誕生石

12月の誕生石

12月誕生石、トルコ石、タンザナイト、ジルコン Shadow

12月の誕生石からどれか一つを選ぶとしたら、タンザナイト、トルコ石、ジルコンのどれをお選びになりますか?青から青みがかった紫色のタンザナイト、濃い青から緑色のトルコ石、様々な色のジルコンなど、あなたにぴったりの色を見つけることができるでしょう。青い宝石をお探しでしたら、このお好みの色相でそれぞれが独特の色を呈する12月の誕生石からお気に入りの宝石を選んでいただけます。お好みの色やスタイル、ご予算に関わらず、ご自身またはあなたの大切な方にピッタリの12月の誕生石を紹介します。

誕生石「トルコ石」

  

誕生石「トルコ石」の意味 & 歴史

トルコ石は半亜透明から不透明の宝石であり、色範囲はブルーから緑色となっています。また、石基(トルコ石が形成された岩石の残留物)が全体に脈状に入っていることがよくあります。この12月の誕生石は何千年もの間貴重な宝石とされています。古代エジプトのファラオやその他の支配者は、自らの装飾にトルコ石を使用していました。中国の職人たちは3000年以上前にトルコ石を使って彫刻をしていました。
 
トルコ石は、健康と幸運をもたらすなど、有益な力を数多く持っていると考えられていました。13世紀以降、トルコ石は身に着けている人が落下する(特に馬から)のを防ぐことができ、災害が近づくとに粉々に壊れてしまうと考えられていました。また、ヒンズー教徒の神秘主義者たちは、新月を見た後にトルコ石を見ることで、素晴らしい財産が確保されると信じていました。
 
12月の誕生石であるトルコ石はアメリカ先住民の生活において重要な役割を担っていました。アパッチ族は虹の終わりを追えばトルコ石を見つけられると考えていました。また、トルコ石を弓や銃器につけることで、より正確に標的を狙うことができると信じられていました。プエブロ族は、トルコ石が空から色を奪ったと主張していましたが、ホピ族は地球上を駆け抜けるトカゲによって作られたと考えていました。
 

46.28ctのミディアムグリーンブルーのトルコ石、フリーフォームのカボション。写真: Robert Weldon/GIA
46.28ctのミディアムグリーンブルーのトルコ石、フリーフォームのカボション。写真: Robert Weldon/GIA


この12月の誕生石は3000年以上前にエジプトを統治したツタン王の葬祭用の仮面を装飾しています。トルコ石は、より近代的な皇族にも所有されています。ウィンザー公爵夫人ウォリス・シンプソン(1896-1986年、エドワード8世が退位するきっかけとなった女性)は、有名なカルティエ製アメシストとトルコ石のネックレスを着用していました。また、トルコ石は、結婚11周年記念(日本では3周年とされる場合が多い)の宝石でもあります。
 
ヨーロッパの伝統では、トルコ石のリングの贈り物には「私を忘れないで」と意味があります。トルコ石はチベットで宝とされており、健康や幸運をもたらし、悪から保護されると考えられています。この12月の誕生石は、身に着けている人に安らぎを与えることでも知られています。

トルコ石の産地

トルコ石は1000年以上にわたり、イランのニシャプール地区で採掘されています。この地域で産出され、貴重とされている均一な色を持つ濃い青色のトルコ石は、「ロビンズエッグブルー(コマドリの卵の青色)」や「スカイプルー」、「ペルシアンブルー」などと呼ばれています。現在、取引業者は産地にかかわらず、これらの用語をトルコ石の色を表現する際に使用しています。
 

イランのニシャプール地方に向かう途中の景色。提供:Eduard J. Gübelin博士のコレクションより
イランのニシャプール地方に向かう途中の景色。提供:Eduard J. Gübelin博士のコレクションより


米国でトルコ石を最も多く産出する場所は1920年代までニューメキシコ州でしたが、現在は米国のトルコ石はほとんどがアリゾナ州およびネバダ州で採鉱されています。鉱山には、ドライクリーク、イースターブルー、エメラルドバレー、フォックスのような魅力的な名称がつけられています。アリゾナ州のキングマン鉱山は、濃い青色のトルコ石を産出するため歴史的に重要な原産地となっています。現在では、トルコ石の採掘は行っていませんが、アリゾナ州のスリーピングビューティー(眠れる森の美女)鉱山は40年以上もの間、トルコ石の多産地でした。
 
今日、中国がこの12月の誕生石の世界最大の産出国です。中国で採掘されている、宝石品質のトルコ石の大半の原産地は中国中部の湖北省です。

誕生石「トルコ石」のお手入れ & クリーニング

トルコ石は、耐久性(モース スケールは5~6)、外観、研磨を向上させるために処理されることがあります。硬度または色を向上させるためにエポキシ樹脂やアクリル樹脂を加えて、染色したり化学的に改良することもあります。また、パイライトのインクルージョンを模倣するために金属を含有したエポキシ樹脂でキャビティを充填している場合もあります。

