7月の誕生石
ルビーは7月の誕生石で、最も人気の高い宝石の一つです。ルビーという名称は、愛と情熱の色である「赤」という意味を持つラテン語の「ruber」に由来します。ルビーの誕生石ほど目をひくものはほとんどないでしょう。7月の誕生石で最も素晴らしい色は、宝飾業界で「鳩の血(ピジョンブラッド)」と呼ばれるわずかに紫色がかった深みのある赤です。鉱物コランダムの変種であるルビーの色は、微量元素クロムが原因で生成されます。クロムの含有量が多くなるほど、赤い色が濃くなります。ご自身または7月生まれの愛する方のために素敵なルビーを選んでいただけるように、この美しい7月の誕生石について知っておくべきことをこちらでご紹介します。
誕生石「ルビー」
誕生石「ルビー」の意味 & 歴史
古代インドでは、ルビーは、稀少であり、硬度に優れており(ダイヤモンドに次いで2番目)、美しくて、神秘的な力を持っているように見えるため、「貴重な石の王」と呼ばれていました。長い間、生命の源である血に関連付けられているルビーは、インドの宝飾品においてパワーそして若々しいエネルギーの象徴とされていました。これまで何世紀にもわたって、この7月の誕生石は、不幸や危険を予測できると信じている者もいれば、炎症性疾患を治したり、怒りを鎮めると主張する者もいました。ビルマの戦士は、戦いで自分たちを無敵にしてくれるものと信じていました。中世ヨーロッパ人は、ルビーが健康、知恵、富、恋愛の成功を与えてくれると考えました。
7月の誕生石であることに加え、ルビーは伝統的に結婚記念日の15周年や40周年の贈り物にもなっています。
ルビーの産地
7月の誕生石、ルビーを求める私たちの探索は、高級ルビーとして記録された最古の原産地であるミャンマー(旧名ビルマ)から始まります。垂涎の的であるルビーはその一部が、5世紀以上にもわたってミャンマーのモゴック地域で産出されています。これらは光を分散するインクルージョンと輝く赤の蛍光で和らいだ、鮮やかな赤の美しい石です。この地域には、風雨にさらされた大理石と古い仏教寺院があります。
20世紀後半以降、ベトナムがこの7月の誕生石のもう一つの重要な原産地となっています。雨林が繁る山々が広大な水田の上にそびえるベトナム北部のLuc Yen(ルック イェン)地域は、赤から紫がかった赤のルビーを産出します。さらに南に位置するQuy Chau(クイ チャウ)も多くの素晴らしいルビーを産出しています。今日は、運命を好転させる宝石を見つけたいとの思いから、高い技能を持つ鉱山労働者たちが地面を掘り起こしています。
モザンビークは7月の誕生石ルビーが採れる新しい重要な原産地です。アフリカに位置するこの国には、モンテプエズに多産な鉱山があります。ここで産出するルビーは、有名なモゴック産の宝石に匹敵します。
タイとカンボジアの国境に沿ったルビー鉱床は、1900年代後半長年にわたり、市場で流通するルビーの主要な産地でした。この7月の誕生石の他の重要な産地には、アフガニスタン、タジキスタン、パキスタン、スリランカ、ケニア、タンザニア、マダガスカルがあります。
誕生石「ルビー」のお手入れ & クリーニング
ルビーは多くの場合、熱処理が施され、紫色の色味を取り除いて混じりけのない赤色にしてあります。このプロセスにより、宝石の色調を薄く不透明にする「シルク」(微細な針状インクルージョン)を除去することもできます。熱処理は、通常の着用やお手入れに対しても効果が安定しているため、取引においても受け入れられています。ただし、ルビーは、格子拡散処理や染色が施されることがあります。低品質の素材では、宝石が実際よりも透明にみえるように、表面に達する多数のフラクチャーやキャビティはガラスで充填され、より目立たなくしていることがあります。これらの処理が施されていると、ルビーは、通常の着用やケアであっても、損傷を受けやすくなることがあります。
ルビーを購入する前に、そのルビーに処理が施されているかどうか、そして処理済みの場合はどの方法で処理されているかを必ず尋ねるようにしてください。米国連邦取引委員会では、宝石の知覚価値に影響する処理の開示を義務付けています。GIA鑑別レポートは、石が天然か合成か、また、いずれかの処理が施されているかどうかを識別するうえで重要です。
ほとんどの場合、この7月の誕生石は、温かい石鹸水と柔らかいブラシを使用して安全に洗浄することができます。超音波クリーナーおよびスチームクリーナーは、通常、未処理の石や熱処理、格子拡散処理が施された石については安全です。ガラス充填や染色が施された石のクリーニングは、湿らせた布だけで行います。
7月の誕生石ルビーを現在お持ちかどうかに関わらず、美しいルビーを所有することは稀少で貴重なことです。赤い宝石が概してお好きでしたら、GIAのルビーの購入者のための手引きをご参照ください。