誕生石

6月の誕生石

6月誕生石、真珠、ムーンストーン、アレキサンドライト Shadow

6月生まれの方は、自分の誕生石と言える宝石が幸運にも3つあります。6月は、3つの誕生石がある3つの月(もう2つは8月と12月)の一つであり、さまざまな美しい誕生石の中からお好きなものを選んでいただけます。
 
6月の誕生石は、真珠、アレキサンドライト、ムーンストーンです。6月生まれの方は、これらの誕生石は様々な色があり、価格帯も幅広いので、数多くの素敵な宝石の中から気分やご予算に合う誕生石を選ぶことができます。

誕生石「真珠」

  

誕生石「真珠」の意味 & 歴史

この素敵な6月の誕生石は、世界各地の海、湖、河川で採取されています。時代を超越し、ワードローブに欠かせないこの宝石は、年齢を問わずすべての女性に愛されています。真珠の起源は先人達を魅了しました。中東の古代の人々は、真珠は天国からこぼれてきた涙である信じていました。中国人は、6月の誕生石が龍の脳から生まれたと想像していました。また、クリストファー・コロンブスやその時代の人々は、母貝は真珠を露から形作ると考えていました。

真珠は有機体の宝石で、海水や淡水に住む母貝(海水産貝または淡水産貝)の組織の中で育ちます。貝殻に侵入した砂や寄生虫などの異物の周りで真珠層と呼ばれる物質を母貝が分泌すると天然真珠が形成されます。養殖真珠は人間が介入する産物です。技術者は外套膜の切片を単独で(淡水養殖真珠に一般的)、あるいは真珠母貝のシェルビーズを一緒に(海水の場合はすべてこのケース)母貝に埋め込みます。母貝は、天然真珠のように異物を真珠層で覆います。養殖真珠は、海水または淡水で運営される真珠養殖場で育てられます。母貝は養殖場で洗浄され、捕食動物から保護され、最終的に採取されます。数千年に渡って真珠の捕獲が行われたため、天然真珠が生成される場所がほとんど全滅し、現在販売されている真珠の大部分が養殖真珠となりました。これらの養殖真珠の誕生石は、驚くほど多くのサイズ、色、形のものがあります。

昔から真珠は、純粋さ、謙虚さ、純潔さを連想させます。このため6月の誕生石がもつ意味は「愛らしい純真さ」と言われるのでしょう。それゆえに、真珠は伝統的に結婚のお祝いに贈られていました。

真珠の誕生石は有益な財産をもたらすとも考えられていました。古代のサンスクリット語の文献、Atharvaveda(アタルヴァヴェーダ)には、真珠は長寿と財産を授けると謳われていました。アジアでは、真珠は消化不良や出血を和らげると信じられていました。また、19世紀のアラブの医者は、真珠の粉で視力、神経性の震えが改善し、鬱を和らげると主張していました。

最も有名な天然真珠には、50.56カラット(ct)のLa Peregrina(ラ・ペレグリーナ)があります。鳩の卵ほど大きいドロップシェイプのこの真珠は、1500年代にパナマ湾で発見され、珍重されるヨーロッパの王族財産となりました。1969年、リチャード・バートンが最終的にエリザベス・テイラーに贈り、2011年にはChristie's New York(クリスティーズ・ニューヨーク)にてラ・ペレグリーナが飾られているCartier(カルティエ)のネックレスが1180万ドル(約9億3千万円)で落札されました。
 

Cartier(カルティエ)はエリザベス・テイラーの所有する歴史的に有名な50.56ctのLa Peregrina(ラ・ペレグリナ)真珠を、この2連のパール、ルビー、ダイヤモンドのネックレスのペンダントの一部としてセットした。提供:Christie’s(クリスティーズ)
Cartier(カルティエ)はエリザベス・テイラーの所有する歴史的に有名な50.56ctのLa Peregrina(ラ・ペレグリナ)真珠を、この2連のパール、ルビー、ダイヤモンドのネックレスのペンダントの一部としてセットした。提供:Christie’s(クリスティーズ)

真珠の産地

温かい海... 澄み切った青空... ドラマチックな風景。夢のようなビーチでのバカンスのように聞こえるでしょう。これは、真珠の誕生石がよく発見される場所にピッタリの表現でもあります。 真珠を含有する母貝は汚染された水域ではうまく育たないため、通常、真珠養殖場は開発が進んでいる場所から離れた遠隔地、そして大概は息を飲むほど美しい環境に位置しています。

海水養殖真珠は世界中の多くの地域で成長します。アコヤ真珠養殖場は主に日本や中国、特に広東省や広西自治区の南部沿岸にあります。南洋養殖真珠はオーストラリア北部の沿岸からインドネシア、東南アジアの南部沿岸で養殖され、フィリピンにも大規模な養殖場があります。ギャンビア諸島とトゥアモトゥ諸島は、いずれもフランス領ポリネシアにあり、鮮やかなタヒチ黒真珠が養殖されている地域です。中国は淡水養殖真珠の主な生産者となっています。
 

