誕生石

10月の誕生石

10月誕生石、オパール、トルマリン Shadow

10月生まれの方は、誕生日を祝福するのに2つの素晴らしい誕生石、オパールとトルマリンをお楽しみいただけます。10月の誕生石は、両方とも無限の色の組み合わせを持ち、美しい色を生み出すことを特徴とします。これら2つの10月の誕生石について詳しく学び、10月生まれの方のために完璧な贈り物を発見しましょう。

誕生石「オパール」

    

誕生石「オパール」の意味 & 歴史

伝統的な10月の誕生石、オパールの名称は、インド(西洋の世界に初めてもたらされたオパールの原産地)に由来すると信じられており、インドでは「貴重な石」という意味を持つサンスクリット語のupalaと呼ばれています。古代ローマでは、この単語がopalusになりました。ほとんどのオパールは、色相が虹色に変化する遊色効果として知られている現象のため貴重とされています。

この10月の誕生石に見られるドラマチックな遊色効果は、多くの作家によって花火、銀河、火山などになぞらえられてきました。ベドウィン族は、かつてオパールは雷を含んでいて、雷雨の際に空から降ってくると信じていました。古代ギリシャでは、オパールは予言と病気からの保護を授けると考えられていました。ヨーロッパでは長い間、オパールを純潔、希望、真実の象徴としていました。何百年も昔、オパールはカラーストーンのすべての美徳と力をまとめていると信じられていました。

オパールは、結婚記念日14周年を祝福する宝石でもあります。
 

この1.72カラット(ct)のオパールの表面で、意味をのむほど美しい夕暮れが舞うような表情を見せている。写真:Dr. Edward J. Gübelin/GIA
この1.72カラット(ct)のオパールの表面で、意味をのむほど美しい夕暮れが舞うような表情を見せている。写真:Dr. Edward J. Gübelin/GIA

オパールの産地

オパールの誕生石は、多くの場所で発見されています。10月の誕生石であるオパールについて世界で最も生産高が多いのは、オーストラリアの原野です。また、エチオピア、メキシコ、ブラジルも重要な鉱床となっています。他にも中央ヨーロッパ、ホンジュラス、インドネシア、マダガスカル、ペルー、トルコ、アメリカでも、鉱床が発見されています。

オーストラリアのニューサウスウェールズ州に位置する小さな街、ライトニング・リッジは、評価の高いブラックオパールを産出することで有名です。低木の枝だけが和らぎを見せる乾燥してごつごつとした土地のライトニング・リッジは、雨がほとんと降らず、焼かれるように思うほど夏の暑さは痛烈です。気候が非常に厳しく、鉱山労働者は過酷な暑さから一息つくために地下に住むケースが多くなっています。
 

ライトニングリッジ鉱山のこの画像から分かるように、ブラックオパールの団塊は時に線上で発見される。写真撮影:Vincent Pardieu
ライトニングリッジ鉱山のこの画像から分かるように、ブラックオパールの団塊は時に線上で発見される。写真撮影:Vincent Pardieu


また、オーストラリアは別のタイプの10月の誕生石の原産地でもあります。ホワイトオパールはニューサウスウェールズ州のホワイトクリフ地域、また南オーストラリア州のミンタビー、アンダムーカ、クーバーペディでも発見されます。ボルダーオパールは世界でも1つの地域でしか産出されておらず、クィーンズランドで採鉱されます。

クイーンズランドでしか見つからないボルダーオパール、2点。写真撮影:Robert Weldon/GIA
クイーンズランドでしか見つからないボルダーオパール、2点。写真撮影:Robert Weldon/GIA


エチオピアでは、10月の誕生石であるオパールはウォロ州のウェゲルテナの村の近くで発見されます。首都アディスアベバから340マイル(約550キロ)北、高度8000フィート(約2400メートル)まで旅をすると、台地の横に掘り進められた立坑から鉱山労働者がオパールを引き出しているところに到着します。ここで掘り出される宝石の地色は、白、イエロー、オレンジ、茶色がかった赤から、チョコレートブラウンまであります。この中には遊色効果を呈するオパールもあります。エチオピアのシェワ州にある別の鉱山は、垂涎の的となるブラックオパールの他、オレンジ、ホワイト、クリスタルオパールも産出します。この宝物は、地形の上にそびえる絶壁の下に埋もれています。 

