おしゃれな化石アンモライト
由来のある宝石がお好きなら、アンモライトがお気に入りの宝石になるでしょう。アンモライトとは、カナダのアルバータ州南部で発見されたイリデッセンスを示す化石化したアンモナイトの殻です。
地球に森林や哺乳類の動物がまだ存在せず、大陸がたった1つしかなかった時代に、アンモナイトの群れがテティス海で獲物を探していました。鋭いくちばしのような顎が輪状に並んだ触手に埋めこめられておりイカのような形をしたこの生き物は、捕まえられるものを餌としていました。
アンモナイトは恐竜と同じ運命を辿りました。約6600万年前に絶滅してしまったのです。小惑星が地球に衝突し、寒冷気候が訪れたため、アンモナイトはおそらく絶滅したと信じられています。
何千年もの年月が経過すると同時に、プラセンティセラス ミーキィとプラセンティセラス インターカラレと呼ばれる2種類のアンモナイトが、驚くほど素晴らしい色を呈する化石へとゆっくりと変化し、これがアンモライトと呼ばれるようになりました。アメリカ先住民はアンモライトの鮮やかな色に魅了され、バッファローを狩猟する際に幸運をもたらすお守りとして身に着けていました。
ほとんどのアンモライトは、緑と赤を呈します。青とバイオレットのアンモライトはより珍しく、通常、価値がより高いとされています。アンモライトは、フラクチャー(ひび割れ)またはシート(板状)のいずれかのタイプで呼ばれます。フラクチャーのあるアンモライトはステンドグラスに似ています。シート型のアンモライトは、色が連続しており、切れ目のないものです。心を揺さぶるような名称が、アンモライトの多様な外観を表現するために使用されます。例えば、竜の皮(鱗のような模様)、玉石(玉石が敷き詰められた道のような模様)、月光(線やひびがわずかで発光を見せる)、絵筆(絵の具で塗ったような模様)などがあります。
通常、シート型アンモライトはアンモライトの薄い層を安定させるためにポリマーで含浸されます。アンモライトは層が薄いので、ほとんどの場合、ダブレットまたはトリプレットに張り合わせられます。アンモライトをダブレットにする場合は、頁岩、ブラック オニキスやガラス素材などで裏張りされます。また、合成スピネルやクォーツをアンモライト層の上部に貼り、トリプレットが制作されることもあります。
アンモライトは、多くの場合、ペンダント、ブローチ、イヤリングに作られますが、時には美術品として販売されることもあります。アンモライトはモース スケールでの硬度が3.5で硬い石ではないため、傷が付きやすい宝石です。また、熱、および酸、香水、ヘアスプレーのような化学物質もアンモライトを傷つける恐れがあります。日常のお手入れは、湿った、柔らかく、毛羽がない布で拭くことをおすすめします。