日本の英虞湾はアコヤ真珠養殖場として最も重要な場所のひとつ。写真: Valerie Power/GIA
日本の英虞湾はアコヤ真珠養殖場として最も重要な場所のひとつ。写真: Valerie Power/GIA

仏領ポリネシアの環礁は真珠養殖場を周囲の海洋の波から守る盾となっている。ヤシの木の後ろには、母貝の養殖に最適な隠れた礁湖がある。写真:Amanda Luke/GIA
仏領ポリネシアの環礁は真珠養殖場を周囲の海洋の波から守る盾となっている。ヤシの木の後ろには、母貝の養殖に最適な隠れた礁湖がある。写真:Amanda Luke/GIA


天然真珠はアラビア湾(ペルシア湾)で少なくとも5000年にわたり発見されており、その一方紅海では潜水士が紀元前300年から6月の誕生石である真珠を採取しています。マンナールの海峡では、紀元前2000年から真珠が採取されています。16世紀に始まり、スペインによる植民地支配の間、大量の真珠がメキシコ、中米および現在のベネズエラにあたる地域の沖合から採取されていました。現在ではこの水域で発見される真珠は少量しかありません。

誕生石「真珠」のお手入れ & クリーニング

真珠は硬度を示すモース スケールで2.5〜3.0です。比較的柔らかい宝石なので、特別な手入れが必要となります。他の宝石や金属ジュエリーとは分けて保管し、傷がつかないように防ぎましょう。真珠の誕生石をプラスチックの袋に入れないでください。プラスチックは化学物質を発して真珠の表面にダメージを与える可能性があります。香水、ヘアケア製品、化粧品などは必ず真珠のジュエリーを身に付ける前に使用しましょう。6月の誕生石をきれいに保つ最善の方法は、柔らかい湿った布を使い、理想的には着用後毎回手入れすることです。
 

今日、養殖真珠は、多種多様な形状、色、サイズ(ここでは、9mmから23mmの測定)がある。左から右:バロック養殖真珠、小粒のファンシーピンクおよびピーチのオフラウンド淡水養殖真珠、オーストラリア産
今日、養殖真珠は、多種多様な形状、色、サイズ(ここでは、9mmから23mmの測定)がある。左から右:バロック養殖真珠、小粒のファンシーピンクおよびピーチのオフラウンド淡水養殖真珠、オーストラリア産ラウンドホワイト養殖真珠、ブラックおよびブラウンのタヒチ養殖真珠。写真撮影:Robert Weldon/GIA、


こちらでは真珠の歴史そしてこの6月の誕生石がどこで採取されるかについてご説明しました。古典的な美しさを放つ真珠の価値を改めてご理解いただけたでしょう。真珠の誕生石への関心がおありでしたら、あなたのコレクションに5つの欠かせない真珠ジュエリーを加えてみてはいかがでしょうか。真珠を購入する前に、GIA の 7 Pearl Value Factors™(真珠の 7 つの評価要因)について学び、この便利な真珠の購入ガイドでお探しの物を検討してください。

真珠の詳細 真珠の購入者のための手引き


誕生石「ムーンストーン」

  

誕生石「ムーンストーン」の意味 & 歴史

ムーンストーンは、鉱物の長石グループで最も有名な宝石です。宝石全体に大きくうねるように見える光、アデュラレッセンス(青色閃光)が、ムーンストーンで特別な輝きを放つことで知られています。最高品質のムーンストーンは、背景が無色であると青い光学現象が見られます。この6月の誕生石は、ローマとギリシャのルナの神々に関連しています。ヒンドゥー教の神話によると、ムーンストーンは月光が固まってできたと伝えられています。また、ムーンストーンは、愛、情熱、多産によく関連付けられ、大きな幸運をもたらすと考えられています。

René Laliqueや Louis Comfort Tiffanyなど、アールヌーボー時代(1890年代~1910年代)の偉大なデザイナーたちは、高級ジュエリーにムーンストーンを使いました。ムーンストーンの誕生石は、1960年代の「フラワーチャイルド」運動の間、そして1990年代のニューエイジのデザイナーとともに再び注目を浴びるようになりました。
 

7世紀後半のフランク族の円盤型ブローチ。ミディアム: ゴールドシート、フィリグリー、ムーンストーン/アデリュラリア、ガラスカボション、ガーネット、真珠母貝、ムーンストーン。提供:Metropolitan Museum of Art(メトロポリタン美術館)
7世紀後半のフランク族の円盤型ブローチ。ミディアム: ゴールドシート、フィリグリー、ムーンストーン/アデリュラリア、ガラスカボション、ガーネット、真珠母貝、ムーンストーン。提供:Metropolitan Museum of Art(メトロポリタン美術館)

ムーンストーンの産地

ムーンストーンは、さまざまな場所で発見されます。例えば、米国のニューメキシコ州、ノースカロライナ州、バージニア州などでも発見されています。 ムーンストーンの産地として世界で最も重要な場所はインドとスリランカですが、ブラジル、マダガスカル、ミャンマー、タンザニアでも採鉱されています。

 

