIAは、IBMと協力して、この革新的なアプローチを宝石・宝飾業界に最初にもたらすことができることを誇りに思っています。特に、今後急速に起きる変化に適応する準備を進める中で、この共同事業は重要です。これはほんの始まりにしか過ぎません。」
 
「IBM基礎研究所によるダイヤモンド業界向けのAI技術のこの最新アプリケーションは、宝石学におけるGIAの豊富な知識とデータをAIイノベーションにおけるIBMのリーダーシップと組み合わせたものです」と、IBM基礎研究所のエンタープライズ ソリューションズ部門のIBMフェロー、Donna Dillenbergerは語ります。「このシステムは、ダイヤモンドのクラリティに関する特徴の全体的な影響をかつてないほど正確かつ一貫して評価する能力を持っています。」
 
宝石学的評価とAIを組み合わせた将来のプロジェクトに向けて、GIAとIBMの共同事業を拡大する計画が進んでいます。


GIAについて

1931年設立の独立非営利組織であるGIA(Gemological Institute of America)は、宝石学における世界有数の権威として認められています。GIAはカラー、クラリティ、カット、カラット ウェイトからなる有名な4Cを考案し、さらに1953年にはダイヤモンドの品質の基準として世界中で認知されているインターナショナル ダイヤモンド グレーディング システム™を開発しました。
 
研究、教育、宝石学ラボ サービスおよび機器の開発を通じて、当機関は、最高基準の誠実性、学術活動、科学知識、プロフェッショナリズムを維持することにより宝石・宝飾品に対する公共の信頼を確保することに専念しています。