GIA、採掘職人のために無料の宝石ガイドを開発

GIAはパイロットスタディのため、タンザニアのNGOのPactおよび女性の鉱山労働者と連携

カリフォルニア州カールスバッド - 2017年4月4日 - GIA（Gemological Institute of America）は、非営利の国際的な事業開発機関であるPactと協力して、宝石の原石に関する新しいガイドをテストするためのパイロットスタディを開始しました。 このガイドは、宝石が産出される地域の採掘職人に基本的な宝石学と市場に関する知識を提供するために特別に開発されました。 英語とタンザニアスワヒリ語で出版されたイラスト付きのこの小冊子は、タンザニアのタンガ地区で約45人の女性の鉱山労働者に配布されました。

「このプロジェクトは、GIAの使命の核心です」とGIA社長兼CEOのSusan Jacquesは述べました。 「私たちは、実用的な宝石の教育を可能な限りサプライチェーンの上流まで提供していて、自分たちが市場にもたらす美しい宝石についてより深く理解することで多大な恩恵を受ける人々なども対象としています。」

小冊子『Selecting Gem Rough: A Guide for Artisanal Miners（宝石の原石の選択：採掘職人のためのガイド）』の内容と形式は、農村地域で宝石の購入において豊富な経験を持つカラー宝石の専門家と協議しながら、GIAの宝石学、市場、教育、デザインの各分野のスタッフのチームによって開発されました。 もともとGIAの名誉研究員であるJames Shigley博士によって考案されたこのプロジェクトは、宝石やジュエリー業界のサプライチェーン全体を通して宝石に関する情報や関連する技能を一般消費者と共有するというGIAの使命を果たす取り組みの一環です。

このパイロットスタディにかかる全費用のおよそ$120,000（1300万円）は、GIAの寄付基金から支払われました。 GIAは無償で小冊子と研修を提供しました。GIAは今年後半に東アフリカにあるその他の小規模の鉱山労働者への研修を展開するため、小冊子は引き続き無料のまま配布されます。

GIAとPactのチームの合計7人は、2017年1月にタンザニアのタンガ地区を訪れ、Tanzanian Association of Women Miners（TAWOMA：タンザニア女性鉱員協会）の約45人の女性の鉱山労働者のためにこの小冊子を使って研修を実施しました。 「この小冊子は、タンザニアスワヒリ語での説明入りで視覚的に非常に優れているため、鉱山労働者はすぐに実用的に応用できると認識し、この使いやすい情報が役に立つと納得してくれました」と、小冊子の開発およびテストを支援した、GIAの写真撮影およびビジュアルコミュニケーション担当マネージャーのRobert Weldonは述べました。 「宝石に関するGIAの豊富な知識が採掘職人の日常生活にいかに直接影響を与えるかを確認できて非常に満足しています。」

ワシントンD.C.に拠点を置く国際的な事業開発の非営利団体のPactは、15年以上にわたってアフリカ全域で様々な採掘職人や小規模の鉱山地域社会と協力してきました。 「採掘職人とサプライチェーンの下流にあたる関係者の間には知識に関する格差がよくあります」と、PactのMines to Markets（鉱山から市場へ）プログラムでテクニカルプログラムマネージャーを務めるCristina Villegasは述べます。 「この新しいGIAのリソースは、農村地域の鉱山労働者が自分たちが産出した宝石の品質と価値について理解をさらに深めるのに役立ち、結果として知識格差が縮小され、経済発展の機会を向上させるでしょう。」

タンガ地区は、産出される宝石が種類豊富であり、TAWOMAのリーダーシップが関心を示したためパイロットスタディに選ばれました。

東アフリカで採鉱されたほぼすべての宝石種は、耐久性と防水性に優れているこの小冊子に記載されており、原石と研磨済みの宝石のイラストも含まれています。 また、付録の半透明のトレイを用いて様々な照明の条件下で原石を準備して検査する方法について図表付きで説明されています。