スリランカのムーンストーンの採鉱。写真: Afsaneh Tazari/GIA
スリランカのムーンストーンの採鉱。写真: Afsaneh Tazari/GIA

スリランカで発見されたムーンストーンの原石。写真撮影:Vincent Pardieu
スリランカで発見されたムーンストーンの原石。写真撮影:Vincent Pardieu

誕生石「ムーンストーン」のお手入れ & クリーニング

ムーンストーンは、鉱物硬度を示すモース スケールでは6〜6.5であり、靭性はあまり優れていません。高熱に晒されると割れることがあります。このため、超音波洗浄器やスチームクリーナーはムーンストーンの洗浄に使用しないでください。柔らかいブラシと温かい石鹸水でクリーニングするをお勧めします。

 

Maria Canaleがデザインしたこのリングの8.34ctのムーンストーンは、サファイアがあしらわれたプラチナにセットされている。提供:Richard Krementz Gemstones 写真撮影:Robert Weldon/GIA
Maria Canaleがデザインしたこのリングの8.34ctのムーンストーンは、サファイアがあしらわれたプラチナにセットされている。提供:Richard Krementz Gemstones 写真撮影:Robert Weldon/GIA
ムーンストーンの詳細 ムーンストーンの購入者のための手引き


誕生石「アレキサンドライト」

  

誕生石「アレキサンドライト」の意味 & 歴史

アレキサンドライトは、異なる照明の下で色が変わる鉱物のクリソベリルの稀少な変種です。最も貴重とされているアレキサンドライトの誕生石は、日光や蛍光灯の下では鮮やかな緑色から青味がかった緑色、白熱光の下では強力な赤色から紫がかった赤色を示します。 アレキサンドライトの主要な鉱床は、1830年にロシアのウラル山脈で初めて発見されました。この宝石は若き王位後継者、アレクサンドル2世(1818–1881年)にちなんで命名されました。アレキサンドライトは、その石の赤色と緑色が帝国ロシアの軍旗の色を反映していたため、国の注目を集めました。 

ある種の細長いインクルージョンがこの6月の誕生石で平行に並んでいる場合、シャトヤンシーまたはキャッツアイ効果と呼ばれるもう一つの現象が現れます。キャッツアイアレキサンドライトほど魅力的または驚くほど素敵な宝石はあまりありません。
 

この7.19ctのアレキサンドライト(左:蛍光灯下、右:白熱灯下)はタンザニアのトゥンドゥル地方で採られた。写真撮影:Robert Weldon/GIA
この7.19ctのアレキサンドライト(左:蛍光灯下、右:白熱灯下)はタンザニアのトゥンドゥル地方で採られた。写真撮影:Robert Weldon/GIA

アレキサンドライトの産地

壮大なウラル山脈の鉱床は、徐々に鉱石の大半が掘り尽くされてしまい、現在ほとんどのアレキサンドライトは、ブラジル、スリランカ、東アフリカ産が主流となっています。これら新しい鉱床にはある程度上質の石が含まれていますが、多くは、19世紀のロシアのアレキサンドライトほどの変色性を示すものはなく、色相も濁っています。その稀少性のため、特に大きなサイズでは、高品質のアレキサンドライトは、より高価なカラー宝石のひとつとなっています。
 

ブラジル、マラカチェタ近郊のコレゴ・ド・フォゴにて、クリソベリル採鉱。提供:ICA
ブラジル、マラカチェタ近郊のコレゴ・ド・フォゴにて、クリソベリル採鉱。提供:ICA

誕生石「アレキサンドライト」のお手入れ & クリーニング

この6月の誕生石は比較的硬く、モース スケールでは8.5です。優れた靭性を持ち、衝撃で割れる性質を示す「劈開」がありません。そのため、毎日身につける指輪やジュエリーにセットする選択肢として最適な石となります。 アレキサンドライトの婚約指輪は、6月生まれの花嫁にとってユニークな贈り物となります。温かい石鹸水で洗浄するのが最適ですが、超音波洗浄器やスチームクリーナーも通常安全であるとされています。

5.16カラットのオーバル型のアレキサンドライトをセンターストーンに、プラチナに0.57カラットのラウンドのアレキサンドライトと0.74カラットのブリリアントダイヤモンドラウンドをアクセントにセットした、アレキサンドライトとダイヤモンドの手作業で作られたリング。RO1005-ALOV - プラチナ、アレキサンドライト、オーバル、5.16ct。Courte
5.16カラットのオーバル型のアレキサンドライトをセンターストーンに、プラチナに0.57カラットのラウンドのアレキサンドライトと0.74カラットのブリリアントダイヤモンドラウンドをアクセントにセットした、アレキサンドライトとダイヤモンドの手作業で作られたリング。RO1005-ALOV - プラチナ、アレキサンドライト、オーバル、5.16ct。提供:Omi Privé


6月は祝福の月です。結婚式や記念日、卒業式や誕生日もあります。6月の誕生石で祝うよりも良い方法はあるでしょうか。6月生まれの方は、幸運なことに3つの素敵な誕生石からお好みのものを選べます。ご自身または6月生まれの愛する方のためにこれらの6月の誕生石からどちらをお選びになるかお分かりいただけたことでしょう。

アレキサンドライトの詳細 アレキサンドライト 購入者のための手引き


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