トルコ石は通常は光に対して安定していますが、高温によって変色したり損傷する恐れがあります。トルコ石の誕生石は、各種の酸により損傷を受けることがあります。また、一部の化学薬品、化粧品、さらには皮脂や汗によっても変色する恐れがあります。 温かい石鹸水でトルコ石の宝飾品をクリーニングするのが安全ですが、決してスチームクリーナーや超音波洗浄器は使用しないでください。一部のトルコ石は熱や溶剤によって、処理された表面が損傷する恐れがあります。
 

このネックレスに使用されている濃い青のトルコ石のビーズは、アリゾナのスリーピングビューティー(眠れる森の美女)鉱山産。写真撮影:Robert Weldon/GIA、提供: Somewhere In The Rainbow(サムウェア・イン・ザ・レインボウ)
このネックレスに使用されている濃い青のトルコ石のビーズは、アリゾナのスリーピングビューティー(眠れる森の美女)鉱山産。写真撮影:Robert Weldon/GIA、提供: Somewhere In The Rainbow(サムウェア・イン・ザ・レインボウ)
ターコイズの詳細 トルコ石の購入者のための手引き


誕生石「タンザナイト」

  

誕生石「タンザナイト」の意味 & 歴史

タンザナイトは、ジュエリーに使われるカラーストーンの中では比較的新しい宝石ですが、20世紀に発見された宝石の中で最も素晴らしいもの一つでした。タンザニアで採掘された青い石は、1962年に鉱物のゾイサイトと識別されました。しかし、探鉱者がこの12月の誕生石の主要な鉱源であるメレラニ鉱床を見つけたのは、1967年のことでした。この宝石は最終的に原産地を称えてタンザナイトと命名されました。タンザナイトの誕生石は、その色が澄んだ深みのあるブルーからバイオレットまでと深い飽和した色であるため「ビロードのよう」とよく表現されます。タンザナイトの色では、青が最も貴重なものと考えられています。

ティファニー&カンパニー は、タンザナイトの国際的にアピールできる可能性を認め、主要な販売業者になりました。ティファニーは、1968年にタンザナイトの販売促進のために大々的な宣伝キャンペーンを展開しました。その鮮やかな色、高いクラリティ、そして大きな宝石がカットされる可能性が高いため、タンザナイトはあっという間にセンセーションを引き起こしました。現在では、12月の誕生石であるだけでなく、結婚記念日24周年を祝う宝石にもなっています。
 

この5.59 カラット (ct) オーバルタンザナイトは28個のテーパーバゲットと12個のラウンドブリリアントカットダイヤモンドに囲まれている。提供:EraGem.com
この5.59 カラット (ct) オーバルタンザナイトは28個のテーパーバゲットと12個のラウンドブリリアントカットダイヤモンドに囲まれている。提供:EraGem.com

タンザナイトの産地

タンザニア北部にあるメレラニ鉱山は、タンザナイトが商業用に採鉱されている唯一の場所です。草で覆われた丘、低い茂み、岩混じりの土、時折見える木が、この鉱山の風景に見られます。大がかりな機械作業が行われ、数千人の労働者が鉱山から地中深く100メートル以上掘削してタンザナイトを採掘しています。鉱山の北側にそびえ立つのは、キリマンジャロ山の雪で覆われた斜面です。


雲の中から顔を出しているのは、キリマンジャロ山の頂上。タンザナイトはキリマンジャロ山の麓で採掘される。写真: Eric Welch/GIA
雲の中から顔を出しているのは、キリマンジャロ山の頂上。タンザナイトはキリマンジャロ山の麓で採掘される。写真: Eric Welch/GIA

誕生石「タンザナイト」のお手入れ & クリーニング

この12月の誕生石(硬度を示すモース スケールで6〜7)は、通常の熱、光及び一般的な化学薬品の影響に対して耐久性があります。しかしながら、タンザナイトを非常に高い温度や急激な温度の変化にさらすと割れてしまい、簡単に摩耗する可能性があります。また塩酸やフッ酸により損傷する恐れがあります。

ほとんどのタンザナイトは、元々茶色がかったゾイサイトであり、この12月の誕生石の特徴である青からバイオレットの色相を生成するために熱処理されます。その結果生じた色は永久的なものであり、耐久性に対して心配する必要はありません。

タンザナイトの誕生石は、イヤリングやペンダントにセットされるのが最適でしょう。  日常着用するリングにセットするのはお勧めできませんが、宝石を保護する石留め法を用いたり、特別に配慮することで、この12月の誕生石は特別な機会に着用する素敵な宝石となるでしょう。
 
タンザナイトのクリーニングには、温かい石鹸水を使用するのが最良な方法です。 超音波洗浄器やスチーム クリーナーはタンザナイトには決してお勧めできません。

 

この特別なシチュエーションのための美しいリングには、4.91ctのタンザナイトが8本のプロングによって守られており、またダイヤモンドの豪奢なフレームになっている。提供: 1stdibs.com
この特別なシチュエーションのための美しいリングには、4.91ctのタンザナイトが8本のプロングによって守られており、またダイヤモンドの豪奢なフレームになっている。提供: 1stdibs.com
タンザナイトの詳細 タンザナイト購入者のための手引き


誕生石「ジルコン」

  

