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タイガーズ アイ クォーツ


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西オーストラリア州のマラマンバ地方の鉄鉱層から産出された、クォーツの変種タイガーズ アイの大きい研磨済みスラブ(平板)の拡大写真。寸法は、長さ3m(10フィート)、幅50cm(20インチ)、厚さ5cm(2インチ)以上にも及ぶ。写真: Emily Lane/GIA

西オーストラリア州のピルバラ地方から産出されるマルチカラーの岩石は、約25億年前に古代の海に蓄積した鉄分の豊富な堆積物から形成され、非常に古いものです。何百万年も経過した後、この堆積物は結晶化してヘマタイト、マグネタイト、ジャスパーの層を形成し、この写真で見られるようにレッド-オレンジ、シルバー、グリーンのバンドとして現れます。

ある時点で、地殻変動により岩石が湾曲した結果、亀裂が生じ、繊維状の鉱物であるクロシドライトがその亀裂を充填しました。この繊維質は結晶化するにつれて、クォーツに封入されていきました。また、酸化鉄もそのクォーツに閉じ込められ、ゴールドの色を放つこととなりました。

絹に見られるシーン(輝き)のように、ゴールドの色をしたクォーツの繊維で反射する光は、タイガーズ アイとして知られているシャトヤンシー(猫目効果)を生み出します。通常、この装飾的な宝石素材は研磨をしてビーズや大きなカボションにします。

見事に素晴らしい外観を呈するものの壊れやすいこの作品を展示することは、非常に困難でした。180kg(400ポンド)と非常に重い石であるにもかかわらず、厚さがわずか5cm(2インチ)であるため、わずかに曲がっただけで破損する可能性があります。下部の端を載せるために特別に設計された特殊の金属製ブラケットを、補強された壁に取り付けました。力持ちのスタッフ達でこの巨大な石を慎重に持ち上げて、所定の位置に置いた後、この石が動かないように上部にブラケットを取り付けました。ビデオでこの過程をご確認いただけます。