アレキサンドライトの品質を決定する要因
上質のアレキサンドライトは、太陽光の下で緑色から青みがかった緑色、白熱光の下で赤色から紫がかった赤色を示します。 その色の彩度は、やや強〜強です。 淡色すぎる石では、上質の宝石に見られるような濃い色にはなりません。 また、暗すぎる石は輝きが足りず、ほぼ黒色に見えます。
ロシアの鉱床からの産出は今日では非常に限られています。かつて大量に産出していた上質の濃い色相の宝石を手に入れることは、200年もたたないうちに非常に困難になったということです。
スリランカのアレキサンドライトは、一般的にロシア産のものにくらべ大きいですが、その色の魅力は低い傾向にあります。 スリランカ産のアレキサンドライトの緑色はロシアの石の青緑色に比べて黄色みがかっており、またその赤色はたいてい、紫がかった赤色ではなく茶色がかった赤色です。
ブラジル産のアレキサンドライトには、ロシア産並の上質カラーのものがありますが、ブラジル産出のものは減少しています。
現在、アレキサンドライトの供給は少なく、上質な色の品は非常に希少です。
クラリティ
アレキサンドライトには、大抵、あまりインクルージョンが含まれていません。 色の変化が大きく濃い色で、インクルージョンの無い石は価値が劇的に高くなります。
ある種の細長いインクルージョンが平行に並んでいる場合、シャトヤンシーと呼ばれるキャッツアイ効果というもう一つの現象が現れ、これがアレキサンドライトの価値を高めます。
カット
アレキサンドライトは、ブリリアントカットのクラウンとステップカットのパビリオンからなるミックスカットにされるのが最も一般的です。 ブリリアントカットは、カイトシェイプや三角形のファセットからなり、ステップカットは平行ファセットが同心状に並んでいます。
アレキサンドライトの多色性は、カット職人にとっては難題です。 カット職人は、アレキサンドライトを成形加工する際に、クラウンを通して色の変化が最も大きく見えるような方向でカットします。 仕上がった石が帯紫赤色と緑色の両方の多色性の色をフェースアップで示すように、原石の方向を決めるのはとても重要な事です。
カラット重量
カットされたアレキサンドライトは小さく、ほとんどが1カラット未満です。 サイズが大きいほど、また品質が良いほど、価格は劇的に高くなります。