ブラジルフィールド遠征でGIA研究員が重要な宝石鉱山へ
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GIAチームによる、パライバトルマリン第一発見者Heitor Barbosaへのインタビュー
カリフォルニア州カールスバッド - 2014年7月7日 - 3月31日から4月17日にかけ、GIA (Gemological Institute of America)のフィールド研究員のチームが、ブラジルで最も重要とされる宝石鉱区へ向かい、カラーストーン鉱山(特にエメラルドとトルマリン)に関する情報を集め、現況を記録しました。 研究員らは、ミナスジェライス、リオグランデ・ド・ノルテ、パライバを訪問し、Heitor Dimas Barbosaにインタビューする貴重な機会を得ました。BarbosaはBatalhaの初代の鉱山トンネルで、あの有名な宝石、パライバトルマリンを見つけた最初の発見者です。このGIAのチームは、フィールド宝石鑑別士のAndrew Lucas、West Coast Identification(西海岸区鑑別)ディレクターのShane McClure、ビデオプロデューサーのPedro Padua、Gems & Gemology(宝石と宝石学)編集長のDuncan Pay から構成され、18日間をかけ様々な鉱山へ出かけ、インタビュー、写真撮影、ビデオ映像を行い、重要な情報を得ました。 この遠征には、他に、地質学者及びNature’s Geometry(ネイチャーズ・ジオメトリー)の共同オーナーであるBrian Cook、ブラジルの宝石カッティング・マーケティング会社であるStone World(ストーン・ワールド)社長を務めるSergio Martinsが参加しました。
この調査で、ミナスジェライス州にあるBelmont(ベルモント)鉱山では、地下鉱山の開発を続け、最新鋭の原石処理・選別施設を設置しつつも、新しい露天掘り式へと移行していることが分かりました。また、自社製造量を約60%削減し、高品質の石に焦点化していく動きにあることも分かりました。 Nova Era のMonte Belo(モンテベロ)鉱山のような鉱山では、鉱床から高品質のエメラルドが産出されています。
クルゼイロトルマリン鉱山では巨大なペグマタイトから豊富な量が産出され、産出されたすべてのルベライトトルマリンが、中国の深圳に送られカッティングと販売プロセスが行われます。 「Cruzeiro(クルゼイロ)鉱山の巨大なペグマタイトからトルマリンが産出されるのを目にしましたが、あれほど多量で品質の良い素材が産出される鉱山はかつて見たことがありません。」Lucasは言います。
また、「パライバトルマリンの値は信じられないほど上昇しており、同鉱山ではより多くの石を見つけようという情熱が伝染しているようでした。」ともLucasは言います。 パライバ州とリオグランデ・ド・ノルテ州では、非常に価値の高いパライバトルマリンの採掘と試掘事業が引き続き堅調です。
「私は20年ブラジルに行きたいと熱望していましたが、この遠征旅行は私の期待値をはるかに超えました。」とMcClureは言います。 「私にとって、旅のハイライトの一つは、パライバトルマリンの元々の発見者であるHeitor Barbosaへのインタビューでした。 彼は、鉱山の地下深くには、素晴らしいパライバトルマリンの宝石がまだ多く眠っていると信じています。」とPayが付け加えました。
宝石やジュエリーにおける公共の信頼を確保するという使命に沿って、GIAでは、定期的に世界中の重要な宝石・ジュエリー拠点への研究フィールドトリップを行い、その研究結果を研究実践と教育プログラムに組み込み、また一連の手段で業界人や公共の人々にその結果を伝える取り組みを行っています。 このブラジルへの遠征から得られた研究結果は今後、Gems & Gemology(G&G - 宝石と宝石学)の記事および、www.gia.edu のフィールドレポートとドキュメンタリービデオで紹介されます。