誕生石「ジルコン」の意味 & 歴史

ジルコンの語源については、様々な議論を引き起こしました。一部の学者は、この石の名前が「鮮赤色(cinnabar)」や「朱色(vermilion)」を意味するアラビア語 zarkunに由来すると考えています。また、ペルシャ語zargun、即ち「金色の」に由来すると信じる人もいます。赤、オレンジ、黄色、茶色、緑色、青など、この12月の誕生石の色範囲が広いことを考えると、どちらの由来もありえます。無色のジルコンは、そのブリリアンスや、ファイアーと呼ばれる様々な色の光の反射で知られています。このため、何世紀もの間ダイヤモンドと間違えられていました。

中世には、この12月の誕生石は安眠を誘い、悪霊を追い払うものと考えられていました。ヒンズー教では、ジルコンは9つのナヴァラトナの宝石の一つとしてヘソナイトガーネットに代わるものです。9つの宝石を身に着けると、着用した人を守り、富、知恵、健康をもたらすと言われています。

ビクトリア朝時代の人々はブルージルコンを好みました。上質な石が1880年代の英国のエステートジュエリーに見受けられます。
 

ジルコンには、様々な魅力的な色がある。写真撮影:Robert Weldon/GIA、提供:Eduard J. Gübelin博士のコレクションより
ジルコンには、様々な魅力的な色がある。写真撮影:Robert Weldon/GIA、提供:Eduard J. Gübelin博士のコレクションより

ジルコンの産地

スリランカの豊富な宝石は伝説的です。様々な色のサファイア、ルビーアレキサンドライトスピネルトルマリンムーンストーン、クォーツ、その他の宝石鉱物がここで採鉱されています。12月の誕生石、ジルコンもスリランカで採鉱されています。中央スリランカの宝石採鉱地エラヘラは、スリランカ国内で産出量が最も多い地域のひとつです。山々とジャングル、そしてたゆまぬ小川がドラマチックな風景を織りなしています。

高い技能を持つ採鉱者は、スリランカのエラヘラ地域で宝石を探す。写真:Vincent Pardieu/GIA
高い技能を持つ採鉱者は、スリランカのエラヘラ地域で宝石を探す。写真:Vincent Pardieu/GIA


オーストラリアのハーツレンジは、イエローブラウン、オレンジブラウン、ピンクやパープルのジルコン産出地として知られています。そこに行くと、広大なサバンナ、乾燥した河床、そして地平線と交わる低層の丘が見えます。この12月の誕生石はジルコンヒルで採掘されています。近隣のアリススプリングス市は、アウトバック文化、原住民のアート、乾燥した河床で行われるレガッタレースのような風変わりなスポーツイベントで知られています。

この12月の誕生石は、サファイア鉱床の付近で発見されることがよくあります。スリランカやオーストラリアに加えて、ジルコンとサファイアの2つが産出される国には、ミャンマー、ベトナム、カンボジアなどがあります。

誕生石「ジルコン」のお手入れ & クリーニング

ジルコンは、硬度を示すモース スケールで6〜7.5となっています。ジルコンは青色または無色、あるいはオレンジ、イエロー、レッドにするために加熱処理されることがよくあります。通常、光にさらされても変化しませんが、一部の熱処理された石は、明るい光に長時間さらされると、元の色(通常は淡褐色)に戻ることがあります。また、ジルコンによっては熱によって色が変化するものもあります。この12月の誕生石は、化学薬品にさらされても安定しています。
 
ジルコンは摩耗しやすいので、ガーデニング、スポーツや皿洗いのように活発に動作する際には着用を避けるのが最善です。

ぬるま湯と中性洗剤を使い、柔らかいブラシでジルコンをきれいにします。超音波洗浄器やスチームクリーナーは、ジルコンのクリーニングにはお勧めできません。

このブルージルコンとダイヤモンドのリングは、6.59カラットのエメラルドカットのブルージルコンをセンターストーンにして手作りされており、18Kホワイトゴールドにセットされた0.76カラットのエメラルドカットのツァボライトガーネットと、0.14カラットのブリリアントのダイヤモンドのラウンドセットがアクセントになっている。提供:Omi Privé(オミ・プリヴェ)
このブルージルコンとダイヤモンドのリングは、6.59カラットのエメラルドカットのブルージルコンをセンターストーンにして手作りされており、18Kホワイトゴールドにセットされた0.76カラットのエメラルドカットのツァボライトガーネットと、0.14カラットのブリリアントのダイヤモンドのラウンドセットがアクセントになっている。提供:Omi Privé(オミ・プリヴェ)


12月生まれの方は、トルコ石、タンザナイト、ジルコンという様々なブルーの色合いを持つ誕生石からお好きなものを選ぶことができます。また、鮮やかな赤、黄色、緑色、パープル、茶色の宝石を選ぶこともできます。あなたの個性に合った完璧な12月の誕生石を楽しくお探しください。12月の誕生石のショッピングに行く際には、GIAのタンザナイト購入ガイドトルコ石購入ガイドジルコン購入ガイドを忘れずにお持ちください!

ジルコンの詳細 ジルコン購入者のための手引き


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