GIAにおける真珠の鑑別および分類方法
ダイヤモンドグレーディングにおける世界でも第一人者としての認識が最も高いGIAは, 1949年以来, 自然真珠や養殖真珠の鑑別と分類においても業界のリーダーであります。
GIAはFTC (Federal Trade Commision、米国連邦取引委員会) における宝飾品業界上の真珠ガイドラインの改訂に、真珠を表現するための総合的な基準を開発するために、世界の主要な真珠企業と協力する事に貢献して来ました。 GIAの 7 Pearl Value Factors™ (真珠の価値要因7項目)の、サイズ、形状、カラー、光沢、表面特徴、真珠層の厚さ、調和、がこれらの基準にあたります。
検査、手入れ、および取り扱い手順
GIAでは、カラーストーンやダイヤモンドの場合と同じく、すべての鑑別する真珠に対しIDと追跡手順を適用しています。 鑑別品にはそれぞれ、鑑定プロセス全体を通じてこれを追跡するために使用される、独自の内部ID番号を割り当てたバーコードラベルが付けられます。 そして各段階における特殊な検査、手入れ、取り扱い手順により、細心の注意を払った管理が確保されています。
重量と寸法
真珠サービスに提出された品はどれも、まずこのプロセスを通ります。 真珠は手で数えた後、電子天秤により、グラム単位(マウントまたはストリング付き)カラット(ルース)、またはカラットとグレイン(ルースの天然)で、重量を測ります。 真珠は、特別なデジタル式キャリパーを用いて測定します。
鑑別と分類
鑑別品は次に、サービスの知識と経験豊かな宝石鑑定士に渡されるため、鑑別在庫管理部門に転送されます。 鑑別品が、最初の宝石鑑定士によって受け取られると、その重量の記録と寸法測定値が検証されます。 宝石鑑別士は、標準的な宝石学テストや、リアルタイムのX線撮影、UV-Vis 反射分光法と蛍光X線などの高度な検査装置を用いて、真珠の種類、母貝、検出可能な処理を鑑別します。 リアルタイムのマイクロラジオグラフィー装置は、真珠層が薄く表示された場合、またはクライアントによる要求により、ビード養殖真珠の真珠層の厚さの測定に使用します。 詳細な分析を必要とするルースパールは、マイクロ断層撮影(μCT)を用いて分析することができます。
宝石鑑定士は、総合的なパールマスターのセットを使用して、視界や照明管理の整った環境下で色の決定やその他の要因を分類評価します。 真珠マスターセットには、色の評価のための色相環と様々なカラーグリッドと、光沢、表面、調和を分類するための基準となるタイプ固有のマスターセットが含まれています。
その後、鑑別品は、必要なすべての観察と検査を独立して行う第2宝石鑑定士に渡されます。 鑑別品のIDや性質に応じて、さらなる宝石鑑定士や専門研究者によって調べられる場合あります。
レポート作成と鑑別品の返却
すべての結果が確定され、サービスが完了した後にレポートが作成されます。 GIAレポートは全て、クライアントに送信される前に品質確認のために、検査および校正を行います。
最後に、鑑別品を元の容器に入れてレポートを添え、最終的な検査とテストを経て、提出された同一アイテムがクライアントの元へと返されることを確認します。
鑑別品は、クライアントサービス部門を通じて直接、または輸送サービス部門を通じて宅配便により返却されます。 項目ごとに記録されたすべての情報は、今後の参考のためGIAラボの永久保存データベースに、維持保存されます。