メキシコの州のひとつ、ケレタロ州は、イエロー、オレンジ、赤みがかったオレンジから赤のファイアーオパールを産出することで知られており、中には遊色効果を呈するものもあります。鉱山は観光地で、そこにたどり着くには、松とオークの密林の中の砂利道を行き、サボテンと低木で鬱蒼とした高台を過ぎ、曲がりくねった山道を通らなければなりません。

誕生石「オパール」のお手入れ & クリーニング

オパールは、油、ワックスまたはプラスチックの含浸によって処理されていることがあります。オパールのダブレットまたはトリプレットは、土台となる素材に接着され、ドームの形をした薄い透明なクォーツで覆われたオパールの薄いスライスです。この10月の誕生石を最も安全にきれいにするには、温かい石鹸水で洗浄します。他のクリーニング方法はオパールや充填素材にダメージを与えることがあります。水に長いことさらすと、ダブレットやトリプレットのオパールの粘着性が弱まることに注意してください。高温または急激な温度の変化にさらされると、天然オパールでさえも割れてしまうことがあります。

この10月の誕生石は、硬度を示すモース スケールで5~6.5となっています。オパールよりも硬い宝石がセットされたジュエリーによる傷を避けるため、オパールは単独で保管しましょう。ダイヤモンドルビーサファイアエメラルドは、10月の誕生石に傷を与えてしまう宝石の一例です。 

この輝く18Kイエローゴールドとブラックロジウムのリングは、1.92カラット(ct)のブラックオパールをサファイアとダイヤモンドで囲んでいる。提供:Omi Privé(オミ・プリヴェ)
この輝く18Kイエローゴールドとブラックロジウムのリングは、1.92カラット(ct)のブラックオパールをサファイアとダイヤモンドで囲んでいる。提供:Omi Privé(オミ・プリヴェ)
オパールの詳細 オパールの購入者のための手引き


トルマリン:誕生石

    

誕生石「トルマリン」の意味 & 歴史

トルマリンは、新しい10月の誕生石です。トルマリンという名称は、「混合した色の石」という意味を持つシンハラ語のtoramalliに由来します。これは、トルマリンの1つの結晶には複数の色がよく見られるためです。トルマリンで見られるようなまばゆいばかりの様々な色を放つ宝石はあまりありません。古代の神秘主義者たちが、この10月の誕生石は芸術的表現を生み出す原因となると信じていたのはこのためでしょう。まさしくトルマリンにはすべての気分にピッタリの色があるのです。トルマリンの中で最も人気が高いのは、ピンクと赤のルベライト、エメラルドグリーンの「クロム」トルマリン、ネオングリーンとブルーからグリーンを呈する「パライバ」トルマリンです。 

トルマリンは、色の幅が広いため、他の宝石と間違われることがよくありました。ロシアの王冠に飾られている宝石の「ルビー」の一つである、「シーザーのルビー」ペンダントは、実は赤い (ルベライト) トルマリンです。1500年代、スペインの征服者はブラジルで緑色のトルマリン結晶を発見し、その石をエメラルドと勘違いしました。1800年代に科学者が異なる鉱物種としてトルマリンを定義するまで、このような間違った鑑別が何世紀も続きました。
 

マルチカラーのトルマリンのスイート。写真撮影:Robert Weldon/GIA
マルチカラーのトルマリンのスイート。写真撮影:Robert Weldon/GIA


異なる色のトルマリンには、それぞれ独自の癒しの特性があると考えられています。ブラックトルマリンは、身に着けている方を保護し、自信を与えると考えられています。ピンクトルマリンは、愛情表現を豊かにし、思いやりと優しさを強める効果があるとされています。グリーントルマリンは、勇気、強さとスタミナを促進します。 また、トルマリンは8周年の結婚記念日を祝福するのに贈られる宝石でもあります。

トルマリンの産地

この10月の誕生石は、最も一般的にブラジルで発見されますが、アフガニスタン、パキスタン、ケニア、マダガスカル、(アフリカの他の国々の中では)モザンビークでも採鉱されます。 米国では、カリフォルニア州とメイン州が、これまでに高級トルマリンの重要な生産者となっています。
 

