ダイヤモンドの研究、大陸の形成に関する手がかりを与える

GIAの科学者、Karen Smit博士は、Science(サイエンス)誌に掲載された記事の筆頭著者です
カリフォルニア州、カールスバッド – 2019年4月25日 –ダイヤモンドは、その美しさと稀少性のために長い間珍重されており、地球における初期の歴史について手がかりを引き続き提供しています。最古の大陸がどのように形成されたかについて理解を深めるために、研究員は地球の形成中にダイヤモンドに閉じ込められた極小の鉱物の残留物を検査しました。本日Science(サイエンス)誌に掲載された、GIA研究科学者のKaren Smit、Carnegie Institution for Science(カーネギー研究所)地磁気部のSteven B. Shireyと故Erik H. Hauri、University of Alberta(アルバータ大学)の研究科学者のRichard A. Stern著の記事『ダイヤモンドの硫黄同位体、大陸の形成における違いを解明』では、その研究結果が発表されました。
「ダイヤモンドは宝飾品としてだけでなく、地球科学においても、最も価値のある宝石の1つです」と、GIAで研究科学者を務めており、最近出版されたサイエンス誌の記事の筆頭著者であるKaren Smit博士は述べました。「ダイヤモンドに含まれている鉱物インクルージョンのおかげで、地球の中の手が届かないほど深い場所について研究することができます。今日の科学ではこれほど深い場所には到達できませんから。」
研究員は、シエラレオネとリベリアの国境近くに位置し、イエローダイヤモンドの産地として知られているZimmi(ジミ)鉱区から産出されたダイヤモンドを検査しました。ジミ産ダイヤモンドには稀少な窒素不純物が含まれているため、タイプIbダイヤモンドとして分類されます。タイプIbダイヤモンドは非常に稀少であり、世界各地で採鉱される天然ダイヤモンドの0.1%にも満たないと報告されています。ジミ鉱区から産出された非常に薄い板状のダイヤモンドをレーザーでカットおよび研磨することにより、研究者は硫化物インクルージョンを分離および研究し、ダイヤモンドと大陸の最も深く最古の場所が形成された時の手がかりを提供する化学同位体を抽出することができました。
「このような見解は、ダイヤモンドがユニークな特性を持っているが故に可能となります。研究に対するGIAの多大な投資、稀少なダイヤモンドを入手できる特権、カーネギー研究所とアルバータ大学による素晴らしいご協力により、この重大な発見をすることができました。」と、GIAで研究開発ディレクター副社長を務めるWuyi Wang博士は述べました。
サイエンス誌に掲載された記事『ダイヤモンドの研究、大陸の形成に関する手がかりを与える』の要約をお読みください。
GIAは、消費者を保護し、宝石や宝飾品への信頼を確保するという使命の一環として、ダイヤモンド、カラー宝石、真珠に関して60年以上も研究を続けています。60名以上の常勤の研究員(そのうち22名以上が博士号取得)が常日頃研究に従事しており、GIAの季刊専門誌Gems & Gemology(宝石と宝石学、G&G)そしてG&Gの全記事を無料でご覧いただけるGIAのウェブサイトGIA.edu、GIAの研究員が研究結果を発表する多くの科学誌や会議などで、世界各地の皆様に成果を報告しています。この研究は、業界をリードするGIAによる宝石学の教育および宝石学のラボにおける鑑別やグレーディングサービスをサポートしています。