モザンビークへの野外調査で訪れたマヴコ村近郊のトルマリン鉱床を訪問しながら、パープルとグリーンのトルマリンを調査。写真撮影:Vincent Pardieu
モザンビークへの野外調査で訪れたマヴコ村近郊のトルマリン鉱床を訪問しながら、パープルとグリーンのトルマリンを調査。写真撮影:Vincent Pardieu


何世紀にもわたってブラジルで採鉱されたトルマリンのほとんどは、ミナスジェライス州にあるペグマタイトから産出されたものです。マグマが地下に移動した結果できたペグマタイトより採取されるトルマリンは、まるで宝石鉱物の仮想万華鏡のようです。しかし、1980年代後半、エレクトリックグリーン、ブルー、バイオレットのトルマリンは、ブラジルのパライバ州のペグマタイトから宝石市場に参入しました。これらのトルマリンの強力な色は、以前は他のトルマリンの着色剤として記録されたことがなかった微量の銅によって発生すると、科学者たちは発見しました。2000年代初頭、パライバタイプの銅含有トルマリンはモザンビークやナイジェリアでも発見されました。 全般的に、最高品質のパライバトルマリンおよびパライバタイプのトルマリンの価格は、他のトルマリンをはるかに上回ります。それは、より鮮やかな色相、より高い色の飽和度、より高い稀少性のためです。
 

トルマリンキング鉱山にて、古いトンネルの入り口。写真撮影:Brendan Laurs
トルマリンキング鉱山にて、古いトンネルの入り口。写真撮影:Brendan Laurs


米国では、南カリフォルニアとメイン州の両方にペグマタイト鉱床がいくつかあります。一世紀以上にわたり、これらの鉱床から大量のトルマリンが散発的に産出されました。
 
メイン州で初めての主要なトルマリン鉱床は、1820年にパリスのマイカ山で2人の少年が近くを探索していたときに発見されました。今日でも、マイカ山の採石場は、断続的に様々な色のトルマリンを生成します。プラムバーゴ山の近くにあるダントン鉱山が、メイン州で最もトルマリンが豊富に産出される鉱山です。 
 
1898年、カリフォルニア州では初めての商業用トルマリン鉱山が、高級なルベライトを産出することで有名なメサグランデ地区のヒマラヤペグマタイトで開鉱しました。鮮やかな色をこよなく愛する西太后の欲望を満たすために、サンディエゴ鉱山は1902年から1910年の間に中華帝国に120トンのルベライトの宝石を輸送しました。1908年の西太后の没後、清王朝が崩壊し、カリフォルニア州のトルマリン採鉱の全盛期は終わりを告げました。現在、サンディエゴ郡ではわずかな数の鉱山が宝石質のトルマリンを時折産出しています。

誕生石「トルマリン」のお手入れ & クリーニング

トルマリンの誕生石は、硬度を示すモース スケールで7〜7.5とされており、一般的に毎日の着用に適しているとみなされています。これらのカラフルな宝石は、通常、光やほとんどの化学薬品に対して抵抗できるほど十分に安定していますが、熱にさらされると損傷することがあります。この10月の誕生石は、温かい石鹸水と柔らかいブラシを使用して安全に洗浄することができます。超音波洗浄器やスチームクリーナーの使用はお勧めできません。
 

プラチナとホワイトゴールドにセットされた、15.16ctのピンクのトルマリンとダイヤモンドのリング。提供:Omi Privé(オミ・プリヴェ)
プラチナとホワイトゴールドにセットされた、15.16ctのピンクのトルマリンとダイヤモンドのリング。提供:Omi Privé(オミ・プリヴェ)


こちらでは2つの10月の誕生石に関する歴史、そしてこれらの誕生石がどこで発見されるかについてご説明しました。これらの誕生石をあなたのコレクションに加えることをお考えかと思われます。10月の誕生石のお買い物に出かける前に、GIAのオパールの購入ガイドトルマリンの購入ガイドを是非お読みになり、美しい10月の誕生石をお選びになる際に参考にしてください。これらの誕生石は両方とも、10月生まれのあなたやあなたの愛する方がお喜びになるような様々な素敵な色を披露してくれることは間違いありません。

トルマリンの詳細 トルマリンの購入者のための手引き


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